2020/11/29 -刈谷・あいおいホール[一部]- 前置き(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
朝、6時25分。
目覚まし時計が鳴り響く。
6時半から始まるアニメ「鬼滅の刃」が始まる時間に合わせての起床。
世間のブームに乗り遅れることなく、我が家の三人娘と妻もしっかりと
この大人気アニメにハマっている。
早朝のアニメを眺めながらの朝食を済ませ、体温を測る。
いつも震えている手が、より大きく震える。
この2週間、ずっとそうだった。
発熱すれば、様々なものが台無しになりかねない。
コロナウイルスの感染者数は2週間ほど前から右肩上がりに上昇。
第3波の到来に身も心も疲弊する思いだった。
一般人によるライブ配信…そんなことをぶち上げ、
様々な人にレールを敷いてもらってここまで辿り着いた。
自分が、この日の試合をインターネット上で配信する…もし、しくじれば…。
選手の試合は世の中に届かない。
モバイルでのYoutube配信の為、チャンネル登録に協力してくれた人たちも、
地元の友人や家族に試合を見てもらいたい選手も…きっと残念がる。
36.3℃…ほっと胸をなでおろす。
37.5℃以上あれば会場入りは許されない。
最後の関門を突破した思いだった。
この日の刈谷あいおいホールは10:30 OPENの11:00試合開始。
リングの設営は9:00から開始される。
今回はライブ配信の準備の為、9:30の会場入りを許可してもらっている。
今回、精一杯プロモーションしてきたライブ配信。
ときに悪目立ちしながらも、目立たなければ何も始まらない。
「一般人が放映権を購入して配信する」
珍しいことはプロモーションの種になる。
とにかくたくさんの人に、リングで戦う中日本の選手を見て欲しい。
「主役は選手」…そんなことは解っている。
でも、だんまりしてしまえば、せっかくの種を捨ててしまうことに他ならない。
とにかく目立つと決めて、ラジオに出演したりなんだかんだ…。
そんな中、この配信が上手くいかなかったとき、
期待した人達はどんなリアクションをするだろうか。
心の底から怖かった。
手伝ってくれた人たちが批判されることもあり得るんじゃないか。
そう思うとさらに怖くなった…。
必死で「せきちゃんがやるぞ!」「やってるのはせきちゃんだぞ!」と発信しまくった。
その恐怖も、今日で終わる…余計なことは考えないようにしよう。
会場に到着して、自分の代わりに撮影をしていただくsakanaさん夫妻と初対面。
数多くのアマチュアボクシングの試合を、Youtubeで配信してきたsakanaさん。
福井から前日に近くのホテルに宿を取り、この日に備えてくれていた。
ホテル代も、交通費も自腹。
今回、あくまで一般人としての立場で配信するということで、
チケット代は支払うことにしていた。
プロモーターさんは、チケット代は不要、払うなら割引すると何度も言ってくれた。
それでも、それは頑なに断った。
今後、このライブ配信を「やりたい人が誰でもやれるような仕組みにしたい」と
いう思いがあったことから。「特別にしてもらうこと」は極力排除したかった。
前例として、作りたくなかった。
そんな僕の身勝手な方針に付き合ってくれたsakanaさんは、僕にチケット代を手渡した。
正直、交通費もホテル代もチケット代も全部持つつもりでいた。
一言目、チケット代の受け取りを断った僕に、
「これは選手へのお金だから」と言ったsakanaさん。
やっぱり…。
全国を飛び回りながら、アマチュアボクシングの試合を撮影し続けるsakanaさん。
どう考えたって交通費やなんやで大赤字だ。
ずっとどこか似ている気がしていた。
「挨拶不要」と掲げ、人付き合いが苦手と公言しているところも同じ。
今回の撮影に関して、二つ返事でOKしてくれたsakanaさん。
撮影は全面的にsakanaさんに頼ることとなる。
僕の役割は、スマートホンでYoutubeの配信に張り付いて、
チャット欄で、登場する選手たちのことを紹介していくのみ。
技術的な解説や批評は素人の自分にはできない。
でも、ファンとして見て来たその選手のストーリーを伝えることはできる。
…ただ、それだけ。
手伝ってもらったなんて言い方をしているが、その実、この配信の主役はsakanaさんだ。
僕自身も、かなりプレッシャーに感じていたが、
それ以上のプレッシャーを受けていたのはsakanaさんの方だと思う。
関わらなければ全く浴びることのなかったプレッシャーを全身で浴び、
旅費もチケット代も支払い…傍目から見れば、損しかしていない。
でも、チケット代を渡そうとしたsakanaさんの気持ちはハッキリわかる。
チケット代は受け取った。
僕はこのお金を受け取って、選手に還元する。
逆の立場なら、僕もそれを望む。
それを受け取ってもらって、「何かの力になれた自分」が満たされる。
勝手に「この人は同じ種族の人」だと思った。
会場入りし、打ち合わせしながら、テキパキと準備を進めるsakanaさん夫妻。
途中アマチュアボクシングの話になると、奥さんの方が熱っぽく選手のことを話し始める。
自分はプロモーターさん、協会長さんに挨拶を済ませる。
この試みを快く受け入れてくれているようで、本当に感謝しかない。
撮影場所の付近には、刈谷あいおいホールでの試合を撮影し続けているカメラマンの方。
この方も、中日本にとどまらず、日本全国を飛び回って撮影をされている。
陰でボクシングを支え続けている人の一人。
「それぞれのボクシング愛がある。自分なりのボクシング愛を作ればそれでいい。」
ボクシング愛というものが、いったい何なのか…
そんなことで悩んでいた時期に、この言葉をいただいた。
これから先もずっと大事にしていきたい言葉。
ボクシングというスポーツがたくさんの人の愛情で成り立っている。
今回の試みは、自分にそれを肌身で体感させてくれたと思っている。
「あとは、刈谷の電波状況次第ですね」
sakanaさんの声。
これだけ撮影、配信の経験がある人が入念に準備しても、懸念事項は存在する。
さて、ここでいつもの<del>言い訳</del>前置き
自分はファンではあるが、熱狂的なマニア程の肥えた目を持ってはいない。
自分より凄いと思えるファンはそこらじゅうに転がっている。
ここに書く内容に誤りが多分に含まれることもある。
先に言い訳をしておきたいわけではなく、そういうものだと言っておきたい。
同じ試合を見ていても、違う感想を持つファンもいるわけで…。
ここに書いたことが正解ではないと…。
それだけは認識したうえで、読み進めていただきたい。
チャット欄を開き、選手紹介の文章をおさらいする。
準備は整った。
あとは、sakanaさんと神に祈るのみ。
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