2025/04/27 -三重・メッセウイングみえ- ファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2025/04/27 -三重・メッセウイングみえ- ファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

 

【60Kg契約8回戦】
山辺 蓮(市野) vs 佐川 遼(三迫)


ガードを高く上げてじっくりと見る山辺。
ラウンド中盤から、飛び込んで左を突き立て、撃ってくれば撃ち終わりを捉える。
佐川はボディストレート、ジャブとヒットさせるが、山辺のガード固く大砲はヒットせず。


2R、距離が縮まり、山辺が右フック、左アッパーで捉える場面が増える。
佐川が右ストレートを突き刺しても、山辺が連打ですぐに取り返す。
テンポよく、山辺がヒット数を稼ぎ出す。


3R、このラウンドもまた山辺が佐川を翻弄するように拳を叩きこんでいく。
佐川はガード下に滑り込ませる右ボディを刺す。
軽く撃ち抜いているように見えた山辺だったが、
ラウンド中盤には強のコンビネーションで痛烈に捉える。
このラウンド終盤、ボディばかり撃っていた佐川が右を顔面に持っていき、強烈なヒットを奪う。


4R、山辺が先に出してヒットを奪う展開は変わらないが、
そこにカウンターを合わせる場面を多く見せ始めた佐川。
強烈なボディの数も増え、上下に山辺を襲う。

佐川の顔面が跳ね上がる場面も多く、ポイント自体は山辺に流れているように見えるも
これまで何度も逆転KO負けを演じてきた山辺。
スリリングなイメージは切り離せない。


5R、着実にヒット数を稼ぎ出す山辺。
跳び込んで先を獲り、佐川が撃てば撃ち終わりに左ストレートを返す。
主導権を握ったまま、試合後半に入っても譲らず。


6R、テンポよく佐川を襲っていく山辺に、時折ヒヤリとする反撃で捉える佐川の構図。
山辺の逆ワンツーに佐川が大きく揺れると、佐川はなんとかクリンチ。
終盤に向かう前に、印象的なシーンを作る。
こういったシーンがあるかないかで、その後のジャッジのポイントの付き方が変わることがある。
勝利確定に向けて大きな大きな場面。


7R、両者激しい撃ち合い
片方が上回れば、もう片方が盛り返す。
若干佐川が上回るか…それでも山辺は引かず。
ここに来て、元日本王者の底力を見せつけるように佐川が山辺を上回り始める。


8R、猛烈な撃ち合い、とにかく撃ち合い。
これまでの山辺の逆転KO負けを知る客席が、残り時間を確認しながら歓声を出す。
倒されなければ判定は固い…が、引けば飲み込まれる可能性もある。

何も起こらないでくれ…地元山辺を応援する人たちの願いと、リング上の激しい撃ち合い。
会場全体がボルテージを上げていく中で、試合終了のゴングが鳴った。


マイジャッジ

78-74 山辺


公式ジャッジ
77-75×2 山辺
76-76 ドロー

2-0 勝者:山辺


どちらもその強さを証明済みのノーランカー対決。
日本ランキング上位クラスと認知される山辺と、元日本王者の佐川。
2週間前に急遽カード変更となって発表された試合だった。
「ランキング」や「この先」を考えれば旨味の少ないカード。

名誉を争う世界、このカードに挑んだことに対することがまず称賛されてほしい。
急遽の試合で、恐怖のノーランカーと拳を交えることとなった佐川。
相手都合の対戦相手変更で、ノーランカーとなっている元日本王者が出てきた構図の山辺。

双方やると返答した…勇敢な勇敢なメインイベント。


周りの採点を聞く限り、見方によって大きく採点がズレたように思えた。
山辺がとったと思えた1,2Rを、佐川が確実にとったと言うファンもおり…。
逆に終盤2Rを山辺優位と見たファンもいた。

ただし、引き分け以上に佐川有利に採点をつけたマイジャッジには出会わなかった。
山辺が中盤をとったことで、はっきりとした勝利を手中に収めたように思う。


日本王座陥落後も、元世界王者への勝利などインパクトある勝利を刻んできた佐川。
この試合結果をもって、佐川が落ちたとは思えない。
そして、このクラスの選手が、中日本のリングを訪れてくれたことに感謝したい。

これで前田 稔輝(グリーンツダ)戦の善戦がフロックでなかったことを証明した山辺。
7月には既にランカー挑戦が決定しており、この試合の結果をもって相応しさは示した。
満を持して、次のステージへと進んでいく。

デビュー戦から、並々ならぬポテンシャルを垣間見せてきた山辺。
いよいよ…いよいよ、その名が響き渡るところまで来たように感じる。
A級昇格以降、全てのカードがシビアな山辺。

7月を乗り越えランカーとなったとして、そのカードが守りに入ることは考えづらい。
マニアたちが常に求め続ける「面白いカード」。
絶品のそれを提供する男が三重にいる。

まずは7月、とにもかくにも7月。
この大きな大きなカードを乗り越えても、山辺に課される険しい道のりが終わることはない。


山辺 蓮 13戦9勝(7KO)4敗
佐川 遼 17戦13勝(8KO)4敗

 

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