2023/09/02 -東京・後楽園ホール- (中日本ボクシング観戦記番外編) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2023/09/02 -東京・後楽園ホール- (中日本ボクシング観戦記番外編) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

 

4年半ぶりの後楽園ホール。

今回は日帰りでメインまで…。
新幹線で行けば、終電の時間を気にして…になる。
最悪、途中で退散しなければならなくなる。

というわけで車で向かった…が、後楽園ホール付近の駐車場料金は上限なし。
駐車場代2万円程度は織り込んでの遠征となった。


会場に入ればよく目にするホールの住人たちがたくさん。
入り口ではサーバルさんにもご挨拶できた。
ついつい嬉しくなり軽口も弾む。

バルコニーに入れない以外は、コロナ前とほとんど同じ。
この日は翌日にU-15の全国大会があることもあり、前ノリしているボクシング親子が多数。
全国から集まったボクシング狂たちが、前夜祭とも言うべきか、後楽園ホールを超満員としていた。

 

【ミニマム級6回戦】
松本 流星(帝拳) ○ vs ダーウィン・ボヨネス(比)

3-0(58-56、58-56、59-55)

試合開始から強烈なパワーパンチを叩きつけていく松本。
しかし、タフネスに秀でたボヨネスは貰いながら拳を叩き込み返していく。
危ないタイミングの反撃を貰いながらも、松本は積極的に攻めていくが、
3R、強烈なカウンターを浴びて腰を落とす場面を見せる。
ここはなんとかクリンチに逃れてサバイブ。

5Rにボディを効かせた松本。
一気に責め立てるが、ボヨネスはウィービングで
柔らかくパンチを外してこのラウンドをタイムアウト。

最終ラウンド、ボディを効かされ苦悶の表情を浮かべるボヨネスだったが
最後まで威力のあるパンチを返して、食い下がりながら試合終了のゴング。

 

引き上げるボヨネス陣営の誇らしげな顔。
贈られる拍手からも、「いい試合を戦った」ことが証明されているように思えた。

難敵に対してピンチはありながらもはっきりと勝利した松本。
しっかりと強さを誇示した。

宮澤 蓮斗(松田)がいつか頂点に挑んで行くなら…。
いずれこの相手を打ち破って行かないといけない。
引き上げる松本を見ながら、いつかのその試合を空想した。


松本 流星 2戦2勝(1KO)
ダーウィン・ボヨネス 10戦6勝(3KO)4敗

 

【フェザー級8回戦】
嶋田 淳也(帝拳) ○ vs マイケル・カサマ(比)

5RTKO

伸びて来るパンチに安全圏からしっかりと踏み込んで拳を撃ち込んで行く嶋田。
強烈に撃ち込んで来るカサマのパンチを読み切ると、
ディフェンスを距離からガード主体へ切り替えて近距離でコンビネーションを浴びせる。
4Rには上下に効かせて、滅多打ち状態。

耐えに耐え、時折鋭利に拳をぶつけるカサマだったが、
5R、パンチを纏められ、右ストレートところでレフリーが救出。


耐えながら、逆転のカウンターを狙い続けたカサマ。
その実力は嶋田の前に封じられたが、KO負け寸前の場面でも強烈なアッパーを入れていた。
全く主導権を渡さず、ほぼ何もさせないままのTKO劇を演じた嶋田が強かった試合。

ランキング戦線へと挑んで行くこれからが楽しみに思えた。


嶋田 淳也 5戦5勝(1KO)
マイケル・カサマ 12戦9勝(9KO)2敗1分

 

【バンタム級8回戦】
矢代 博斗(帝拳) ○ vs プリンス・アンドリュー・ラウリオ(比)

2RTKO

序盤から左ストレートを何度も炸裂させていた八代。
2Rに攻めの比重が増えたところでラウリオの左フックから右ストレートが炸裂。
手ごたえがあったか、チャンスと見て攻めて出たラウリオに、
八代は足を使いながら、引っ掛けるような右フック一閃。

ノーカウントで試合がストップする強烈な一撃だった。


技術や能力が高く、しかしながら危なっかしさもある。
人気の出る選手だと感じた。
今見てるファンが10年15年先、飲みながら語る選手になる予感さえある。


矢代 博斗 5戦5勝(5KO)
プリンス・アンドリュー・ラウリオ 18戦12勝(9KO)5敗1分

 

【スーパーフェザー級8回戦】
齋藤 麗王(帝拳) ○ vs 李 鎮宇(角海老宝石)

8RTKO

0距離を安全圏にしたファイトが展開される。
僅かに空いた隙間に、角度をつけて強打を浴びせ合う。
李の右が豊富な種類とタイミングで痛烈に襲う中、齋藤の左フックも強烈。

激しい撃ち合いの中、3Rに右を効かせて李がダウンを奪う。
ポイント計算をするなら、ここは休んでもいいところだが、
再開後、齋藤は自ら前に出て行く。

二人の撃ち合いはさらに激しさを増す中、
後半に向かって齋藤の手数がグングンと増していく。
強烈な被弾を受けながらも、小さく細かく回転させ、撃ち合いを上回っていく。

数多くの被弾を浴びながらも、一発で展開を変えられる強打で応戦する李。
どちらが倒れてもおかしくない激戦、ポイントはダウンポイント分、李が有利か…。
しかし、最終ラウンド、何度もグラつく李にレフリーは試合をストップ。

