2023/3/19 -石川・内灘町総合体育館- 見どころ(中日本ボクシング観戦記)　ボクシング選手名鑑ピックアップ！

さぁ、いよいよ今年の中日本新人王が開幕するこの日。
メインイベントにはいよいよ日本ランキング上位も狙える力を付けて来た北陸の原石
英洸貴(カシミ)が登場…日本ユース王座の防衛戦で日本ランカー対決。

さらに盛り上がってきている中日本女子4回戦シーン。
この日も2試合がセットされております。

石黒紗良　1戦1勝

富山初の女子ボクサー、石黒がデビュー2戦目。
前戦では未勝利ながら力を伸ばして来た安久夏実(唯心)に判定勝利。
空手では日本選手権準優勝の実績あり。
ボクシングを始めてまだ1年未満ながら、空手ベースのポテンシャルは高い。

田戸心乃　デビュー戦

デビュー戦の為に初見。
石黒と対戦した、安久とのスパーリングも行い準備は万端。
続々と登場する中日本女子のニューフェイス、今年のヒロインとなれるか。

ボクシングの経験値が浅い分、吸収量も多くなると思われる石黒。
前戦から4ヶ月、伸び幅に注目したい所。
対する田戸については初見の為、ファイトスタイル等、しっかり確認したい。
いい試合をすれば、4回戦でも脚光を浴びる中日本女子。
新たなヒロイン登場にも期待したい。

【女子フライ級4回戦】
福岡恋緒那(カシミ)　vs　福家由布季(三迫)

福岡恋緒那　1戦1分

デビュー戦は昨年、中日本で大激闘を繰り広げたメガトンまりな(アキバ)とドロー。
高圧力のメガトンに対し、至近距離でも巧さを発揮し、
デビュー戦の舞台から近距離の攻防に見応えをもたらした。
アマチュア女子の国内最高峰の大会と言える、
全日本女子ボクシング選手権大会で女子ジュニアベスト8の実績あり。

福家由布季　1戦1勝

日本女子フライ級13位。
左右フックを振りながら前進するインファイトで完勝したデビュー戦。
東の名門、三迫からやってくるファイター、敵地北陸のリングに来襲する。

アマチュア実績豊かな福岡だが、前戦はドファイターのメガトン相手にドロー。
思い切りのいいメガトンのスイングに対し、巧みなファイトを見せたが…。
結果は惜しくもデビュー戦勝利ならず。
技術戦になれば圧倒する力はあると思える選手だが、2戦目の相手も好戦的な選手。
先を見据える強気なマッチメイクは、ゾクゾクもの。
同時に福岡に対する期待値の高さを示しているように思える。

【49.5㎏契約4回戦】
茶木努(カシミ)　vs　渡邉銀海(トヤマ)

茶木努　1戦1敗

デビュー戦では熾烈なファイトの末2RTKOに散った茶木がプロ2戦目。
8/20には中日本新人王決勝としてアドレナリン全開ボクシング、滝川裕大(中日)との戦いが控える。
激しい戦いが予想される8月を見据え、茶木がどんなファイトを見せてくれるか。

渡邉銀海　1戦1敗

長い腕で弧を描くアッパーが魅力的。
フレームが大きく、長い射程距離をどう生かすかに注目したい。
大器晩成型とも思える17歳、結果以上に前戦との差分が気になるところ。
伸び盛りの時期にどれだけ伸ばしてくるか…。

スタイル的には対照的にも思える二人。
茶木が潜るか、渡邉が突き放すか…
渡邉のアッパーが潜り込んだ茶木を刈り取る姿も想像に浮かぶ試合。
未完の二人でありながら、戦って行ける武器はしっかりとある二人。
4回戦の魅力ぎっしりな北陸対決！

■2023年度中日本スーパーフェザー級新人王準決勝
【スーパーフェザー級4回戦】
新田晃生(カシミ)　vs　中尾公信(鈴鹿ニイミ)

新田晃生　デビュー戦

デビュー戦の為、初見。
アマチュアで15戦の土台あり。
昨今レベルアップ著しい高校ボクシングの舞台で全国大会への出場も複数回。

中尾公信　4戦1勝(1KO)3敗

昨年の中日本ライト級新人王。
不器用ながら淡々と自分のボクシングを貫く強さアリ。
ペースに巻き込まれれば、かなりやっかいな選手となる。

アマチュア実績のある選手のデビュー戦に、泥臭さ満点の中尾が立ちはだかる。
飛び切り面白い構図が成り立っている。
リカバリ含めた調整はプロとアマでは差分もあり、中尾が踏んだ4戦の経験値は大きなアドバンテージ。
勝てば勝つほどタイトなスケジュールが待ち受ける新人王トーナメント。
新田がどれほどのコンディションを作って来るかも目を向けたい所。

