フェザー級日本王座連続防衛回数ランキング(記録関連) ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2018/10/31
本日はフェザー級の日本王座連続防衛回数ランキング。
歴史も深いフェザー級、戦後の初代日本フェザー級王者はフィリピン人だったりします。
日本国内で盛んなミドル級までの13階級の中ではちょうど真ん中となる、下から7階級目。
この階級になると世界に届く選手もなかなか減って、世界フェザー級王座を獲得した日本人はわずか5名。
世界を待ち続けた日本王者がその回数を伸ばすことの多い、日本王座連続防衛記録。
さてさて、この階級は…
フェザー級日本王座連続防衛回数トップ10
第1位 13度防衛 第24代日本フェザー級王者
身長はわずか155cm。
短躯な体で連打連打のインファイトでアンタッチャブルな記録を打ち立てた。
ぐっとかがんで潜り込み、ボディフックを叩き込み続ける…その戦いは毒蜘蛛戦法と言われた。
デビュー戦は敗北するもののその後は国内で無敗。
2度のグアム遠征では負けをつけられるも、
元OPBF東洋フェザー級王者のキム・ヒョン(韓)を破るなどして世界ランカーに。
初のタイトルマッチはいきなり世界。
WBA世界フェザー級王者のエルネスト・マルセル(パナマ)に挑戦するも、9RKOで挑戦に失敗。
まだまだ、根本が成熟する前の試合…若き根本は全く太刀打ちできなかったと聞く。
その後は敵地韓国で強豪に敗れるなどしながらも、国内では無敗。
初の世界挑戦から4年の歳月を経て、足立 茂義(本多)との日本フェザー級王座決定戦を制して日本王座獲得。
初防衛後、ノンタイトル3戦を挟んでロイヤル 小林(国際)のOPBF東洋太平洋フェザー級王座に挑む。
この試合は未だに負けはしたものの、根本が勝っていたというファンもいるほどに小林を苦戦させた試合。
負けながらもその強さを証明。
ここから本格的な日本王座防衛ロードへ突入。
途中、WBA世界フェザー級王者のエウセビオ・ペドロサ(パナマ)へ2度目の世界挑戦を叶えるも届かず。
WBA世界フェザー級王座を19度も防衛するレジェンド世界王者に完敗するものの、
ペドロサも毒蜘蛛戦法には手を焼き、判定で逃げ切られる形だった。
その後も国内王座の防衛は継続し、達城 錠(神林)を破って当時の連続防衛記録を更新する9連続防衛。
最終的には記録を13度防衛まで伸ばす。
14度目の防衛戦に立ちふさがったのはケニアからやって来た
元アマチュアアフリカ王者の友伸 ナプニ(ヨネクラ)。
判定負けで王座を陥落し…時代を終えたかと思われたが、すぐさま再戦で王座を奪回。
元キックボクサーの土佐 源(新日本木村)を相手に通算で14度目の防衛を飾ると王座を返上して引退した。
引退後は草加市職員を経て、スパイダー根本ボクシングジム会長として後進の育成に当たった。
第2位 8度防衛 第10代日本フェザー級王者
韓国にルーツを持つ、1950年代後半から1960年代前半の名選手。
帝拳黄金時代と呼ばれた時代を支えた一人で、フェザー級で初めて世界挑戦を叶えた選手でもある。
デビューから2年半、現在のボクシングでは信じられないペースで試合を積み重ね、
36戦目にして日本王座初挑戦。
大川 寛(極東)から王座を奪うと、間にノンタイトルを挟みながら5連続防衛。
ハードパンチャーとして名を馳せた高山…挑戦者がなかなか現れず、
思うようにタイトルマッチを組めなかったとも言われる。
元OBF東洋フェザー級王者のレオ・エスピノサ(比)にも勝利し、
世界フェザー級王者のデビー・ムーア(米)に挑戦。
「ルノーがダンプに衝突するようなもの」と言われた無謀な挑戦で、1Rに痛烈なダウンを奪う大善戦。
しかし、当時の日本はボクシング後進国…技術差は大きく判定で王座獲得は叶わず。
