2025/04/27 -三重・メッセウイングみえ- 第1試合~第3試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2025/04/27 -三重・メッセウイングみえ- 第1試合~第3試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

 

【スーパーフェザー級4回戦】
山田 飛鳥(市野) vs 吉田 佳太(鈴鹿ニイミ)


ゴングが鳴るとともにしっかりと拳がヒットする距離でのスリリングな攻防。
サウスポーの山田が左ストレートを強烈にヒットさせ始めると
吉田はなんとかクリンチに逃れる。

ラウンド中盤からは山田の右フックも吉田を捉えていき、一方的な流れになりかける。
しかし、少しずつ吉田も落ち着いてきたか、
ラウンド終盤は山田の振るうパンチをしっかり外し始める。


2R、右ストレートを狙う吉田と、ガードで受ける山田。
撃ち終わりを狙っているか、待ちに入った分、山田の手数は減るが、
ひとたび左ストレートが吉田を捉えると、吉田がバランスを崩す場面も。

吉田の手数は多いが、山田も距離とガードでしっかりと外す場面が目立つ。


3R、手数を増していく吉田に、山田は相打ち気味のカウンターで対抗。
お互いに強烈に捉え合う場面が増える中、中盤には山田が前に出て連続で吉田を捉えていく。
常時手が出続ける山田の方がヒットは上か…きわどいラウンド。


4R、撃ち合いに出る両者、下がりながらではあるが吉田が左右フック、
右ストレートで次々と捉える。
中盤撃ち疲れたか、吉田の手が減ると、山田の左アッパーが目立つ。
終盤は両者、出し尽くすように撃ち合い続けて試合終了のゴング。


マイジャッジ 38-38

公式ジャッジ

39-37×2 山田
40-36 山田

3-0 山田


手数でははっきりと上回った吉田だったが、的確性や一発一発の見栄えで山田が上回った。

巧みに拳を突き立てていった山田。
KOには届かなかったが、左ストレートでダメージを与えると、後続打で次々と捉えていった。
要所要所をしっかり抑える試合運びもまた、ポイントを手中にしていった要因とも思えた。

最初から最後までペース変わらず手を出し続けた吉田。
被弾にひるまず、最終ラウンドには何度も山田の顔面を跳ね上げた。
劣勢の中で立ち向かう姿に、青コーナー側の客席からは吉田に大きな拍手が贈られた。

どちらも持ち味を垣間見せたデビュー戦。
ここからどう変化、成長していくか、楽しみにしていたい。


山田 飛鳥 1戦1勝
吉田 佳太 1戦1敗

 

【フェザー級4回戦】
クーヤ・ジャップ(天熊丸木) vs 三上 卓也(鈴鹿ニイミ)


ジャップより頭一つ大きなサウスポーの三上。
右ボディストレートを撃ちながら入り、左フックで先制したジャップ。
次の攻防で、右ボディストレートから右フックを叩きこむ。
コーナーで腰を落とした三上に対し、レフリーはダウンを宣告。

再開されると、一気に攻め込んだジャップが右ストレートで2度目のダウン奪取。
痛烈にアゴをえぐった一撃だったが、三上はカウント8まで休んで立ち上がる。
再開後も攻め込むジャップだったが、ここは三上がクリンチでなんとか窮地を脱出。、

ラウンド後半はようやく三上に落ち着きが出てきたか、
ジャップをジャブで遠ざけて第1ラウンドが終了。


2R、落ち着いて足を使う三上。
ジャブと左ストレートでジャップを突き刺し始めると、
入れなくなったジャップの手数は激減。
ジャップのガードも堅く、大きなヒットの数は少ないが、手数ヒットとも三上が上回る。


3Rもジャップを遠ざける三上。
2度のダウンを奪われながらも主導権は三上か…。
中盤、ジャップが強引に詰めた場面では三上の顔面が跳ね上がるヒット。


4R、ゴリゴリと詰めていったジャップ。
三上の顔面が痛烈に跳ね飛ぶ場面もあるが、試合も佳境…。
運動量の落ちるジャップは撃ち終わりを狙う。

三上の手数は落ちず、左ボディを痛烈に差し込む場面も。
相打ち気味にジャップが捉え返し、展開は拮抗。
1発の印象ならジャップだが…手数、ヒットは三上。
試合はそのまま試合終了のゴング。


