2025/08/16 -愛知・名古屋市露橋スポーツセンター- 前置き(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2025/08/16 -愛知・名古屋市露橋スポーツセンター- 前置き(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

 

事故が起こった。

神足 茂利(M.T)浦川 大将(帝拳)が同日に命を失った。


どちらも交流のある選手ではない。
だからと言って平気なものでもない。

自分が応援してきたボクシングで誰かが命を失った、
10年事故が起こっていなかったとは言え、その一歩手前で引退した選手もいる。

中日本のリングに上がった選手の中でも、
竹嶋 海刀(勝輝)水島 楓翔(ワタナベ)など、脳梗塞や裂傷でリングを去ったはいる。
そのままリングに上がり続けていれば、何が起こっていたか…ゾッとする。
この日、出場予定だった藤川 晃成(名古屋大橋)も「後頭蓋窩くも膜嚢胞」が見つかって棄権。

これまでも紙一重ではあった。


JBCはやれることから手をつけるとして、OPBF東洋太平洋戦のラウンド数を短縮。
主催していた帝拳プロモーションは次の興行を延期。
これからも、安全に対しての大きな改変は続いていくだろうと思うし、
そうでなければならない。


ボクシングは鈎のような武器を使った殺戮ショーが起源。
そこから様々なスポーツに分派していくにあたって、より安全に舵を切って来た。
「ボクシング廃止論」と向かい合い、時に禁止とされる地域もあった。
社会に認めてもらえるようにカスタマイズされ、それがボクシングの発展になった。

ラウンド制限なし、倒れるまで、素手…だったボクシング。
クイーンズベリールールが導入されるとき、それまでを面白いと感じていた人たちは
「ボクシングが面白くなくなる」と反発したに違いない。

世界タイトルマッチが15Rから12Rになったときもそうだ。
ただ、時間がたてばファンはそのラウンド数の中に面白みを見出している。
グローブが当たり前、ラウンド制が当たり前、その枠の中で楽しんでいる。

ボクシングは決められた枠の中で戦うからこそ面白いもの。
投げたり掴んだり蹴ったりできないからこそ、パンチだけだからこそ、
その技術が深く深く練り込まれていく。

安全のための枠であれば、恐れず改革してほしい。
最初は違和感や不満などあれど、ある程度慣れれば、そこに面白みを見出すはずだ。
ファンがそうしてきた…それもまたボクシングの歴史だ。


事故直後の中日本の興行。
会場入りすると受け付けは慌ただしく、今日の興行に向けて進んでいる。
畑中 建人(畑中)のTシャツを購入すると、
坂井 涼(畑中)のTシャツ売り場からも声をかけられた。

併せて後援会へのお誘いもいただく。
後援会に入るとTシャツがついてくる。
年会費は1口5000円、Tシャツは3000円。
Tシャツは買おうと思っていた自分にとって、実質2000円でのお得なプランだったので即決。
「息子の頑張ること」のために尽力している姿も胸をうつもの。


試合会場に入り、自分の席へ。
北陸から駆け付けた藤野 零大(カシミ)応援団が陣取る中へ。
藤野が可愛くて仕方ない大人たちが集結してる。

犬塚 音也(松田)と新人王トーナメントで引き分けて以降、
お互いに強烈に意識し合ってきた二人。
藤野を近くで見てきた人であれば、犬塚を近くで見てきた人であれば
この試合がどれだけ大きな試合かは理解できるはず。

タイトルやランキングじゃない。
両者が求め合って成立した勝負の試合。


この日東京から観戦に駆け付けた、
立ち技格闘技観戦数日本一とも言われるサーバルさんが斜め前の席。
ふと気づけば、10/5に試合を控える今年の中日本新人王、山中 圭市(中日)が真後ろに。

ここにいるすべての人たちが、胸に何かを思う。
それぞれが、それぞれの思いを携えて、この場にいる。

 

ここでいつもの前置き

自分はファンではあるが、熱狂的なマニア程の肥えた目を持ってはいない。
自分より凄いと思えるファンはそこらじゅうに転がっている。
ここに書く内容に誤りが多分に含まれることもある。

先に言い訳をしておきたいわけではなく、そういうものだと言っておきたい。
同じ試合を見ていても、違う感想を持つファンもいるわけで…。
ここに書いたことが正解ではないと…。
それだけは認識した上で、読み進めていただきたい。


事故が起こったからというわけでもなく、ボクシングを愛することは葛藤の連続だ。
心の根っこには、いつも罪悪感みたいなものがある。
自分の大好きな人間がリングの上で傷ついていく、傷つけられていく。
ボクシングを好きでいる限り、続いていくもの。

ボクシングなしでは成り立たなかった人生を目にして来た。
ボクシングがなければこんな苦労しなかったはず。
だけど、こんな素晴らしい人生にもならなかった。
そう思って生きている人たちをたくさん見てきた。

だからと言って、誰かの命が失われていいわけではない。
どうかみんな、無事で。

 

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