2019/08/10 -尼崎インキュベーションセンターⅠ- (中日本ボクシング観戦記番外編) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2019/08/10 -尼崎インキュベーションセンターⅠ- (中日本ボクシング観戦記番外編) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
 
 

ボクシング選手名鑑管理人せきちゃん夏の6週連続ボクシング観戦もこの日で後半に差し掛かる4週目。
関西遠征に飛び、10日尼崎、11日神戸と、兵庫県のボクシングを堪能してまいりました!

というわけで、中日本ボクシング観戦記番外編…
好勝負連発の8/10尼崎の観戦記!
 

【スーパーバンタム級4回戦】
末継 海里(本橋) vs 浦島 タロウ(井岡)

末継 海里 デビュー戦
浦島 タロウ 1戦1敗

1R、重たそうなジャブを突いていくフレームの一回り大きな末継、
ジャブの刺し合いとなる中、浦島が潜り込んだ所で末継の強烈な右フックが刺さる。
中盤、相撃ちで強烈に捉え合うと、撃ち合いとなる中、末継が連続で捉えていく。
飲み込まれそうになる浦島だったが、ここは幸運にもレフリーが割って入り、末継にオープンブローの注意。
以降試合は少し落ち着いてラウンド終了。
 

2R、ジャブから右フックを突き刺した浦島。
そこから一気に撃ち合いへと突入し、お互いに強烈に捉えるが
末継は効かせるとそのまま連続で捉えて行き、はっきりと撃ち合いを上回る。

強烈にもらいながらも前に出る浦島に、末継が左右フックを叩き込む。
しかし…浦島の勢いは止むことはない。

ラウンド終盤、末継が長い右ストレートで捉える場面が目立ち始める。
距離を潰して左右フックを撃ち込む浦島だが、
近い距離でも末継の回転に上回られてしまう展開。
 

3R、より好戦的に前へ前へと出て行く浦島。
徐々に徐々にガチャガチャとした展開へ…。
末継が何度も何度も浦島の入り際を鋭利に襲うが
浦島は前へ前へと進み、近い距離で何度も強烈に末継を叩いて行く。
終盤、近い距離でサイドに飛んだ浦島が右ストレートで捉えて末継を揺らす。
 

4R,お互いに好戦的な最終ラウンド、末継が浦島のジャブに合わせた左フックで浦島を襲う。
後続もしっかりまとめて浦島がグラつく。
しかし、もらっても、もらってもで浦島は距離を潰して、ガチャガチャとパンチを浴びせ
何度も末継の顔面が弾け飛ぶ…。
末継が何度強烈に左フックを突き刺しても、浦島はやはり止まらず。

ラウンド終盤、末継が下がりながらの展開になっても、末継の左フックは何度も刺さる。
時折フリーズしながらも、詰めては拳を突き刺していく浦島。
試合は熱量たっぷりの中、終了のゴング。

マイジャッジ 38-38 ドロー
 

公式ジャッジ
39-38 浦島
39-38 末継
 
 
 

38-38 …1-1 ドロー
 

末継のパンチは強烈に浦島の入り際を捉えていた。
撃ち合いの局面でも、圧倒的に上回っていた。
ラウンドが進むにつれ、浦島はより近い距離での攻防を求め、
被弾かまわず距離を潰し、後半は圧力で盛り返すように試合をまくった。

精度もスペックも末継が上回る中、被弾に耐え切る撃たれ強さを武器に、
末継がパンチを走らせる距離を奪い去ってしまった。
差のある相手に対して、局面を打開したのは浦島の恐れぬ勇気と、陣営の力含む修正能力に見えた。
2戦して未勝利…しかし、浦島はいいファイターになる…。
そんな予感を感じさせてくれた。

また、末継は相手がこれほどタフでなければ、早期にKO決着で勝利していただろうと思う。
最終的に勝利はこぼれ落ちてしまったが、持ち合わせはある選手。
めげることなく、いい経験として、この先の勝利に繋げて行って欲しいと感じた。
 
 

 
 

【59.5Kg契約4回戦】
笹 弘貴(神拳阪神) vs 福浪 隆(オール)

笹 弘貴 1戦1勝(1KO)
福浪 隆 1戦1敗 サウスポー
 

1R、お互い距離の遠い中、前の手を刺し合う静かな立ち上がり。
踏み込んで長いパンチの応酬となるも、お互いに距離とガードで外し合う。
笹が右ボディストレートで先制すると、中盤にも同じく右ボディストレートが刺さるが
終盤、福浪が笹のジャブに合わせた左ストレートを合わせて反撃。
 

