スーパーフェザー級日本王座連続防衛回数ランキング(記録関連) ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2018/11/01
本日はスーパーフェザー級の日本王座連続防衛回数ランキング。
「日本人は軽量級しか通用しない…」
いにしえの時代から言われ続けた言葉だが、時代が進むにつれて”軽量級”の幅が拡大してきている。
過去には中量級とも言われたこの階級が、軽量級として捉えられるようになり、
長期に渡って世界王座に君臨する日本人も産まれた。
日本人が勝てる階級として、現在の上限ともなりつつあるスーパーフェザー級。
日本王座連続防衛回数から国内の歴史を覗いてみます。
スーパーフェザー級日本王座連続防衛回数トップ10
第1位 8度防衛 第39代日本スーパーフェザー級王者
本望 信人(角海老宝石)
パワフル 本望のリングネームで活躍し、デビューから3年半後にはA級トーナメントを制覇。
その後アメリカ遠征3試合を挟んで、のちに一階級下のフェザー級で
日本王座を獲得する洲鎌 栄一(尼崎)と対戦。
重要な一戦に勝利するも…以降、移籍問題でブランクを作る。
一年後に角海老宝石ジム所属として復帰すると、
長嶋 建吾(18古河)の返上した王座をキンジ 天野(国際)と争って獲得。
ここからスーパーテクニシャンとして3年2ヶ月に渡って王座を防衛。
その間、コウジ 有沢(草加有沢)の二度目の返り咲きをも阻んでいる。
二階級制覇を狙った大之伸 くま(FUKUOKA)を退けて8度目の防衛を飾って歴代最高記録となると、
ここでOPBF東洋太平洋王者のランディ・スイコ(比)が王座を返上。
本望は王座決定戦に出場し、それに伴って日本王座は返上。
見事OPBFを獲得すると、1度防衛したところで今や伝説となった世界王者、
エドウィン・バレロ(ベネズエラ)への挑戦が決まる。
パーフェクトレコードの怪物に挑んだ本望…
カットによるTKOで敗れるも大健闘を見せ、初めてバレロが倒しきれなかった選手となった。
この試合を最後に現役を引退。現在は本望ボクシングジムを開いている。
第2位 7度防衛 第15代日本スーパーフェザー級王者
上原 康恒(協栄)(2期目)
全日本選手権を二階級で制し、鳴り物入りでプロ入りした上原。
二戦目での躓きはあったものの、現役のWBC世界スーパーフェザー級王者だった
リカルド・アルレドンド(メキシコ)をフルマークで破って力を証明。
デビューから2年に満たずに世界挑戦を叶えるが、ベン・ビラフロア(比)の強打の前に沈んだ。
再起戦では国内の強豪、フレディ・メイスン(神林)を破り、次戦で日本王座に挑戦。
日本王座を4度防衛していた岡部 進(石川)を1Rで倒して王座を獲得。
しかし、迎えた3度目の防衛戦。初防衛戦で一度倒していたマサ 伊藤(山口協栄)に奪われてしまう。
これでマサ 伊藤とは1勝1敗…組まれたラバーマッチを制し、王座を取り返す。
ここからノンタイトルをいくつか挟みながら5度目の防衛戦で池原 吉孝(金子)を破って、
当時の日本王座連続防衛記録を樹立。
その後、二つの防衛を重ねたところで、2度目の世界挑戦が決まり、日本王座を返上。
相手はWBA世界スーパーライト級王座を10度防衛していた強豪、サムエル・セラノ(プエルトリコ)。
この試合を逆転の6RKOで王座をモノにし世界王者に。
1度防衛後、セラノとのリマッチに敗れて王座陥落。
そのままリングを後にした。
第3位 6度防衛 第36代日本スーパーフェザー級王者
コウジ 有沢(草加有沢)(2期目)
1度目の日本王座獲得時は5度防衛、2度目の日本王座は6度防衛。
通算の防衛数11度は、日本スーパーフェザー級最高記録となっている。
双子の兄であるカズ 有沢(草加有沢)とともに、国内ボクシングシーンを席巻。