口元が「なんで…」と動くのを間近に見て、胸が苦しくなる。

あと残りわずかでの大逆転ストップ劇。
異を唱える人はおらず。
それほどまでに李は耐えていたように見えた…血にまみれ壮絶に。

試合中盤、思わず「ここから齋藤はどうすればいいんだろう?」とつぶやいた。
自分には打開策がどこにあるか見えなかった…。

そこから、小さく小さく撃ち込み、形勢を逆転した。
撃ち合いの基本とも言えるショートで試合を変えた。

この試合がタイトルマッチでもおかしくない…そんなクオリティの試合だったように感じる。
勝者、敗者とも観客を魅了した。

この選手の試合を見たいと思わせる試合は、その後のチャンスを産む。
大激闘を演じた二人にいい試合が恵まれて行ってくれることを願う。


齋藤 麗王 4戦4勝(4KO)
李 鎮宇 11戦9勝(4KO)1敗1分

 

■日本ウェルター級タイトルマッチ
【ウェルター級10回戦】
坂井 祥紀(横浜光) ○ vs 能嶋 宏弥(薬師寺)
3-0 (98-92、98-92、98-92)

高いガードでプレスをかける坂井を捌ききれない展開が続く。
出ているように見えて出すぎず、タイミングよく撃ち込むパンチで主導権を握っていく坂井。
もっと出てくれれば、もっと手数が出ない位置にいてくれれば…
微妙な距離感の中で、坂井がポイントを奪っていく。
5Rの公開採点では49-46×2、48-47。


後半に入るとさらにプレスを強める坂井だが、
やたらめったらに攻め込むわけでなく、ガード越しにジッとにらみながら撃ち込んで行く。
手数では能嶋が上回るが、そのパンチの多くはガードで吸収されてしまう。

8Rからはアウトボクサーの能嶋が前に出て勝負をかける。
相手の土俵であることは百も承知の戦い、
強烈なボディをしつこくしつこく叩き、状況の打開を試みる。
最後の可能性に賭けるも、相手を沈めるには至らず。

 

ファイター坂井とも撃ち合える選手であること。
世界最高のアクティベイトを誇る日本王座の舞台でも堂々戦える選手であること。
A級となって初の後楽園ホールで東京のファンに証明したものは多々あると感じる。

強いからこそのチャンピオン。
日本王者が強かった。
この試合で出た結論だったように感じる。

ただ、坂井が踏んだのは44戦。
WBO-APの王座を獲った能嶋だが、その実まだ14戦の選手でもある。
キャリアの節目とされるタイトル戦だが、これからまだ積み重ねられるものもあるはず。
ひとまずはゆっくり休んで、この先を決めて欲しい。
期待値は決して下がっていない。


坂井 祥紀 44戦28勝(15KO)13敗3分
能嶋 宏弥 14戦11勝(5KO)2敗1分

 

【スーパーフェザー級10回戦】
尾川 堅一(帝拳) ○ vs マービン・エスクエルド(比)

3-0 (98-92、99-91、99-91)


ポイントは尾川…しかし。
尾川の攻撃をひょいひょいとかわし、ボディを叩き込んでも動じず。
深追いしたところに強烈な反撃を返す。
尾川の強打が時折刺さってもダメージは出さず。

ラウンドが進むごとに倒されなければOKの空気を漂わせるエスクエルド。
かといって、強引に攻めれば、危険なパンチで迎え撃つ。
多くの時間で背中にロープとの距離を保っている…縦の攻撃への備えは万全。

判定まで行けばOK、あわよくばカウンターでKO…そんな意志が垣間見える。
勝負の条件が違う二人の戦い、試合はそのまま10Rを終えた。

倒されなかったことに飛び上がって喜ぶエスクエルド。
当然のようにホームアウェイが存在するボクシングのリング。
何かそこに対するアンチテーゼのようにも感じた。

勝者は尾川…ただ、エスクエルドにおちょくられてしまった試合。


エスクエルドに目的を達成させてしまった試合ではあるが
ボクシングとしての勝負はそこではなく、結果は尾川の明確な判定勝利。
焦れて雑にいけばエスクエルドの術中にハマった可能性もある。

尾川サイドから見えれば消化不良とも見えたが、
この相手に高ぶることなく、大差判定で勝ち切ったことは、
倒しに行きながらも冷静さがあったように感じる。

上に行けば行くほど、一瞬が命取りになる。
積み上げ直しは大きな遠回りになる。
上で戦う選手の戦いとして、この結果も強さの表れのように思えた。


尾川 堅一 32戦28勝(19KO)2敗1分1無効試合
マービン・エスクエルド 21戦17勝(11KO)3敗1分

 

試合が終わり、駐車料金…15000円を支払う。
メインまで見たくてこの金額を払うのに、あの試合じゃ文句言いたくなるよね。
…なんてボヤいてはみたものの、帰りの車で試合を思い起こすと。
そうでもないな、リング上で争うものは勝敗だけではないな…なんて思い返す。

海外リングで強打の元世界王者のBサイドに据えられた選手がKOを逃れて次のチャンスを待つ。
「尾川が倒せなかった選手」として。

「激闘をする選手」が評価されるのと同じく、敗者も何らかしらの肩書や評価を得ることがある。
複雑で混沌とした世界‥また、どっぷりとその魅力に漬かっていくような感覚に陥った。

 

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