2019/08/04 -愛知・刈谷市あいおいホール- ファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
【フライ級8回戦】
村上 勝也(薬師寺) vs 冨田 真(HEIWA)
日本フライ級13位
村上 勝也 9戦7勝(2KO)1敗1分
冨田 真 18戦9勝7敗2分 サウスポー
1R、前戦では長い距離からシャットアウトした村上が、どっしりと構えて足を前に進める。
足を使う冨田に対し、圧力をかけ、猛烈に攻め立てた村上の右ストレートが直撃し、
いきなり冨田が腰を落とす。
しかし、冨田も鋭く飛び込んで左ストレートを直撃させる。
村上が好戦的に前進する分、フレームで差をつけられている冨田のパンチも当たる。
しかし…終盤には冨田が入ったところに村上が強烈に右アッパーを合わせて、またも冨田が腰を落とす。
2R、下がらぬ村上と、飛び込む冨田。頭が頻繁に当たる中、冨田に注意が与えられる。
身長差、オーソドックスvsサウスポー、スタイル…頭が当たる要素が揃ってしまっている状況。
飛び込む冨田を村上が抱え込む場面が頻発したラウンド。
しかし終盤、村上が体ごと冨田を躱して拳を連続で叩きつけていく場面を作る。
3R中盤、入ってくる冨田に右ストレートを合わせた村上だが、
冨田は止まらず、村上に右フックを叩きつける。
もらいながらでも入るしかない冨田…足を止めて戦う村上。
両者殴り合いを求める中で、体で押し合う時間が長くなっていく…。
終盤、冨田は飛び込んで押し込みながらボディを叩くが、村上も右アッパーで撃ち返す。
4R、長い左フックで冨田の入り際を捉える村上。
しかし、冨田は何度も何度もアタックを繰り返し、時折左ストレートを強烈にヒットさせるが
ラウンド中盤には、ワンツースリーと長いパンチで冨田を捉える村上。
苦しい局面の中、冨田のアタックが止むことはない。
5R開始直後、飛び込んでくる冨田に村上の右が強烈に入る。
さらにカウンターの右アッパーが冨田を捉え、その後も長い距離を走る左右フックが冨田を捉える。
中盤には飛び込みながらの右フックを撃ち込む冨田だが、後続は続かず…。
バッティングでできた腫れに対してドクターチェックが入る。
続行され、終盤に入ると、距離のある所から入ってくる冨田を強烈に捉え続ける村上。
それでも冨田のアタックは止まず。
6R、近い距離で撃ち合う場面が増え、頭の衝突が増える中、冨田がバッティングによる減点。
村上は、長い鞭のようにしなるパンチで冨田の顔面を襲うが、冨田も距離が近づいた分、
細かくテンポのいいコンビネーションで村上の顔面を叩くシーンが増える。
7R、右アッパーからの左フックで強烈に冨田を捉える村上。
冨田も密着した場面では力のこもったストレート、右フックを入れて反撃する。
手の届く場所に行くしかない冨田のアタックはこのラウンドも続く。
8R、村上が下がった場面で、冨田のワンツーが村上の顔面を捉える。
村上が狙って大きくふるうパンチを外しながら、ひたすらに距離を潰していく冨田。
押し合う場面では、スッと引いてできた距離に右ストレート、右アッパーを撃ち込む村上。
冨田は強烈に顔面を跳ね上げられながら、細かく細かくパンチを当てる。
最後は、お互いにパンチを走らせるわずかな距離を作って撃ち合う中、試合終了のゴング。
マイジャッジ 79-73
公式ジャッジ 79-73×3
3-0で勝者、村上
形としては村上が前回と同じく、冨田を圧倒した形。
入りたい冨田を入らせずに…という構図も同じ。
前回と大きく違うのは、村上は足を止めて迎え撃った。
そして、冨田が腰を落とすほど強烈なパンチを浴びせる場面を何度か作った。
その分、冨田のアタックは前回よりも成功し、村上を襲う場面もあったが、
入り込まれた村上が冨田を絡めとる場面が増え、クリンチも頻発。
飛び込む冨田と頭が衝突する場面も頻発した。
村上にとっては前回の方が綺麗な試合だった。
しかし…判定で完勝した相手とのリマッチ…課せられるのはKO勝利。
足を使わずに戦った村上は、冨田が入ってくる場面を狙い続けたように見えた。
そのうえで、またも完勝…村上は強い。
これで日本王座挑戦権のある日本12位以内に食い込む可能性もある。
上位ランカーが相手でも、充分に勝負になる選手だと思っている。
なるべく早い段階で、チャンスをつかんで欲しいと感じる。
この日、中日本新人王が出揃った。
試合後には表彰式が行われる。
敢闘賞 藤田 裕崇(名古屋大橋)
技能賞 阿部 史也(タキザワ)
MVP 中村 淳希(市野)
これから、中日本ボクシングのファンの期待を背負って、
全国の地区新人王達との戦いに飛び込んでいく。
残念ながら今年はミドル級ではエントリーなし
最激戦区だったスーパーバンタム級を勝ち抜いた阿部 史也(タキザワ)は
次戦の西部日本新人王との戦いを拳の怪我により棄権となるそうだ。
西部日本にエントリーがなかったミニマム級では
丁野 拓海(中日)が不戦で西軍代表決定戦への出場を決めている。
中日本新人王達の直近はこの日と同じ刈谷で9月15日、
九州と一部中国地方で構成される西部日本の新人王達と相まみえる。
昨年、その先の西軍代表決定戦にコマを進めた中日本新人王は6人。
行われる予定となっている9試合中6試合を勝てば、昨年を上回ることとなる。
…が、もうここまで見てきたら愛着しかない中日本の選手たち。
全員勝ち抜いて欲しい思いしかない。
毎年、中日本新人王は決勝まで、ヤバイなぁ…今年は大丈夫かなぁ…なんて思っている。
でも必ず、この決勝を経て、きっとみんな全日本新人王を獲って来てくれると…。
新人王同士の争いに、自信を持ってコイツら凄ぇぞ!と送り出す思いになる。
俺たちの中日本新人王…どうか、2019年を大躍進の年として刻んで欲しいと願う。
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