超のつく人気選手だった。
全勝で迎えた13戦目、三谷 大和(三迫)が返上した日本王座を古城 賢一郎(ヨネクラ)と争って獲得。
ここから1年半に渡って日本王座を防衛すると、
ドローで世界初挑戦に失敗したばかりの畑山 隆則(横浜光)が対戦を呼びかけ。
1997年度のチャンピオンカーニバルとして行われた一戦は「究極の日本タイトルマッチ」と呼ばれ、
両国国技館を埋める伝説の試合となった。
この試合に敗北した有沢は、次戦で世界王者となった畑山を尻目に、
空位となった日本王座をパンサー 柳田(福岡帝拳)と争って返り咲き。
また日本王座の防衛を積み重ねる。
迎えた7度目の防衛戦、キンジ 天野(国際)に敗北して陥落。
その後、もう一度日本王座に挑戦するが、本望 信人(角海老宝石)に阻まれている。
人気、実力ともにあった日本王者だったが、世界挑戦は実現せず。
この哀愁もまた、ボクシングの重たい魅力となっている。
現在は飲み屋さんの店主として、来店する当時からのボクシングファンを喜ばせている。
第3位 6度防衛 第40代日本スーパーフェザー級王者
小堀 佑介(角海老宝石)
プロデビューから6年、わずか2敗で日本ランキングを上り詰める。
同門の本望 信人(角海老宝石)がOPBF東洋太平洋王座挑戦の為に日本王座を返上すると、
破格のハードパンチャーである真鍋 圭太(石川)と日本王座決定戦を争って、本望の後継王者となる。
初防衛戦では元OPBF東洋太平洋暫定王者の藤田 和典(倉敷守安)を破り、
のちにWBC世界スーパーフェザー級王者として内山 高志(ワタナベ)とともに
スーパーフェザー級の時代を創る、三浦 隆司(横浜光)も撃破。
防衛数を6まで伸ばしたところで、世界挑戦が決まり、日本王座を返上。
世界戦では大方の予想を覆し、ホセ・アルファロ(ニカラグア)を3RTKOで打ち破って世界の頂点に輝く。
初防衛戦ではトップコンテンダーだったパウルス・モーゼス(ナミビア)を迎え、判定で陥落。
再起を目指すも、怪我の影響でこの試合が最後となった。
チャンピオンベルトを電車に忘れたり、スポーツ新聞からアダルトビデオの差入を受けるなど、
ストイックで真面目なボクサー像からは少し踏み外したようなエピソードが
“角海老宝石”らしい選手と感じさせる。
海外でトレーナーを勤めた後、古巣の角海老宝石ジムでトレーナーを勤めている。
第5位 5度防衛 第17代日本スーパーフェザー級王者 安里 佳満(協栄)
第5位 5度防衛 第18代日本スーパーフェザー級王者 イサヤ・イコニ(ヨネクラ)
第5位 5度防衛 第33代日本スーパーフェザー級王者 コウジ 有沢(草加有沢)
第5位 5度防衛 第46代日本スーパーフェザー級王者 尾川 堅一(帝拳)
第9位 4度防衛 第12代日本スーパーフェザー級王者 岡部 進(石川)
第9位 4度防衛 第42代日本スーパーフェザー級王者 三浦 隆司(横浜光)
第9位 4度防衛 第44代日本スーパーフェザー級王者 金子 大樹(横浜光)
5位以降の5度防衛、4度防衛には尾川 堅一、三浦 隆司、金子 大樹など近年の日本王者が並ぶ。
現王者の末吉 大(帝拳)も着々と防衛数を伸ばし、あと1度の防衛でトップ10入りとなる。
直近は挑戦者決定戦を制した大里 拳(大鵬)が末吉の前に立ち塞がる。
さらに富岡 樹(REBOOT)や二階級制覇を狙う坂 晃典(仲里)、
後に控える同門の正木 脩也(帝拳)がランキングに名を連ねる。
また、挑戦圏外には中日本のホープ、力石 政法(緑)が虎視眈々。
ここを争う動きもまた、絶妙に面白い絡み合いとなっていきそうだ。
※記録は2018/11/01時点
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