2016/05/08 名古屋国際会議場-1~3試合目(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
【バンタム級4回戦】【中日本新人王予選】
宮城 直樹(緑) vs 各務原 タカシ(コパン星野)
・宮城 直樹 3戦2勝(2KO)1敗 34歳 サウスポー
・各務原 タカシ 5戦2勝3敗 31歳
1Rから宮城はとにかく手数が多く、ガードの意識が高い各務原の両腕を上から叩く叩く。
しかしディフェンス主体の各務原は、丁寧にガードしながら宮城の連打の中からカウンターを浴びせる。
宮城は本当にこれで4R突っ走る気か?って疑いたくなるほどの手の出しよう。
このラウンドの後半、各務原は待ちになってしまう…このままいくと飲み込まれてしまうんじゃ…なんて心配。
2R後半になると、少し雑ながら各務原が手を出す。
ガンガン手数で押してくる宮城なので、手を出せば当然、宮城のパンチが差し込まれてくるんだけど、
逆にヒットするほとんどのパンチがカウンターになる。
ずるずる飲み込まれる展開を心配していた僕としては各務原の選択が正解に思えた。
3R中盤に宮城は小休止するものの、後半にコンビネーションで各務原を捉えると再ラッシュ。
結局4R後半はヘロヘロになってしまった宮城だったけど、それでも最後まで手を出し続ける。
結果、2-0の判定で宮城が勝利。
各務原は高いガードでしっかり守っていて、なおかつカウンターで多くのヒットを奪っていた。
僕の目には宮城のパンチの多くが各務原のガードを叩いていたように見えたけども…
それでもこれだけ手数を出されると、ポイントが宮城に流れても全く違和感はない。
各務原がディフェンスから入れるいい選手なだけに、
今後こういった相手にどう対処していくか…なんてところが気になります。
宮城はこれで中日本新人王の1回戦を突破。
トーナメント表を見ていないので誤りがあるかもしれませんが、
この階級で勝ち上がっているのは伊藤 仁也(三河)、中村 祐斗(市野)。
このうち伊藤は見たことがあって、以前の観戦記にも書いているんだけど…かなりいいボクサーだと思います。
宮城がどう対抗するか…なんて思いつつ、もしかすると伊藤は
この手のタイプをだいぶ嫌がるかもしれない…なんて思ってて。
ぶつからないかなぁ…この二人。
実現するなら、なかなか楽しみなカードです。
【フェザー級4回戦】【中日本新人王予選】
水江 陸(泰栄) vs 佐々木 政城(天熊丸木)
・水江 陸 1戦1敗 23歳 サウスポー
・佐々木 政城 1戦1勝(1KO) 18歳
水江はデビュー戦では硬さから判定負け。
佐々木は1RKO勝利を飾っています。
開始直後からこの試合は大きく動く。
水江の撃ち終わりに佐々木がタイミングのいいショートをヒットさせて水江がダウン。
決めに行く佐々木に対して、応じる水江。
壮絶な撃ち合いになり…なんと倒れたのは佐々木。
お互いに1度ずつダウンを奪い終わった後、佐々木は効いてしまったか一旦距離を置いて戦う。
追いかける水江…このラウンド偶然のバッティングで水江が流血。
2Rに入るとドクターチェックが入るもここは続行。
水江はシャープなパンチで佐々木からカウンターを取っていくも、
大きな右フックを振った撃ち終わりに佐々木のストレートが突き刺さり、再逆転のダウン。
さらにもう1ヶ所傷を作り…これはヒッティングによるカット。
出血の激しい水江。
3R序盤、水江がまた上手くカウンターを取り始めたところで試合がストップ。
バッティングの方の傷が開き、この時点で負傷判定へ…。
採点は3-0で、2度ダウンを奪っていた佐々木が勝利。
水江は撃ち終わりのバランス一点だけ、ダウンを奪い返したシーンなんかとっても強さを感じた。
逆に佐々木は、その撃ち終わりを逃さずにダウンを奪うところに、嗅覚を持っているように感じて…。
今後、客を喜ばせるボクサーになっていきそうな予感。
トーナメント表を見ていないので多分だけど、次は中野 元気(トコナメ)と当たるのかな?
この選手、見ていないんだけど、1RKOで勝ち上がっています。
6/19らしいんですが…スケジュール合うかな…見てみたいです。
【56Kg契約4回戦】
荒川 高志(緑) vs 浅野 達哉(天熊丸木)
・荒川 高志 4戦1勝3敗 25歳
・浅野 達哉 デビュー戦
オーソドックス同士の対戦となったこの試合。
荒川は前回の試合、佐伯 瑠壱斗(岐阜ヨコゼキ)に圧倒的に敗けてしまったんですが…。
佐伯は僕の中では大注目の4回戦の一人。
相手が強過ぎるって意味で、この試合は参考外かなと思ってしまいます。
相手の浅野は、身長が低いんだけど、体のバネを感じる選手。
自分で運動神経が悪いなんて言ってたけど…実際試合を観た感想からは「まさか?」と。
本当だとしたら、どれだけ努力したんだろうか…素早い踏み込みはなかなかのものでした。
1Rからサークリングしてジャブを突いていく荒川。
届かない距離でも弾幕を張るように…。
浅野は体格が小さい分、踏み込んで合わせないといけないんだけれど、
荒川は入り際にきっちりパンチを合わせる。
これは荒川が支配するか…?なんて思っていると、
ラウンド後半になるにつれ、浅野のパンチがヒットしていく。
ジャブの引き手に合わせて素早く踏み込む…そんなタイミングをつかみ始めます。
2Rが始まると左フックをひっかけて回ろうとする荒川。
しかし、右を撃とうとするとまず最初に足を止めてから撃ってしまう…そこを浅野に狙われてしまう。
この試合は結局、浅野が判定で勝利。
体の小ささを補える武器を充分持ちあわせている選手なので…今後が楽しみです。
荒川は…僕、ちょっとこの選手が好きになってしまったようなので…あえて言いますが…。
全然強そうに見えないです。
アウトボクサーなんですけど、流れるような動きではなく、どこかぎこちない。
でも、足を使って左を多く出して、ワンツーで入り際を狙う…左フックをひっかけようとする。
そんな基本的な動きをしっかり練習しているように見えて…。
かつてセレス 小林(国際)が日本王座に挑戦したとき、
日本タイトル史上再弱の挑戦者と叩かれたことがありました。
しかしセレスはそんな評価をぶっ飛ばすように強くなっていき、世界王者にまで上り詰めた。
どう見ても強く見えない選手が、気がついたら強くなっていて、
日本王座を獲得した…なんてのも見たことがあります。
そういった選手は本当に稀だとは思うんですが…
自分の人生にまで影響を与える試合は、そんな選手の試合だったりします。
どう見ても真面目そうにしか見えない荒川のボクシング…。
そんなボクシングだからこそ、いつかそんな試合を見せてくれるんじゃないだろうか…と
期待してしまうわけです。
いや…そんな選手ごくごく少数なのは解ってるんですけどね…そういう選手をまた目撃する機会があるなら、
きっとこういう選手じゃないかと思ってしまうんです。
…と、長くなってきたので続きはまた次回。
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