2018/3/31 -名古屋国際会議場-見どころ(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
今年の愛知第二弾は久しぶりの名古屋国際会議場。
名勝負が繰り返された歴史としては、刈谷あいおいホールとは比べられないほどの歴史を持つ。
見やすさで言えば刈谷あいおいだとは思うが、
名古屋国際会議場での戦いに、数々のかつてのボクサーたちが思い起こされることもしばしば。
刈谷とはまた違った魅力が詰め込まれた会場だと思っている。
メインには、中日本ボクシング界で断トツのトップを走る、世界二階級制覇王者の田中 恒成(畑中)が登場。
三階級制覇に向けて、新しい階級でのテストマッチに挑む。
日本中が注目する一戦。
そして…前座カードがえげつな過ぎることになっている。
第1試合から超注目!
【68.0㎏契約6回戦6回戦】
トミナガ シンペイ(中日) vs 浅原 あきひろ(駿河男児)
・トミナガ シンペイ 11戦6勝(4KO)5敗
2016年のウェルター級中日本新人王。
昨年は6回戦の2試合を連勝で駆け抜けA級昇格の権利を手に入れている。
「大振りはいけない」というボクシングの常識を完全シカトする男。
両手の拳を相手に叩きつけ、体ごと持って行って相手のバランスを崩してしまう。
…そしてズドン!
ひょうきんな勝利者インタビューもまた魅力的。
去年の二試合で僕はもうトミナガの虜になってしまっている。
今、日本ボクシング界で最もブサイクで暑苦しい漢。
恒成目当ての遠征組に、ぜひ見てもらいたい選手。
・浅原 あきひろ 13戦6勝(1KO)5敗2分
2016年のウェルター級中日本新人王。
全日本新人王決定戦まで勝ち進むも、あぐ~ マサル(吉祥寺鉄拳8)とのド突き合いに涙を飲んだ。
A級昇格まであと一勝。
ここ2試合は連続での負傷判定決着となっている。
昨年9月のリマッチとなる試合。
6R負傷判定の3-0でトミナガが勝利しているが、ジャッジ全員が1ポイント差の接戦となっている。
浅原はリングネームの名前をひらがなに変えて心機一転。
A昇格の権利を手に入れているトミナガと、この試合に昇格を手に入れる浅原。
ウェルター級~ミドル級には日本ランキングに空位もあり…
勝った方が今年、ランキングを睨むことになるだろう一戦。
この試合の結果によって、中日本中量級戦線、近未来の予想図が描かれることとなる。
【56.0kg契約4回戦】
干場 悟(タイガー) vs 三輪 珠輝(松田)
・干場 悟 7戦4勝(2KO)3敗
昨年の中日本スーパーバンタム級新人王。
西軍代表決定戦では、接戦を演じながらも敗退。
フルマークを付けるジャッジもいたが、干場の勝ちと見たファンもおり、難しい試合だったようだ。
柔らかさと止まらない手数で前進し続ける姿を、アマチュアの伝説、辻本 和正に例える人もいる。
近距離の撃ち合いに特化したファイター。
中日本ボクシング観戦記が勝手に認定する2017年度のMVPに選出している。
・三輪 珠輝 6戦3勝(1KO)3敗
1年半ぶりとなる三輪が登場。
昨年、加賀 聖也(タキザワ)との試合…懐の深いサウスポー加賀は1Rに左腕を脱臼。
そんな加賀に攻め入った三輪だったが、右腕一本で捌かれての判定負け。
しかし…次戦、伊藤 記道(市野)との試合で、前戦が信じられないほどの撃ち合いを展開。
刈谷あいおいホールが揺れる大激戦となり、真っ向勝負の判定を勝ち取っている。
あれから1年半…試合が決まらない状況に、燃え尽きてしまったのかと勘繰ったりしてみたがここで復活。
撃ち合いに強いファイターの干場。
そして前戦で、超ド突き合いで刈谷を揺らした三輪。
二人がぶつかればどうなるか…完全なる正面衝突が予想される試合。
震える名勝負の予感。
【スーパーバンタム級8回戦】
カンペーンペット・ゲーオクワンリゾート(タイ) vs 伊藤 仁也(三河)
・カンペーンペット・ゲーオクワンリゾート 2戦2敗
BoxRecに記録されているのは日本で行われた2試合のみ。
いずれも敗戦しており、他の戦績は不明。
ムエタイ選手を仕込んで連れてきたパターンか…
それともBoxRecから数々の試合が漏れているパターンか…
見て見なければなんとも言えないが…。
昨年中日本で見たタイ人2名はしっかりとした実力者だった。
今回は急遽代役として試合に挑む形のため、同じようには考えれないのかもしれないが
蓋を開けてびっくり…なんていうことも最近増えてきたタイ人選手。
期待して試合開始のゴングを待とうと思う。
・伊藤 仁也 10戦6勝(1KO)3敗
パンチもある、フレームもある、持ち合わせたものは抜群…
昨年7月の試合ではロジャー・メイウェザー(米)ばりのL字ガードも見せている。
B級昇格後に苦しんだ3連敗を乗り越え、前戦でA級昇格を決めた伊藤。
先々にはランカーやその先も見据えられるだけの能力は持っていると思っている。
「仁也は特別な選手」…と、僕は色々なところで言ってきた。
当初は元WBCユース王者で、現日本ランカーの田中 裕士(畑中)と伊藤が戦う身の毛がよだつカードだったが、
突如として、タイ人選手vs伊藤に変更されている。
