2020/11/29 -刈谷・あいおいホール[一部]- 第1試合、セミファイナル(中日本ボクシング観戦記)　ボクシング選手名鑑ピックアップ！

2020/11/29 -刈谷・あいおいホール[一部]- 第1試合、セミファイナル(中日本ボクシング観戦記)　ボクシング選手名鑑ピックアップ！




【51.5kg契約４回戦】
赤塚 翔(名古屋大橋)　vs　塩谷 尚也(市野)

赤塚 翔　デビュー戦
塩谷 尚也　1戦1敗

立ち上がり、積極的にジャブを突いていく塩谷。
冷静に迎え撃ち左を返す赤塚、パンチの刺さり方は赤塚の方が深い。
組み付くように密着して、右ボディから左フックを浴びせるシーンを作った塩谷。
しかし、その離れ際に赤塚も右ストレートを返してみせる。

ラウンド中盤には撃ち合いの場面で塩谷の左右フックが連続で赤塚を捉える。

強烈な右の撃ち下ろしをヒットさせる場面もあった赤塚だが、
積極的なジャブから右フックに繋げるシーンを多く作った塩谷がまずは先取か…。

2R、変わらず積極的にジャブを飛ばす塩谷だが、赤塚の固さが取れたか、
塩谷が入って来るところを左右フックで捉えるシーンが目立つ。
撃ち合いになると力強いフックを撃ち込む塩谷だが、回転は赤塚の方が勝る。
赤塚が強烈にワンツーを突き刺し、この試合初めて塩谷が後退。

終盤、ガードを固める塩谷に、赤塚が連打でたたみかけるも、
塩谷は左右のフックを力強く振って押し返す。

3R、開始直後から赤塚が一気にペースを上げて襲い掛かる。
連打を浴びる塩谷だが、下がることなく、貰いながらも左右フックで赤塚を捉える。
試合は一気にボルテージを上げた撃ち合いに。

ガッチリガードを固めながら、赤塚のパンチの合間に強烈にパンチを差し込む塩谷。
ガードの脇から左フックを捻じ込む赤塚。
お互いに引かぬ撃ち合い、手数では赤塚がはっきりと上回るように見えたが…。
塩谷がしっかりとガードした場面も多く見え、ポイントは際どく思える。

4R、お互いがお互いの拳に耐え合う3分間。
激しく下がらず、撃ち合いながらも回転で赤塚が上回ったか。
採点がどうでもよくなってしまいそうな熱量で殴り合う二人。
最後まで撃ち合いながら試合終了のゴング。

マイジャッジ　38-38　ドロー。

39-37×3
3-0
勝者　赤塚

デビュー戦から火の出るような撃ち合いをやってみせた赤塚。
拮抗した試合展開、接戦をものにした経験。
どれをとっても、今後の成長に期待できる要素ばかり。
これからの戦いをしっかりと見ていきたいと感じた。

塩谷はデビュー戦では、1分持たずのKO負け。
客席からは「弱い」の声と嘲笑するような笑い声があがった。
今日、このリングに上がった男が、その男と同一人物と思えるだろうか。
強烈に貰いながら、下がらずに撃ち返し、12分間に渡って攻めて行った。
あの日から1年半…見返したと思う、目頭が熱くなった。

試合映像はこちら



【バンタム級4回戦】
菅原 健太(名古屋大橋)　vs　百田 康平(唯心)

菅原 健太　2戦1勝1敗
百田 康平　3戦2勝1分

まずはしっかりと距離を取り、相手の撃ち終わりにスッと詰めてボディを撃ち込んだ菅原。
リングを大きく使って、詰めようとする百田を下から上へと捉えて行く。

詰まったところで、ボディを強烈にえぐる百田だが、
上はへの攻撃は菅原がしっかり反応し、なかなか遠い。
逆に撃ち終わりを菅原がコンビネーションで強烈に捉える場面が目立つ。

それでも前に前に足を進める百田…ラウンド終盤には強烈なフックが当たり始める。
ヒットは少ないものの、その一発一発には重たさを感じる代物。
カウンターで刺さった場面では、菅原が腰を落とすようにバランスを崩しかける。


2R、足を止めてファイトし始めた菅原。
スピードと回転で勝り、次々に百田を捉えて行く。
しかし、体の強さでは百田が上回るか…押し合いで下がるのは菅原の方。
百田は貰いながらも一切下がらず、押し込みながら、
綺麗ではないモノの拳をヒットさせる場面を作る。


3R、このラウンドも頭を着けてのファイト。
ポジションを細かく変えながら撃ち合う菅原が、
強烈なボディを交えたコンビネーションで百田を捉える。

しかし、やはり下がらぬ百田はボディを攻めながら、
時折ヒヤリとする左フックを顔面にねじ込む。

ラウンド終盤、強烈に撃ち込み続けていた菅原のボディが効いて来たか。
菅原が、押し勝つ形で百田を下がらせ、右ストレートを強烈に叩き込む。


4R、変わらず回転で勝る菅原。強烈に百田の顔面を跳ね上げ、ボディを突き刺す。

ポイントでは百田に勝ち目はないか…。
顔面への一発を狙いたくなるこの局面…百田は貰いながらもしつこくボディを叩く。
そして終盤…強烈な左フックで菅原を捉え、一瞬菅原がフリーズ。
最後の最後まで、その拳に大逆転の可能性を秘めて撃ち合った百田。
熱い撃ち合いは試合終了のゴングまで続いた。

マイジャッジ　40-36　菅原

公式ジャッジ
40-36×3

3-0　菅原


各選手が大変身しているように思えるのは、
その選手が力を付けるのに充分すぎるくらいの試合間隔が空いているからだろうか。
スピードもテクニックもある選手だと思っていた菅原だったが…
一発一発の力強さは、これまでと比較して段違いだったように感じる。
来年、新人王トーナメントにエントリーするなら…要注目となるように感じた。

フルマークでの負けを喫した百田だったが、最後まで逆転の可能性を孕んでいたように思う。
焦りたくなる場面で、しっかりボディを叩いていた場面然り…。
どんな展開でも最後まで目を離せないタイプの選手。
これから、観客席がぶったまげるような試合を何試合か残してくれるのではないか。
そんなニオイがプンプン香る選手…この選手を存分に楽しみたいと感じた。

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