二人のムハマド決着戦 ドワイト・ムハマド・カウイ(米)⑥ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/07/27

二人のムハマド決着戦 ドワイト・ムハマド・カウイ(米)⑥ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/07/27
 
 
 

ドワイト・ムハマド・カウイ(米)、6日目。
 
 
 

前回はカウイが、WBC世界ライトヘビー級王座の初防衛戦で
リーチ差19cmのジェリー・マーティン(アンティグア・バーブーダ)を6Rに沈めたところまで。
 

大きく期待される、WBA世界ライトヘビー級王者マイケル・スピンクス(米)との対戦の前に…
確認しておくべきこと…

それはカウイが歴史に残るハードパンチャー…マシュー・サアド・ムハマド(米)を倒した試合は
カウイのフロックではなかったか?
…もしかしたらマシューのコンディションが悪かったのかもしれない…
王座を8度も防衛していた選手、スピンクスとの統一戦間近でカウイに敗れ去った形。
 

スピンクスと戦う前に…二人が再戦するのは必然の流れでした。
 
 

 

この試合、前回とは打って変わって距離を取るマシュー。
カウイは飛び込んでオーバーハンドをヒットさせると、コンビネーションをまとめる。
その後も距離を取ろうとするマシューに、一気に距離を詰めてはカウイが襲いかかる展開。

2Rにはスマッシュ気味のカウイのアッパーにマシューがたたらを踏む。
一気に攻めて出るカウイをなんとかクリンチで抑え込み、その場を逃れたマシュー。
とんでもない強打を振るうマシューも、カウイには全くヒットしない。

「当ててみろよ」とでも言いたげにニヤつきながらパンチを躱すカウイ。
2R終盤にはコーナーに追いつめて前王者を滅多撃ちに…。
 

3Rも前のラウンドが繰り返して再生される。
少し距離が出来てマシューが一息つけそうなタイミングが出来ると、
突然飛び込むカウイ…全てはカウイの手のひらの上。

次々と襲うビッグパンチの中、カウイの右フックでマシューはダウン。
再開後、驚異的な強打をふるって応戦しても…
カウイ独特のボディワークで当たらない、当たらない、当たらない…
カウイのパンチだけが痛烈にヒットしていく。

マシューのパンチは決して力だけの大振りな遅いパンチではなく、スピードと鋭さを持ったもの。
カウイはそれを至近距離でかわして行く…そして体ごと突き上げるように飛び込んで撃つアッパー。
マシューがクリンチで抱え込むまでその後のラッシュは止まらない。
 

5R、わずかにマシューが盛り返す。
逆にカウイをロープに追い詰め、鋭い強打を振るう。
しかし、ダメージが蓄積されたその体にカウイにダメージを与える力は残っておらず。
ひとたびカウイが攻勢に出ると、カウイのパンチでマシューの顔面が何度もゴム毬のようにはじけ飛ぶ。
 

6R、左右フックを幾度ももらったマシューがロープまでたたらを踏んで後退する。
そこへカウイが襲いかかり、強烈なラッシュを浴びせたてる。
撃ち返しながらも、たまらずロープへ寄りかかったところでレフリーがストップ。
止められて眼前からカウイが去った後も、撃ち返そうとするマシュー。
意識は完全になくなっていたように見えます。
 
 

前回10Rで葬った相手を今度は6Rで粉砕。
しかもスター選手だったマシューにまたもや圧倒的な内容で…。
 
 

ちなみに、マシューは元々孤児からの成り上がり選手。

この試合を最後に世界戦の舞台から姿を消したあとも、
日本で異種格闘技戦のリングに立って田村潔司を秒殺するなどしていました。

しかし、最後はホームレス同然の生活を送りながら死去。

なんとも言えない思いを抱いてしまいますが…
リングのみが彼の輝ける場所だったのでは…なんて思えてしまう彼のヒストリー。
ある意味、「名王者にふさわしい」なんて残酷なことを思ってしまいます。
 

さて…次はちょいと色濃過ぎるので、今日は短いですがここまで。
 
  
 

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