怪我だろうか…情報が薄くよく解っておらず、こちらも心配するばかり。
伊藤にとってはランカー挑戦だったはずだったが、急遽の対戦相手変更。
これが及ぼすメンタル面への影響を心配している。
本当に強い選手は、どんな状況でもベストを作って来る。
ある意味、ここは伊藤が試される試合だとも思える。
【ライト級8回戦】
レッカー・オータナキット(タイ) vs 市川 大樹(駿河男児)
・レッカー・オータナキット 5戦5敗
この選手もまた、戦績としてはハッキリしたものがつかめない。
BoxRecで記録された5試合中、4試合が日本で記録されたもの。
漏れているか、本当に5戦5敗かのどちらかだが…。
・市川 大樹 13戦9勝(7KO)4敗
昨年7月、ロシアに乗り込みWBOライト級ユース王座に挑戦した元OPBFランカー。
1RTKOで敗北後、再起を期した小林 和優(RK蒲田)戦でスプリット判定で敗北。
OPBFのランキングを失っている。
連敗してしまったキャリアを立て直したい市川。
相手は未知数タイ人だが果たして…。
【51.0kg契約8回戦】
畑中 建人(畑中) vs 松井 謙太(三河)
・畑中 建人 4戦4勝(4KO)
第13代WBC世界スーパーバンタム級王者である畑中 清詞(松田)を父に持つ”プリンス”畑中。
中日本のスーパーホープとして現在4連勝中だが…。
決して親の名前で戦っているわけではない実力を示している。
父親譲りの伸びる左、効かされた後に見せた獰猛なねじ伏せ具合。
正真正銘、ホープとして期待できる逸材だと思っている。
日本ミニマム級4位
・松井 謙太 15戦8勝(1KO)7敗
昨年、とんでもないシンデレラストーリーを見せつけた松井。
一つのアップセットで一気に日本ランキング1位へと駆け上がり
最強挑戦者として当時の日本王者、小西 伶弥(真正)に挑戦。
いつでも誰とでもやる…そんな姿勢が幸運を味方につけ、
ノーランカーが一気にタイトルマッチ経験者にまで成り上がった。
つい先日、世界タイトルマッチで善戦し、世界レベルでの強豪選手として
認知を得た小西には及ばなかったが…
松井の姿勢は相も変わらず、今回もまたツワモノに挑んで行く。
中日本ボクシング観戦記が勝手に認定する2017年度の敢闘賞に選出している。
元々スーパーフライで戦っていた畑中がフライに落とし、
元々ライトフライで戦っていた松井がフライに上げての試合。
直近の試合ではスーパーフライとミニマムで3階級差があるが、
両者が本領を発揮する階級として考えれば1階級差と見るのが妥当だと思う。
なんにせよ…この試合に挑む松井が凄い。
どこまでも強敵と戦う松井…知名度的にはTVなどにも登場し期待を集める畑中の方が上だが…。
松井はアップセットの起こし方を体で体験した選手。
畑中にとっても簡単な試合にはならないだろうと思っている。
【フライ級10回戦】
田中 恒成(畑中) vs ロニー・バルドナド(比)
WBO世界フライ級1位/WBC世界フライ級4位/WBOアジア太平洋フライ級1位
・田中 恒成 10戦10勝(6KO)
昨年はライトフライ級で統一戦の期待が高まった田中だったが…
田口 良一(ワタナベ)との対戦がほぼ決まっている中でのWBO世界ライトフライ級の防衛戦。
パランポール・CPフレッシュマート(タイ)を最終的には倒したものの、
両目を負傷させられて期待の一戦はキャンセル。
減量が限界に来ていたこともあってライトフライ級の王座を返上。
名古屋のリングでフライ級のテストマッチに挑む。
WBO世界フライ級12位/OPBF東洋太平洋フライ級12位/WBOアジア太平洋フライ級6位
WBOオリエンタルフライ級暫定王者
・ロニー・バルドナド(比) 11戦10勝(7KO)1分
ボディ撃ちに秀でたフィリピンのホープ。
現在無敗のまま世界ランキングに名を連ねてきている。
動画を確認したが、フィリピン人特有の荒々しさ以上に、丁寧なガードが目に付く選手。
世界ランカーとして充分な実力を持っており、上に食い込む可能性をも持つ選手だと感じる。
僕自身、田中に関しては「最低限五階級制覇」くらいに思っている。
しかしながら、まだ実績のないフライ級で、テストマッチとして組む試合…。
そこで呼ぶ相手としては、少々欲張りすぎじゃないかとさえ思う。
そういうレベルの相手…確かに見る側としては面白いのだけれど…。
ただし、アマチュア時代から五輪候補の兄:亮明とともに、強い奴に挑みまくって来たのが恒成。
兄の亮明は井上 尚弥(大橋)を追いかけまわし、恒成は井上 拓真(大橋)と激戦を繰り広げた。
恒成が強い相手を選び続けるのは未成年の頃から続く道のり。
ただ一言、「恒成らしい」という言葉が漏れる。
今や日本のトップ戦線を走る田中。
県外からも多数のマニアが訪れる様子。
我らが田中 恒成を存分に楽しんでいただきたい。
そして…この日の前座のカードもまた魅力的。
胸を張れるカードが複数並んでいる。
カード的イチ推しは干場vs三輪。
面白いボクサーという意味ではトミナガを推薦。
中日本の魅力を全身で感じ取っていただきたい。
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