37-37 ドロー


公式ジャッジ
38-36 ジャップ
37-37×2 ドロー


1-0 ドロー


いきなりの立て続けのダウンで、
大ピンチに陥った三上だったが、なりふり構わずクリンチで流れを切ると
落ち着きを取り戻して、ワンツーでジャップを遠ざけ続けた。
残り3Rのすべてを制しての試合結果は見事としか言いようがない。


フレーム差のある相手を見事に捉えてダウンを奪ったジャップ。
いきなり奪った2度のダウンは、自分より体格が上回る相手に対し、
ボディへのストレートで踏み込んで上へと繋いだ一撃だった。
相手が建て直す前に仕留めたかったジャップだが叶わずに勝利を逃した。
ただ、1つの形をあれだけ綺麗に決めれる選手。
経験とともに、そのパターンが増えていけば、大きく力を伸ばしていくようにも思える。
長くリングに上がり、その強さを伸ばしていってほしいと思えた。


クーヤ・ジャップ 1戦1分
三上 卓也 2戦2分

 

【スーパーウェルター級4回戦】
パオロ・セサル・ウルタド・ロアイザ(市野) vs 田中 喜誉(岐阜ヨコゼキ)


いきなり右フックを振るっていった田中。
勢いよく攻め込んでいくが、ロアイザの返すパンチも鋭利。
撃ち合いとなる中、押し込んでいくのは田中。
コーナーまで押し込み、ねじ込むような左でロアイザのアゴをえぐってのダウン奪取。

立ち上がったロアイザ、ダメージ明らかな状態に攻め込む田中だが…
レフリーが割って入るかどうかの瀬戸際の中で、ロアイザが拳を返し、
試合のストップに抵抗、なんとかこのラウンドを乗り越える。


2Rも攻め込む田中だが、しこたまもらいながら返すロアイザのパンチが当たり始める。
押し込まれながらも、いったん捉えると連続で強打を叩きこむロアイザ。
ラウンド終盤には、田中のヒザも揺れ、両者撃ち疲れもある中
まるで最終ラウンドのような姿でこのラウンドが終了。


3R、下がりながらのパンチでも田中の顔面を跳ね上げるロアイザ。
しかし猛烈に押し込む田中は止まらず、時間が進むごとにロアイザの力感は失われていく。
手を返し続けるロアイザだが、攻め込まれる時間が長く、ロープを背負いながらの被弾も多い。


4R、最後の力を振り絞って撃ち合うロアイザ、痛烈なボディで田中の腹を襲う。
しかし、田中の猛攻は止まらず、中盤からはロアイザがクリンチに逃れる場面も。
がむしゃらにがむしゃらに田中が攻め続けて試合終了のゴング。


マイジャッジ 39-36 田中

40-35 田中
39-36×2 田中

3-0 勝者:田中


2R終了時点で両者ともに精魂尽き果てていてもおかしくなかった試合。
力を出し切りつくしたような二人の戦いに大きな拍手が起こった。

最後は消耗していったロアイザだったが、
攻め続けた田中の戦いぶりが引き起こしたものだったように思う。
逆に言えば、あの展開をよくあそこまで持ちこたえたとも言える。

ボクシングを始めて8ヶ月。
相手の怒涛の攻撃に立ち向かった姿は、きっとよりロアイザを強くするように思う。
ここから進化していく姿に期待したい。


攻めに攻め続けての初勝利を手に入れた田中。
この階級は一発で試合展開が変わり得る中、危険な距離よりさらに近距離に踏み込み続け、
この日までに積み上げてきたスタミナとフィジカルで押し込み続けた。

「肉体を限界まで練り込め」とは名日本王者 守安 竜也(岡山平沼) の言葉。
この先プロのリングを戦い抜く土台の強さをはっきりと見せつけたように思えた。
飛躍する準備は万端…エントリー一名での今年の中日本新人王。
各地の新人王たちとの戦いへと旅立っていく。


パオロ・セサル・ウルタド・ロアイザ 1戦1敗
田中 喜誉 2戦1勝1敗

 

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