2023/10/08 -岐阜・じゅうろくプラザ(一部)- 第1試合~第4試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
■2023年度中日本・西部日本フェザー級新人王対抗戦
【フェザー級4回戦】
石崎 大二朗(LUSH) ○ vs 中村 良介(黒崎KANAO)
4R判定 2-0(39-37、39-37、38-38)
ゴリゴリと押し込みながら、至近距離で石崎が襲っていく。
得にクリンチの離れ際や、押し合う場面でのスペースの無いところで
巧みに強打を捻じ込む場面…強さ巧さを見せつける。
1R終盤には中村が際どいタイミングでカウンター。
押され気味の中でも怖さを見せる。
2Rに入ると、石崎が体で押し込んでラッシュを仕掛ける場面。
レフリーが腰を落としてストップに備える場面もあるほどに石崎が圧倒していく。
しかし3R序盤、中村が強烈な右アッパーをカウンターで叩き込むと
ここから石崎のクリンチが増え、休む場面が目立ち始める。
朦朧としているか、ブレイク後に石崎が手を出してしまう場面も。
レフリーは注意で収めて、事なきを得るが…
クリンチが増えている状態、レフリーの印象もよくはないだろう状況。
減点が来れば勝敗がひっくり返ってもおかしくない状態で最終ラウンドに突入。
際どい展開の中、石崎が押し込みながらヒットを奪う展開に戻るが、
疲れもあるか、中村が押し返す場面も出はじめる。
最後は中村が強烈なカウンターを皮切りに、猛烈な撃ち合いとなり、
お互いの顔面がよじれるような強打を叩き込み合うが…
ここを石崎が撃ち勝って試合終了のゴング。
押し込まれる中で叩き込んだ中村のカウンターが試合をもつれさせた。
センスは抜群にも思えるが、まだまだ粗い。
整って来れば、上で勝負していける選手にも思えた。
大きな存在となって、中日本のリングに再来してくれる日を待っていたい。
石崎は圧力の強さと、密着した場面での巧さを発揮した。
相手の自由を奪いながら、自身は僅かなスペースに拳を捻じ込んで行く。
巧みかつ強烈…ファイターとしてのスタイルにフィジカルの強さを存分に活かしている。
大苦戦の末、西軍代表決定戦出場となった石崎だが、
攻略の難しいやっかいな選手として、全日本新人王レースをかき回して欲しい。
石崎 大二朗 3戦3勝(2KO)
中村 良介 5戦3勝(2KO)2敗
■2023年度中日本・西部日本スーパーフェザー級新人王対抗戦
【スーパーフェザー級4回戦】
新田 晃生(カシミ) ○ vs 藤澤 孟則(冷研鶴崎)
3RTKO
ロングレンジでは互角の戦いを繰り広げる二人だったが、
新田が距離を詰めると優位に立つ。
2Rには強烈な左ボディからのラッシュでなぎ倒すようなダウンを奪取。
甚大なダメージをかかえながらもここをなんとか乗り切った藤澤。
3Rには足を使ってアウトボクシングを敢行した藤澤。
すると、ペースが変わり、テンポよく新田を捉え始める。
ただし、既に抱えていたダメージは大きく…。
新田の左を浴びてグラついたことろをレフリーがストップ。
絶体絶命の2Rを乗り切った後のアウトボクシングは見事と思えた藤澤。
テンポとペースを維持できれば、負けにくいボクサーへと変貌する可能性もある。
負け越し戦績とはなってしまったが、持ち合わせはしっかりある選手に見えた。
来年再トライがあるようなら、また中日本新人王に立ちはだかる可能性も充分にある選手。
ここから一年、より強くなる姿を期待したい。
前線では左一本で相手を完封するようなボクシングを見せていた新田が、
この試合では詰めていくファイトの強さも見せつけた。
相手に合わせてボクシングを変えれるのは、積み上げたものの大きさを感じる。
他の選手が1パターンを身に着けるのに対して、2パターンは単純計算で2倍の練習量。
アウトボクシングをさせれば古川 修誠(杉田)を封じ、
ファイトをさせれば藤澤 孟則(冷研鶴崎)をねじ伏せる。
どちらも高いレベルで成立させる姿に驚愕した。
この日、最も強さを見せつけたようにも思える新田。
全日本新人王への期待値はこれまで以上に上がったように感じる。
新田 晃生 3戦3勝(1KO)
藤澤 孟則 4戦2勝2敗1分
■2023年度中日本・西部日本ライト級新人王対抗戦
児島 弘斗(黒崎KANAO) 西軍代表決定戦進出
※中日本新人王エントリーなし
■2023年度中日本・西部日本スーパーライト級新人王対抗戦
【スーパーライト級4回戦】
中里 雄大(中日) ○ vs 新垣 基広(琉豊)
2-0(39-37、39-37、38-38)
距離がぐっと潰れた消耗戦。
押し合いながら、お互いを削り合う展開が延々と続いていく。
右を撃ちながら飛び込んで行く中里。
押し込まれながらも、小さく数を捉える新垣。
体力勝負にも見える削り合い、際どいラウンドが重ねられる中、
終盤に手数の落ちた新垣に対して、いきなりの右を何度も突き刺した中里。
最後は寄り切って中里が判定をものにした。
この日一番の接戦だったようにも思えた。
走ってきた距離を比べ合うような体力勝負。
そんな中、中里の右に最後まで対応しきれなかった新垣。
届かなかった距離はほんの僅か…
しかし、再トライするにしてもこのほんの僅かを取り返すのに1年もの歳月を要する。
これだけの消耗戦を戦い切れる姿には、日々の努力が感じ取れた。
それでも、ほんのわずかにたりなかった…残酷にも思えるが、それこそがボクシング。
この戦いを経験値として、より充実したボクサー人生を歩んで欲しいと思えた。
対して、中里のジャブのようにグサグサ刺さる右ストレートはこの日も健在。
センスに溢れたようには見えない…どちらかというとぎこちなくも見える。
そんな中里が持つ、魔法のような右ストレート。
この右がどこまで通用するのかが楽しみで仕方ない。
「マジカルライト」か「魔法の右」か…。
新人王戦を終え、中日本のリングに戻って来た時の呼び名を決めておこうと思う。
中里 雄大 3戦3勝
新垣 基広 2戦1勝(1KO)2敗
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