2021/06/27 -名古屋・名古屋国際会議場- 第4試合、セミファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2021/06/27 -名古屋・名古屋国際会議場- 第4試合、セミファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

 


■中日本バンタム級新人王準決勝
【バンタム級4回戦】
美濃 巧人(とよはし) vs 大城 雄都(トコナメ)

美濃 巧人 1戦1勝
大城 雄都 1戦1勝 サウスポー


1R、静かな立ち上がり、前の手の攻防が繰り広げられる。
中盤、美濃の右ストレートが炸裂すると、大城は下がらず前へ。
強引に出る大城と下がりながら応戦する美濃。
激しくパンチを交換する展開へ一気に突入。
終盤には頭を着けてのファイト…美濃のボディが目立つ。


2R、頭を着けてのファイトが続く。
たまに距離を取る美濃だが、大城はすぐに詰めて撃ち合いへと持ち込む。
激しく撃ち合う両者、顔面を襲う大城だが、
被弾何のそので徹底して強烈にボディをエグる美濃。


3R、体で押し合いながらの死力のファイトが展開される。
このラウンドも美濃のボディが目立つ中、
顔面へ細かく返すコンビネーションもしっかりと捉え始める。


4R、お互い出し切るように撃ち合いが激しさを増す。
両者とも、被弾しても止まることなく撃ち込んで行く。
試合終了に向けて加速していき、そのままゴング。


マイジャッジ、40-36 美濃

公式ジャッジ
39-37×2、40-36

3-0 勝者:美濃


下がりながら応戦していた美濃を撃ち合いに引きずり込んだ大城。
敗れはしたが、この展開を創り上げたのは大城の方だったと感じる。
1勝1敗…僅か2戦だが、”死力系ファイター”の印象を強くした。
大城というボクサーの特徴をしっかりと刻んだ試合だったように思う。

美濃は各ラウンドの差はわずかだったが、
強烈なボディでポイントを集めての勝利だったように感じる。
腹を叩ける選手は強くなる選手。
デビューから2戦続けてとなる死闘を乗り越えて決勝進出を決めた。


決勝では菅原 健太(名古屋大橋)が待ち受ける。
両者ともに離れても近付いても戦える選手なだけに…試合展開の予想が難しい試合。
刈谷あいおいホール、8月8日に雌雄を決することとなる。

 

【ライト級6回戦】
湯川 成美(駿河男児) vs 長谷 和紀(トヤマ)

湯川 成美 1戦1勝
長谷 和紀 8戦5勝(3KO)2敗1分


初っ端からハイテンポの長谷。
出入りしながらジャブを出し、左フック、右ストレートを撃ち込んでいく。
距離が縮まったタイミングでは一発貰ってもコンビネーションで返す。
ジワジワとプレスをかけ続ける湯川。
ヒット、手数で大きく下回るも、一発一発しっかりと威力のあるパンチを繰り出していく。


2R、足を使って捌いていく長谷。
ペースを掴んだかに思えた中盤、
湯川の振り抜いた右フックで意識を飛ばしたかのように硬直する。
この場面はなんとかクリンチで逃れるもヒヤリとする場面。

後半、長谷が攻勢を強めると激しく撃ち合う二人。
お互いに鋭利に顔面を捉え合う中、湯川が連続で長谷の顔面を捉え、
ロープに貼り付けたところで終了のゴング。


3R序盤、下がりながら捌く長谷と前に出る湯川。
お互いの左フックが交錯した瞬間、湯川がリングに膝を着く。
再開後、攻め立てる長谷だが、湯川は落ち着いてクリンチで遮断。

攻める長谷に対してガードを固める湯川、
効いている素振りは見せないが、手がほとんど出ない。
しっかりダメージはあるように思えるが、時折返す反撃のパンチはしっかりと威力のあるもの。
長谷、攻め込むことはできず。

終盤に入ると湯川は圧力をかけながら自分からは出ず。
ラウンド自体は捨てているか。
長谷に攻めさせずラウンド終了のゴング。


4R、ポイント的には倒さなければ苦しくなる湯川。
プレスをかけ続け、左フックで激しく長谷の顔面を跳ね上げるシーンも。
中盤、湯川のパンチが低く入り、長谷に休息が与えられる。

再開後、獰猛に襲い掛かった湯川、試合は一気に撃ち合いとなる。
両者激しく捉えるが、怯まず後続打を叩き込み続ける湯川が、
押しつぶすように長谷を飲み込んでいく。
長谷がロープ際でヨロヨロと沈んだ姿にレフリーが試合をストップ。


TKOタイムは4R 2分39秒。

 

アマエリートにド地方の叩き上げがあと一歩に迫った試合。
着実に実力を伸ばし続ける長谷が、「やれる」ことを知らしめた一戦だったように思う。
しかし、獰猛に牙をむいた湯川を抑えることはできず…。

あと少し…あと少しの連続。
実力が伸びている以上、必ず結果はついてくるはず。
その時が訪れるのを待っていたい。


3Rにダウンを奪われていた中、湯川にとって、
撃ち合いで押しつぶす選択のリスクは相応にあったはず。
しかし、それしか勝ち筋はなかったようにも見えた。

しっかりとその選択をし、逆転KO劇を演出した。
大ピンチに圧力をかけながらラウンドを捨てた冷静さ含め、
アマチュア時代から築いた経験の賜物だったようにも感じる。

ここからA級へ昇格し、多くの猛者たちと拳を合わせることになる。
勝利に対してのしぶとさを見せつけた試合。
期待値を高めて、湯川の次戦を待ちたいと思う。

 

 

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