世界のベルトの価値(コラム) 選手名鑑ピックアップ! 2015/10/16

世界のベルトの価値(コラム) 選手名鑑ピックアップ! 2015/10/16
 
 

さてさて、前回は4団体統一がいかに難しいか…を説明しました。

なかなか団体統一なんて難しいし、そんな記録より選手はビッグマッチをやりたがりますよ
…って趣旨でした。
今日はちょっとそのあたりを、僕の主観を交えて掘り下げます。

ボクシングは階級が17階級と多数あるので、最近○階級制覇…っていうのが増えてますけど、
実はこれって、お金になる選手とのビッグマッチをこなしていった結果っていうパターンが多いです。

ベルトの本数や防衛回数はその選手の実力を図る物差しになっていて、
タイトルマッチで多く勝って名声を高めた後はビッグマッチに挑む。
要は世界チャンピオンになることが目的ではなく、ビッグマッチを行えるだけの名声を得るために
チャンピオンベルトが必要…って感じになってきてるんです。

例えば、マニー・パッキアオ(比)VSフロイド・メイウェザー・ジュニア(米)が再戦するってなったら
ベルトがかかってようが、かかってなかろうが見る人は多い。

よくわかんない選手が出る、ミニマム級の世界タイトルマッチがあっても、
そっちよりパッキアオ…ってなっちゃいます。

日本の世界王者達が、ラスベガスって口を揃えて言うのは、
ラスベガスで得た名声が米国本土での名声になるからなんですね。
世界のベルト1本獲ったところで、米国から見たら「その辺の世界王者」…でしかなかったりするんです。

米国だけ見て世界と呼ぶことに僕は違和感があるのですが、
ボクシングが最も儲かるところが米国…そういった価値観が植え付けられていくのも仕方ないでしょう。
とくに海外ボクシングの礎的なWOWOW自体がそういう発想で語っていますから。

昔は日本国内の価値観では、世界のベルトがすべてみたいなところがあったんですけど、
この価値観の変化っていうのはJBC(日本ボクシング協会)がIBFとWBOの王者を
世界王者と認めたことから加速しました。

元々は世界中で4団体の王者が世界王者と認められてたんですが、
日本だけが、WBCとWBAしか王者と認めていなかったんですね。
過去にIBFとJBCがモメたことが原因らしいんですが、詳細はWiki見ればあると思います。

つまり日本だけ鎖国状態だったのが、ようやく他国の価値観が入って来たと。
いざ開国してみたら、世界のベルトって世界の頂点ではなかったんだ!!…となってるわけです。
まぁ、ボクシング大好きでボクマガ毎月買って…なんてファンは皆知ってたんですけどね。
ボクシングを見る人たち全体が「あ!そういうことなのね!」ってなって来たんです。
 

ちなみにこの鎖国状態はまだ解消されていなくって、
IBOは既に世界で5つ目のベルトと認知されつつあり、
アフリカ大陸ではWBC以上にIBOに重きがおかれていますが…。

これをちゃんと説明するボクシングメディアは皆無で、
日本のボクシングの価値観はガラパゴス化しつつあります。
 

さて…それはさておき…
 

【宣言】ここからは僕の主観です!
 
 

世界のベルトの価値が下がった…なんて元々世界のベルトは4本だったんです。
JBCがIBFやWBOを認めたからって、世界チャンピオンの価値は急には下がっていないです。

そもそもWBA/WBCしか認めていなかった時代はIBFやWBOに強い王者が生まれたら
日本人はそんな王者に挑戦できるチャンスが無かった。
世界的には4団体、日本だけ2団体…。
世界の半分だけで誰が強い弱いってやってたんですよね。

もちろんIBFやWBOができたてほやほやの新興団体だったときがあって、そんな頃は別に問題なかった。
それが、IBFやWBOが力を持ってきても、JBCの鎖国が続いてしまったことで、そんな状況になってしまった。

IBF、WBOが力を持って以来、ベルトの価値は元々1/4だったんですよ。
でも、日本で声高に王座の価値がうんぬんと言われ始めたのが、JBCが王座を認可した時点。
言うなら時期が違うと思う。

