WBOアジアパシフィック王座の国内承認を僕は支持する(コラム) ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/11/13
何かと批判される王座乱立。
それと同じテンションで語られるWBOアジア太平洋の国内承認…。
2016年4月、日本プロボクシング協会(JPBA)の会長が大橋ジムの大橋 秀行会長から、
ワタナベジムの渡辺 均会長に交代。
交代後の早い段階で行われた改革がこれ。
日本ボクシングコミッション(JBC)に対してWBOアジア太平洋王座の承認を要請した。
これには反対意見も多く、主な理由は、
「地域タイトルの乱立はチャンピオンの地位低下を招く」
…と言ったモノ。
世界王座乱立と全く同じノリで語っているように思えるが、
僕はこの決定は王座乱立とは分けて考えるべきと思う。
これから何年後か…日本人だらけの国内興行はきっと終息を迎える。
後楽園ホールで…ボクシングが毎週のように見れる時代はきっと終わると思うのだ。
理由は単純。
「少子化」
今後、日本の全てのスポーツでこの問題が難題として降りかかる。
A級ボクサーの数も10年前と比べるとかなり減ったように感じる。
働き手不足から、建築や介護では既に海外の人材を活用している。
ボクシングも日本単体の日本王座は…徐々にそのクオリティを落としていくと思う。
当然、人口の全体数が減れば、競技人口も減るワケである。
空位だらけの日本ランキングになるのは明白で…
はたしてランキング表が組めるか…と言ったところまで行くかもしれない。
日本のボクシングは「日本のボクシング」から「アジアの一部としてのボクシング」に変化していくはずだ。
そんな時、他のアジアの国々では既に認められているタイトルが、日本だけ認められていないとなれば…
マッチメイクの障壁ともなりえるだろう。
そうやって本当に地域タイトルが必要となったとき、慌てて済崩し的に地域タイトルを認めるか…
今から認めて、”権威”と言う名の歴史を作っていくか…
批判があることを承知の上で、この段階で承認に踏み切ったことに僕は拍手を送りたい。
先回りして確実に起こる問題を潰した…
JPBAのWBOアジア太平洋王座の承認要請を僕はそんなふうに憶測している。
…考えすぎだろうか。
国内王座や地域王座にまでこだわって格式をもたせようとするのは…
もしかすると日本人だけかもしれない。
「日本のファンは潔癖過ぎる」
これは海外ファンとのやりとりでたまに言われる言葉。
日本のファンの潔癖な価値観…
僕は凄く大事だと思う。
それでも、先を見据えるのならば、僕らファンが地域王座をないがしろにしないことが、大事なんじゃなかろうかと思う。
各国コミッションが持ちまわるので、日本とは考え方の違う国が主導の時期は…
当然、日本人ファンの思い通りにはならないだろうと思うものの…。
地域王座の魅力をどう掘り出すか…どう語るか…。
そこは我々ファンの仕事。
ボクシングファンにとっての正念場は、すぐそこまで迫っている。
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