対抗ブロックの準決勝では6月に古川修誠(杉田)と秋山星也(名古屋大橋)が激突。
粗削りながら伸び幅の大きい優勝候補、古川を止める選手がいるかどうか、
この階級のトーナメントの大きな注目ポイントになっています。

■2023年度中日本スーパーフライ級新人王準々決勝
【スーパーフライ級4回戦】
藤野零大(カシミ)　vs　岩永翔太(タキザワ)

藤野零大　デビュー戦

アマチュア戦績は13戦9勝4敗、名前の読みはレオン。
モハメド・アリ(米)を破った男、レオン・スピンクス(米)が浮かびますね。
デビュー戦の為、初見とはなりますが、高校では全国大会への出場もあり。
土台はある選手と思っています。

岩永翔太　4戦1勝3敗

1戦1戦伸びを見せ、負け越しながらも
昨年の全日本新人王、佐野遥渉(平石)に食い下がり、
ハイポテンシャルの森川祐輝(緑)を相手にマジョリティに持ち込むなど
強い相手に挑んで行く姿を、強烈にリングに刻んでいる。
コーナーとの結束力の高さを感じる姿もまた魅力。

最多8名がエントリーしたスーパーフライ級。
このブロックにはアマ実績のある二人と、今年の目玉選手犬塚音也(松田)が組み込まれる。
ここに負け越しながら、アップセットの匂い香る岩永がいることが強烈なアクセントとなっている。
「犬塚包囲網ブロック」とも言いたくなる組み合わせ。
犬塚が初戦で転ばなければ、この試合の勝者が対戦することとなる。

■2023年度中日本フェザー級新人王準決勝
【フェザー級4回戦】
高田力弥(カシミ)　vs　石崎大二朗(平石)

高田力弥　3戦1勝2敗

前戦、驚異的な右フックを振るう丸田涼介(宮田)にダウンを奪われ絶体絶命。
しかし、追い込まれた最終ラウンドでは、これまでとは別人のようなアウトボクシング。
高田が覚醒した…そんな印象を与えてくれた。
結果判定で敗れはしたが、今年の新人王戦に大きな期待を抱かせてくれている。

石崎大二朗　デビュー戦

アマチュア17勝の実績を持ってプロデビュー。
デビュー戦の為に初見。

カードとしての魅力も満点ながら、この試合の勝者を待ち受ける太田彩千耶(中日)の存在。
輝ける左ストレートを持ちながら、右手の巧みさグングン増している太田。
ニューフェイスが、プロのリングで成長している高田、太田を打ち破っていく物語も、
アマ実績豊かな石崎を、成長著しい彼らが凌駕する物語も…
どう転んでも面白いのがこの階級のトーナメント。

「THE・ビッグドラマブロック」
いよいよ開幕いたします。

■日本フェザー級ユースタイトルマッチ
英洸貴(カシミ)　vs　渡邊海(ライオンズ)

英洸貴　16戦10勝(3KO)2敗4分

WBOアジア太平洋フェザー級15位、日本フェザー級15位。
日本王座挑戦圏外とはなっているが、上位に食い込める実力は見せていると思える。
ディフェンス面が一気に向上し、崩すことの難しい選手へと成長。
前戦では日本6位の相手にドローを演じている。

渡邊海　10戦9勝(5KO)1分

日本フェザー級10位。
2021年東日本新人王MVP。唯一引分けた全日本新人王決定戦でも優勢点で新人王を獲得。
東の強豪としてその名の響く石田凌太(角海老宝石)をも1RTKOで破っている。

ランキングが実力に見合わない二人の戦い。
15位vs10位を数字通りに受け取れる試合ではない。
上位ランカー対決級の内容になること請け合い。
どちらも日本タイトルをやっておかしくない実力を持っていると感じている。

錚々たる顔ぶれ並ぶ、日本フェザー級戦線。
実力的にはタイトル戦ができておかしくない選手が、下位や挑戦圏外にはじき出されている。
そこに挑んで行くためのサバイバル…両者ともに大きな大きな意味を持つカードとなっている。

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