日本国内からの目線だけで、世界の王座を語るのは少し歪かなと感じます。
世界王座は日本のものではないですから。
 

あと、パッキアオだ!メイウェザーだ!ってなってきて、要はビッグマッチができる立場が確立できれば
ベルトの価値なんて関係なくなりますが、そんな選手世界に数人。
その他の選手にとってベルトっていうものの価値っていうのは今も昔もとっても重い。
 
 

世界のベルトはやっぱり頂点。
だけど、その時代にあらわれた、たった数人において、世界のベルトのその先があるというだけ。
それは昔からそうで、レノックス・ルイス(英)マイク・タイソン(米)がノンタイトル戦だったとして
やっぱりボクシング好きは皆見てたと思うんです。
 

ボクマガ買って目を凝らして読み込んで…なんてしなくても、
今はネットで情報が拾えるし、WOWOWもある。
学校で「デラホーヤがさぁ…」とか言えなかったもん。
今はパッキアオが…って言ったらそれなりに皆名前は知ってるもんね。

それだけ時代が変わって、ボクシングの見方も変わって、
パッキアオだ!メイウェザーだ!って言える人たちが増えたのは嬉しいことですが、
これだけ言わせてほしいんです。
ボクシングを見てるうちにどうしても陥りやすい部分でもあるので…。
 
 
 

ラスベガスのトップスターを中心に考えて、そこから見下ろす形でボクシングを語ると、
亀田弱い、内山まだまだ、リナレス脆い…なんて言い方になっちゃう。

もしそうなっちゃったらね、あなた1年のうちに楽しめる試合、何試合ですか?ってことになっちゃう。
すなわち、もったいない!!
 
 
 

下から見上げれば、国内タイトル獲るのがどれだけ大変か…
世界のベルトに届かずに消えていった人間が何人いるか…
そこには数限りないドラマがたくさんあります。

これを楽しまない手はないですよね。
 

あと、ベルトの価値の話で忘れちゃいけないのがWBAのベルト乱立問題。
一つの階級にスーパー王者だ!正規王者だ!暫定王者だ!…って3種類の世界王者を作っちゃった。

これも、違和感たっぷりなのは理解できるんだけど、個人的にはまぁいっかと思ってしまう。

その昔、ジュニア階級論争と言うのがありまして…。
元々いにしえのボクシングはヘビー級しかなかった。
それが階級分けされていくたびにベルトの本数が増え、世界王者の価値が下がったと嘆かれる。
新しくできた階級(主にスーパーなんちゃら級)には歴史も無ければ価値も低い!なんて言われた。

これね、今になってみると、凄く強引でもったいない話ですよね。
結局、ジュニア階級であれ、そのベルトを巡る争いにファンは熱狂して、
歴史が作られ、しっかりとその価値を得て来た。

そしてジュニア階級論争と言うのは化石化して行ったんですね。
 

つまるところね、ベルトの本数って全然関係なくて、僕らファンがね、
そのベルトを巡る争いを凄いと言うかどうかなんですよ。

極論を言えば、WBA暫定だろうがなんだろうが、その階級のトップレベルの選手たちがベルトを巡って
争うことには変わりなくって、そこをファンが楽しんでしまえば、
ベルトが1000本だろうが2000本だろうが一緒。

僕的には世界のベルトが増えたことでより海外の細かい情報が入ってくるようになってちょっと嬉しい。
謎の選手が減りましたよね。
 

僕らがそこにあるボクシングをどうやって楽しむか次第で、ベルトの価値は変わる。
価値を作るのは、選手でも協会でもなく、僕らファンなんです。

だから僕はベルトの価値を押し上げたい。
ボクシングってこんな面白いんだよ!って…。
 

その辺が伝わるようなブログ…作れたらいいなと思ってます。
 
 

とりあえず3日にまたがり、最終的に話は大きく脱線しました。
文章の稚拙さが恨めしい…。

またちょっとネタに困ったらこういうことやろうと思いますので。
では!!!
 
 

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