2023/04/02 -愛知・刈谷あいおいホール- 第4試合、第5試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
■2023年度中日本スーパーライト級新人王準決勝
月田 翔一郎(平石) vs 中里 雄大(中日)
月田 翔一郎 デビュー戦
中里 雄大 デビュー戦
スピードに乗って長いパンチを繰り出す月田。
対してガードを固めて、丁寧にパンチを出す仲里。
フレームもスピードも月田が上回る中、仲里が前に前に距離を潰し
丁寧なガードと愚直なワンツーでヒットを奪っていく。
3R後半、月田がアウトボクシングに切り替え、大きく足を使うと仲里はなかなか詰め切れず。
鋭利に的確に月田がヒットを奪っていく。
4R中盤までその流れは続いていくが、ラスト一気に仲里が詰め、月田も応戦。
撃ち合いになると仲里が強烈な右ストレートを叩き込んで月田をのけぞらせるなど
しっかりと撃ち勝って試合終了のゴング。
マイジャッジ 39-37 仲里
公式ジャッジ
39-37、39-37、40-36
3-0 仲里
身体的な能力値は月田の方が勝っているように見えた。
それを丁寧に丁寧に戦いながら上回っていった仲里。
気が付けば客席から仲里の愚直な姿に対する声援が飛んでいた。
スピードもキレもある選手に見えた月田。
だからこそ、芯の真面目さがにじみ出るような仲里へ声援が飛んだように感じる。
身体能力の差、体の強さは覆る。
この敗戦から月田が変貌していく姿が見たい。
持ち合わせるものは他の選手よりも多くあるだろうと思う。
勝った仲里は、柳川 竜也(名古屋大橋)vs藤崎 紘成(和光)の勝者と
8/20の中日本新人王決勝で対戦予定。
【ウェルター級4回戦】
上村 健太(緑) vs 松岡 蓮(浜松堀内)
上村 健太 5戦3勝(2KO)1敗1分
松岡 蓮 7戦3勝(3KO)4敗
試合開始直後から真っ向ファイト。
力強くスピードのあるパンチで両者とも顔面を捉え合う。
1R中盤には上村の右フックのカウンターが連続で刺さり、松岡が追い込まれる場面も。
逆に2R以降は松岡が回転よく撃ち勝っていく。
詰めていく上村、コーナーに押し込まれる松岡だが、
小さく威力のあるショートを叩き込んで行く松岡。
マイジャッジは松岡1Pリードで最終ラウンドに突入。
インターバル中、静まり返る刈谷あいおいホール。
激しく高いレベルで拮抗した試合。
来たるべき最後の3分間に会場中が息を整えているように感じる。
最終ラウンド、これまで前に出ていた上村は、中間距離に位置取る。
長い左ストレートはこれまで、「力石のコピー」として築いたもの。
松岡の強打をかわしながら左ストレートを叩き込むと一気にラッシュ。
強打を連続で叩き込み、松岡が力なくコーナーまで下がったところ、
レフリーが試合をストップ。
4R 2分34秒 TKO
松岡は上村が詰めたい時に詰めさせ、上村が離れたいときに離れさせていた。
距離の主導権を上村に与え続けていたようにも思える。
そこにはどの距離でもやれる松岡の強さや器用さがあったようにも思う。
弟の松岡 陸(浜松堀内)と同じく、パンチを振り切っても、
スッともとの位置に戻る上体は一つ一つのパンチに威力をもたらす。
さらに、弟以上にシャープに相手を捉えていくことができる。
松岡は強い、だからこそこの日敗戦した。
ボクシングは対人競技であり、相手あっての戦い。
相手が何を嫌がるか、松岡の何を恐れるのか。
松岡に「試合に勝つ強さ」をもたらせる要素が沢山ある試合だったと思えた。
8/20には中日本新人王決勝のリングに上がる予定の松岡。
一回り大きくなって決戦に挑んで欲しい。
そして、激しい撃ち合いの末、最終ラウンドに戦い方を切り替え、
逆転とも見えるTKO勝ちを飾った上村。
「力石スタイル」から脱皮しようとする中、
それを捨てるのではなく、引出しとし、中間距離での戦いで見事な逆転を演出した。
これでB級昇格。
試合の面白さは格別、目の肥えたファンを楽しませられる選手にも思える。
聖地にハマる選手だろう…この先、機会があれば後楽園ホールで戦って欲しいと感じた。
【カテゴリ別】
2023年中日本ボクシング観戦記一覧に戻る
中日本ボクシング観戦記一覧一覧に戻る
カテゴリ別記事一覧に戻る
【日付別】
【記事一覧】2023年5月に戻る
コメント