2R、一気に好戦的になった二人、縮まった距離の中、笹が右ストレートを
ガードの上から突き刺して福浪がフラフラとコーナーへ後退。
追いかけた笹が一気にパンチをまとめてダウンを奪取。

再開後、圧力を強めた笹が、カウンターの右ストレートを突き刺し
崩れ落ちるように福浪がダウン…レフリーは早々にカウントを中断してストップ。
 

TKOタイムは 2R 1分4秒
 

お互いに緊張感の高い駆け引きだった1R。
2Rに入ってお互いが出た所で、勝負を決定付けたのは、笹のパンチ力だった。
ガードの上から効かせてしまうその代物はボクシングにおける絶対的な武器。
さらに、決着シーンでは完璧なタイミングのカウンターを突き刺した。
笹…来年の西日本新人王戦にエントリーしてくるなら、注目選手と見ていいと感じる。

福浪がパンチ力以外のもので何か劣っていたのか…。
僕には、それ以外の二人の力の差は解らなかった。
1Rに合わせたカウンターが振り抜かれたものだったなら…とも感じる。

自信を持つボクサーは強くなる、自信を失えばボクサーは勝てなくなる。
1Rの緊張感高い攻防を見る限り、悪いボクサーでないことは間違いないと感じる。
デビュー2連敗…しかし、大切なものを失って欲しくないと感じる。
自分を信じて進んで欲しい…初勝利の報を名古屋で待ちたいと思う。
 
 

 
 

【スーパーバンタム級4回戦】
古庄 剛士(ワイルドビート) vs 由井 貴大(オール)

古庄 剛士 6戦4敗2分
由井 貴大 1戦1敗
 

1R、一回りフレームの大きな古庄。
お互いにスピードのある二人、由井が踏み込んでワンツーを当てれば
古庄が離れ際に左フックを引っ掛ける。
 

2R、入ってくるところを強烈に捉えていた古庄。
しかし、被弾かまわず潜り込んでボディをえぐり始めた由井。
腹を撃たれながら鋭利なフックで由井の顔面を跳ね上げる古庄。

ラウンド中盤以降には由井がボディから顔面に繋げる場面も。
終盤、由井が足を使って出入り。
 

3R、由井のボディに対し、古庄が左右フックで顔面をえぐる。
腹と顔面の叩き合いとなった試合…フレームの長い古庄の方が足を前に進めて
右フックを強烈にたたきつける場面を作る。

このラウンドも由井は徹底して、しつこくしつこくボディを叩き続ける。
由井の左ボディに合わせて、左フックをカウンターで振り抜いた古庄だったが、由井はダメージを見せず。
 

4R、古庄が前に出て、由井が下がる展開。
ボディから顔面に強烈に襲う由井に対し、コンビネーションで叩いて行く古庄。
しかし、常に高い由井のガードは、連続での被弾はなかなか許さない。
それでも何度も何度も古庄のフックが由井に刺さる。
由井は怯まず、徹底的に下から上へ・・・。

撃ち合いは激しさを増す中、徐々に由井がその撃ち合いを上回って行く。
しかし、ラウンド終了直前、古庄が強烈に右ストレートを突き刺して反撃。
ここで試合終了のゴング。
 

マイジャッジ 39-37 由井
 

公式ジャッジ
39-38 由井
39-38 古庄

割れるのも納得の拮抗した試合…由井のボディがどれだけ採点に反映されるか…。
 

39-38 …ドローはなし
 
 

2-1 勝者…
 

古庄
 

フレーム差はボクシングに置いて大きな大きなアドバンテージだと思っている。
この差を作るために、軽い体重を作るという考え方もあるほどだ。
その差を埋めたのは、由井の徹底的なボディ。
貫いて、勝っていておかしくなかった試合に持ち込んだ。

最後はジャッジ席に座っている者が誰かの運。
由井が劣っていて敗れた試合ではないと感じた。

スピードある二人の攻防の中で、自らの戦いを疑いなく貫いた由井。
ボディを徹底することは難しいこと。
倒したいと焦れば、どうしても徹底できずに顔面を狙いに行ってしまう。
デビュー2戦目でそれができてしまう選手…きっとこの先強くなる。
 

この試合が初勝利となった古庄だが…
ここまで勝ちに恵まれなかったことが信じられない。
スピードもあり、相手の撃ち終わりを鋭利に襲った姿。
とてもじゃないが6戦未勝利と言われて信じられる姿ではなかった。

勝ちに遠かった選手が、ちょっとしたきっかけで勝ち始めることはよくあるケース。
充分にそれが叶えられる力はあると感じる。
願わくば、この試合がそのきっかけになれば…。

数年後、彼の戦歴がどうなっているか…楽しみにしていたい。
 
 

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