2019/7/26 -後楽園ホールⅠ- (中日本ボクシング観戦記番外編) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
様々な事象に追われ続ける日々、今年は遠征はなるべく西を選択すると決めていたこともあり
7月になってようやく今年初めての後楽園ホール遠征となった。
あまりにも久々の後楽園ホールにテンション爆上がりで観戦に挑む。
この日の目的は東 健史(ARITOMI)。
決してセンスに恵まれた選手ではないが、
少しずつ、少しずつ力を伸ばしながらB級昇格を決め、
さらにかさむ負けにへこたれず、敵地大阪でB級初勝利。
この日、A級昇格をかけ、敵地後楽園ホールのリングに上がる。
そして、この日は初見のボクサーも多く出場。
新たなボクサーに出会える喜びとともに、どうしても
愛してやまない中日本のボクサーのライバル探しの視点にもなってしまう。
頭の片隅に、この選手ならあの選手と戦えば…きっと面白い試合になるんじゃなかろうか…。
そんな空想も交えて…
【スーパーバンタム級4回戦】
青木 滉一(石川ジム立川) vs 小坂 和成(スパイダー根本)
青木 滉一 デビュー戦
小坂 和成 3戦3敗
1R、長い距離を維持したまま長いパンチを打ち込んでいく。
小坂はなかなか距離を詰めれない。
ラウンド終盤、なんとか相撃ちで左フックを撃ち込んだ小坂だったが
それまでに強烈な被弾を重ねてしまっている状態。
2R、覚悟を決めるように前に出た小坂。
強烈にもらいながらも距離を詰め、下がる青木と相撃ちの場面を多く作るも
何かをもらったか…角度的には良くわからなかったが、後退する小坂。
追いかけた青木がコンビネーションをまとめると、
小坂は手を返せず、レフリーが試合をストップ。
TKOタイムは2R 37秒
なかなか完成度の高かった青木、仕留め所も見逃さず、
的確にコンビネーションをまとめた姿に今後を期待させてくれる選手。
中日本で素材の良さを感じさせる、樋口 怜良(ARITOMI)との対戦などあれば
ワクワクさせてもらえそうだ。
小坂は結果的には完敗…しかし、スピード差があり、詰めれない1Rから局面を打開しに行った結果。
ずるずる負けるか、勝負をかけるか…勝負をかけるべきときにしっかりとかけたように見えた。
これでデビュー4連敗。
だけどあきらめるのはまだ早い。
中日本には同じくデビュー4連敗から日本ランカーになった選手もいる。
この日、勇敢な選択を見せた未勝利選手…戦う男として、大切なものはしっかり持っている。
【バンタム級4回戦】
西峯 勇人(角海老宝石) vs 松井 洋太(三迫)
西峯 勇人 デビュー戦
松井 洋太 1戦1勝
前傾でどっしり構える松井に対し、ジャブを丁寧に突きながら回る西峯。
序盤、力を込めて振るう松井のパンチが西峯を捉える…特にボディは強烈。
しかし、中盤には西峯が左フックを引っ掛ける場面も…。
終盤にはお互いのカウンターが交錯。
3分間の中に、西峯の時間、松井の時間が混在する拮抗したラウンド。
2R序盤、西峯の左ジャブ、左ボディが幾度も松井を捉える。
松井は重たいジャブで西峯の顔面をずらし、
中盤には強烈な左ボディをやり返してみせる。
終盤には撃ち合いの中、西峯がワンツーを突き返す。
丁寧に丁寧にジャブから繋げていく西峯。
重たくボディをえぐる松井…。
3R、圧力を強めた松井が西峯を押し込むかと感じたところで
西峯の右ストレートがカウンターで炸裂。
後退した松井を追いかけながら、西峯は怒涛のラッシュを展開。
松井が絶えながら、撃ち返すパンチは西峯にカウンターとして突き刺さるが
西峯は意に介さず、この勝負所に全てをつぎ込むかのように撃ち込み続ける。
なんとか手を返して耐え続ける松井に、徐々に西峯は消耗し始めるが…
コーナーに詰まったところで、手が返せなくなった松井をレフリーが救出。
もうあとわずか…耐え切れれば、西峯の撃ち疲れは必至。
紙一重の試合だったようにも感じるが、そもそもあそこまで撃ち続けられた西峯に驚かされた。
延々と続くラッシュで、押し切るようにTKOを呼び込んだ西峯。
普段の努力をリングで見せ付けたようにも感じる。
まさにナイスファイト。
互角の展開の中で、たった一発で試合が決まってしまった試合。
そしてさらに、その後、逆転の匂いさえ感じるところまで耐えた松井。
繰り返すが、この試合は紙一重だったと感じる。
一瞬のチャンスを手に入れ、それを勝利につなげた西峯が素晴らしく、
決して松井が弱かったわけではない。
僕が今年の中日本新人王候補に推していた
安西 蓮(岡崎)との対戦を見てみたいようにも思えた。
【フェザー級4回戦】
川田 和輝(ライオンズ) vs 一道 宏(T&T)
川田 和輝 デビュー戦
一道 宏 1戦1分
フレームの一回り大きな一道に、距離を潰して突っ込んでいく川田。
スウェーで外した一道が、左フックを強烈に撃ち込むとあわやダウン奪取かと思われた場面…
バランスを崩しながら撃ち返して一道を捉え返す。
そのまま詰めて詰めてのガムシャラな攻撃の中、右ストレートを突き刺して川田がダウンを奪取。
再開後、またも攻め込んできた川田に、仕切り直した一道が
右をカウンターで突き刺してダウンを奪い返す。
再開後も、攻め込む川田だったが、一道が落ち着いて右のカウンターを突き刺し
川田が後ろ倒しに綺麗に倒れたところでレフリーは試合をストップ。
TKOタイムは1R 1分19秒。
フレームもスピードも一道が上…その差を埋めるべく
突貫小僧のように突っ込み、先制のダウンを奪取した川田。
利点と欠点をしっかりと把握してつかんだチャンスだったようにも思う。
しかし一道は、一度目のダウンで逆に落ち着きを見せ、
逆転のTKO勝利に結びつけた。
4回戦のダウンは致命的だ…
まさに、絶体絶命の状況だったにも関わらず、しっかりと仕切り直した一道。
並みの選手なら、再開後もそのまま飲み込まれていたように感じる。
川田はやるべき事をしっかりやり、そしてそれを成功させ、勝利目前まで近づいた。
しかし、一道がそれを上回った…強さを感じる試合だった。
この両者のどちらかと、右ストレートの切れ味鋭い中野 精(杉田)が対戦したらどうなるだろう…。
いつか交わって欲しい思いが強く沸いた。
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