中日本所属選手 1月の試合結果(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2023/1/25
2023年1月6日
大阪:エディオンアリーナ大阪
【スーパーライト級5回戦】
大沢 宏晋(オール) ○5R判定 vs 樋口 和輝(ARITOMI)
3-0(49-43、49-43、49-43)
ゴングと共に挑んで行く樋口。
コーナーに追いつめ、嵐のように連打を叩きつける中、
カウンター一閃でのダウンを奪われる。
その後も何度もダウンを奪われながら、引くことなく
ボクサー樋口をぶつけて行った。
世界1位にまで上り詰めた大沢のラストマッチ。
樋口が大きなものを受け取ったと感じるのは、
真っ向から挑んで行った樋口の姿があってこそ。
負けていいはずなんかない、だけど、強くならなきゃ意味がない。
強くなるために必要な負けもある。
そして、圧倒する試合展開の中で、様々な形を示して見せた大沢。
優しさという強さをしっかりとそのリングに残していったように感じた。
■WBOアジア太平洋スーパーフェザー級タイトルマッチ
【スーパーフェザー級12回戦】
木村 吉光(志成) vs ○5RKO 力石 政法(緑)
力石がアジア頂上決戦を制した。
序盤にヒヤリとするシーンはあったものの、3度倒す圧倒ぶり。
ランキングを見渡して、対戦を見たい日本人選手がいないとは言わないが、
迎える相手はいても、挑む相手はいないようにも思える。
ただ、階級を上げる話も出ているようで、そうなると少し話は変わってくる。
ライト級でアジア最強を証明した吉野 修一郎(三迫)を筆頭に、
アジアの片隅から世界を睨む選手が複数いる状況だ。
スーパーフェザーで一直線に世界へと走るか…
スーパーフェザー最強の旗を持って、ライト級国内トップ戦線に殴り込むか…
いずれにせよ、これまで以上にシビアな戦いへ…勝てば勝つほどにそうなっていく。
見る側としては、ここから2年ほどの時間が、最も面白い時期になる気もしている。
いわゆる…「駆け上がる」時期。
世界中のボクシングマニアの間で力石の名前が飛び交う…
そんな時期はもうすぐそこまで来ているようにも思える。
2023年1月10日
東京:後楽園ホール
【フェザー級6回戦】
岩下 千紘(駿河男児) ○1RKO vs アピチャート・クリンチャイ(タイ)
左ストレートで2度のダウンを奪ってのTKO勝利。
相手に何もさせないままだった。
前戦大苦戦した岩下、このタイミングで本来の形を示せた部分は大きいように思う。
これでA級昇格の権利を手にするB級2連勝。
一気にB級を越えたが…経験値としてはまだ足元が固まっていないようにも感じる。
しかしながら、強豪ひしめくA級戦線、試合の組みづらさは解消されるだろうと考えられる。
ある意味、ここがスタートラインとも言える選手。
「いつかベルトを巻く選手」
より高みの戦いを楽しみにしている。
【54Kg契約6回戦】
冨田 風弥(TRIBE SHIZUOKA) vs ○6RTKO 池上 渉(DANGAN郡山)
誰もが嫌がるハズの長身サウスポー。
ミスターダークホース、冨田を身長で21cm下回る池上が完全攻略。
深い懐に潜り込んでボディから崩すのは定石ではあるが、
「言うは易し行うは難し」の典型でもある。
負けが続いている冨田だが、ここまでしっかりとした完敗は記憶にない。
ただ、完敗だからこそ、次への期待が高まるようにも思う。
4回戦時代、木村 天汰郎(駿河男児)にぼぼ触らせてもらえず敗れた冨田。
そこからの快進撃で全日本新人王を獲得し、日本ランカーにまでなった。
冨田だからこそ…特にこの試合のタラレバは冨田を飛躍させるように感じる。
負けても負けてもで強くなってきた選手。
ここがチャンスだと感じている。
【フライ級8回戦】
亀山 大輝(ワタナベ) ○8R判定 vs 東 健史(ARITOMI)
0-3(72-80、72-80、72-80)
戦前の予想通り、亀山がスピードで圧倒し、東がしつこく粘った。
想像以上に亀山は好戦的だったが、二人のかみ合わせからして
この展開以外になかったのかもしれない。
力の差はあった。
しかし、そんな中でも東は東の魅力をリングで表現する。
試合を重ねれば、きっとホールのファンも一人、また一人と気付いていく。
毎試合、毎試合、粘り強く戦う東に魅力されていく。
そして、勝利を飾ったとき、「見て来た」ファンの感情は爆発する。
この試合は、きっとその伏線。
東は東のままでいい。
【フェザー級8回戦】
松本 圭佑(大橋) ○2RTKO vs 濱口 人夢(市野)
三重の大馬鹿、濱口が将来の世界王者候補に挑んで見事に散った。
「この程度の相手では…」なんて声も聞こえた。
濱口がナメられているわけではなく、
早く次のステージに進んで欲しい松本への期待の言葉だと思っている。
ただ、ナメられていたとしても別にいいと思う。
相手はただ世界を期待される選手とは違い、輝けるスター候補。
結果かなわなかったものの、そんな相手に何かを起こすとしたら…
ナメられているくらいがいい。
これまでスター候補として注目を集めた選手でも、
その中で実際に世界を獲ったのは一握り。
大半の選手は、どこかで噛まれて頓挫する。
濱口は何をしでかすかわからない…なぜならば大馬鹿者だから。
そんな嫌な相手を、松本がしっかりクリアした試合と見えた。
濱口は堂々、噛ませ犬と呼ばれれていればいい。
濱口に投げられる、「噛ませ」の言葉は誉め言葉にさえ感じる。
中部地区最高の噛ませ犬。
「馬鹿だから 口で語らず 拳で見せます」
似合いすぎる。
—
(所感)
自分の為に好き勝手に戦え濱口、それでいいんだから。
中日本選手1月の敵地戦績合計 6戦2勝(2KO)4敗
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