これにめげずに3カ月後には日本王座6度目の防衛戦で再起。
さらにノンタイトル7試合と7度目の防衛戦を勝ち抜き、デビー・ムーア(米)へ再挑戦。
しかし…世界の壁は高く、今回はダウンを奪われての完敗で、またも挑戦叶わず。
小口 章(青木)との8度目の防衛戦を最後に苦しかったウェイトを上げるため、
日本王座を返上してスーパーフェザー級へ転向。
しかし、こちらではタイトル戦は叶わず、
ラリー・フェルナンド(比)に敗れた試合を最後にリングを去った。
ノンタイトル戦での3度と、日本王座の初防衛戦で激突した勝又 行雄(不二)との戦いは
今も語られる名勝負となっている。
第3位 7度防衛 第13代日本フェザー級王者
デビュー以来の連戦連勝で全日本新人王に輝くと、その後も勢いは止まらず19連勝で日本王座に初挑戦。
プロデビューからわずか1年1カ月での挑戦は菊地 万蔵(田辺)に退けられる。
その後は海外の強豪相手に3連敗…。1年で19勝を重ねた男が、半年で4つの負けを重ねることとなる。
なんとか再起を飾ると、当時の日本ボクシング界の大スターだった
OBF東洋(OPBF東洋太平洋前身)フェザー級王者の関 光徳(新和)をノンタイトルで撃破。
そのまま連勝を4に伸ばして日本フェザー級王座に再挑戦。
益子 勇治(東拳)を撃破し、ここから怒涛の防衛ロードが始まる。
日本タイトルマッチでは7連続防衛、さらに防衛中の期間、ノンタイトルでは対戦相手に海外の強豪を交えながら
19勝2敗2分と驚異的な戦績を記録…満を持して日本王座を返上し、世界に挑むこととなる。
当時、WBA/WBC世界スーパーフェザー級王座に君臨していた
「精密機械」沼田 義明(極東)に挑み世界を獲得し、6度の防衛。
間にはWBA世界フェザー級王者だった西城 正三(協栄)との世界王者同士のノンタイトル戦をも制している。
7度目の防衛戦でアルフレド・マルカーノ(ベネズエラ)を相手に陥落すると、
もう一度世界の頂を目指して南米へ武者修行へ。
しかし、最初に戦った無名のホープに敗れ…世界の広さを痛感しての引退…。
この試合で小林を破った男こそ、のちに4階級を制するパナマの伝説的世界王者、
ロベルト・デュラン(パナマ)だった。
第4位 6度防衛 第7代日本フェザー級王者 大川 寛(極東)
第4位 6度防衛 第46代日本フェザー級王者 越本 隆志(FUKUOKA)
第4位 6度防衛 第59代日本フェザー級王者 細野 悟(大橋)(2期目)
第7位 5度防衛 第38代日本フェザー級王者 杉谷 満(協栄)(2期目)
第7位 5度防衛 第39代日本フェザー級王者 浅川 誠二(神戸)
第7位 5度防衛 第43代日本フェザー級王者 松本 好二(ヨネクラ)(2期目)
第10位 4度防衛 第50代日本フェザー級王者 大之伸 くま(FUKUOKA)
第10位 4度防衛 第58代日本フェザー級王者 天笠 尚(山上)
10位圏外には3度防衛が7名並んでいる。
これまで産まれた63人の王者のうち、半数近くの26名が防衛0となっているのも特徴的。
現役選手でトップ10に入ったのは細野 悟の6度防衛のみ。
現王者もトップテン入りにはまだまだ遠い。
世界戦線に目を移すと日本王座を経由していない強豪がひしめく。
スーパーバンタムを制した久保 隼(真正)、ロンドン五輪銅メダリストの清水 聡(大橋)、
突如現れた「天才?」阿部 麗也(KG大和)。
さらに大沢 宏晋(ロマンサジャパン)もシビアなカードを戦い続けている。
長谷川 穂積(真正)以降、7年以上世界王者が出ていないこの階級だが、
軽量級から徐々に上の階級に広がってきたボクシング強豪国日本の勢力図が、
近い将来…この階級にも広がることも考えられるはずだ。
※記録は2018/10/31時点
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