2021/08/08 -刈谷・あいおいホール- 第5試合~第7試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2021/08/08 -刈谷・あいおいホール- 第5試合~第7試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

 

■中日本スーパーバンタム級新人王決勝
阿部 史也(タキザワ) vs プリンス 藤原(駿河男児)

阿部 史也 7戦4勝(2KO)2敗1分 サウスポー
プリンス 藤原 4戦3勝(2KO)1分

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藤原にとって力の差を感じた試合。
「まだ早かった」というのが率直な感想だ。
ここまで急激な成長と、備えるセンスを見せつけて駆け上ったトーナメント。
しかし、決勝で待っていたのは、中日本新人王戦全出場選手の中でも最強の一人と言える選手。

撃ち合いで五分以上に渡り合う場面はあったが、
最後はその撃ち合いの中のボディでねじ伏せられた。

ここまで辿り着くまでの成長スピードが凄まじかった選手。
この試合については、結果も内容も阿部の方が強かった。
しかし、これからのキャリアの観点から行けば、結論的なことを簡単には言いたくない。
だからこその「まだ、早かった」。

B級昇格まで、あと0.5勝。
ここをクリアしてB級戦線に挑むのか、それとも新人王戦再チャレンジか。
今後の動向も気になるところ。
今後を追いかけるのが楽しみな選手の一人だと思っている。


初回からドンピシャの左でダウンを奪いながら、無理攻めをしなかった阿部。
どっしりと迎え撃った試合展開は、安定感を増したように感じる。
不用意な被弾は圧倒的に減り、顔面を強烈に捉えていた左を最後はボディに持っていってのKO劇。

端的に表現するなら、試合運びに無駄がなくなった。
新人王の目玉と感じた昨年から、さらにその強さを増している。

数々の有望選手でも獲れなかったりするのが全日本新人王。
トーナメントという特性上、期間の短い調整や怪我との戦いもある。
それを踏まえた上でも、「獲ってきてもらわなくては困る」と感じさせる。

我らが中日本新人王として、堂々たる戦いぶりを期待したいと思う。

 

 

■中日本フェザー級新人王決勝
宮崎 裕也(薬師寺) vs 岩下 千紘(駿河男児)

宮崎 裕也 5戦2勝(2KO)2敗1分
岩下 千紘 1戦1勝(1KO)

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カウンターパンチャー宮崎、その拳をほとんど、まともにヒットさせることができず。
天才肌の岩下に逆にカウンターを合わせられ、はっきりと上回られた試合。
しかしながら、こういった試合があるのが宮崎らしいとも言える。

完敗を喫したデビュー戦、全日本新人王候補 村田 翼(和光)に失神KOを喫した試合。
以降必ず急激な伸びを見せ、過去の負けっぷりを知るファンを驚かせてきた。
完璧な負けを喫した相手に対して、たった1年でドローに持ち込むまでに伸びて来た。
そんな過去の道のりがあるからこそ、この敗戦に新たな物語の始まりを感じる。


彗星のごとく現れた今年のニューカマー、岩下。
準決勝で衝撃のデビュー戦を飾り、この試合でも
ここまで多くを積み上げて来た宮崎に付け入る隙を与えず。

今年の中日本の台風の目と言いたいところだが
天才肌とも感じるそのボクシングは、中日本の枠を超えて
全日本単位での台風の目になる存在と言ってしまえると感じる。

 

■中日本ライト級新人王決勝
山辺 蓮(市野) vs 中尾 公信(鈴鹿ニイミ)

山辺 蓮 1戦1勝(1KO)
中尾 公信 1戦1勝(1KO)

 

力の差があった試合。それに間違いはないが、中尾のタフさには驚かされた。
KOパンチを幾度も貰いながら反撃の手は緩まず、
ダウンシーンはあったものの、その後はピンピンしていた中尾。

この日登場した選手たちの中で、誰よりも歴の浅い中尾。
その分、最も伸び代を持った選手とも言える。
この試合を糧に、どんなボクサーへと成長していくか、楽しみに思っている。


しっかりと完勝してみせた山辺。
高い期待値に応えた内容だったと感じる。
デビュー戦でみせた抜群の左ストレートに加え、この試合では威力あるコンビネーションもみせた。
そしてそのコンビネーションでタフな相手に対して、チャンスでしっかりとTKOを呼び込んだ。

このタフな相手からきっちりダウンを奪ったことも、
山辺がしっかりと実力を備えていることを感じさせる。
堂々、全日本新人王候補。
この先の戦いを暴れまわってきて欲しい。

 

 

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