2023/5/21 -愛知・パロマ瑞穂アリーナ- 第1試合~第3試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
【51.5kg契約4回戦】
坂井 涼(畑中) vs 久郷 舜平(天熊丸木)
坂井 涼 3戦2勝1敗
久郷 舜平 1戦1敗
久郷のパンチをしっかりガードで受け止める坂井。
早い段階で距離を掴むと、久郷のボディに強烈にパンチを差し込む。
体を折った久郷に、パンチをまとめる坂井。
坂井のスピードに、久郷のパンチはワンテンポ遅れて放たれる。
ただ、強烈なボディを撃たれながら返すフックだけは当たる。
強烈に腹をエグられながら、フックで捉える展開を繰り返す。
被弾を積み重ねながら…
3Rにはジャブに合わせた強烈な右フックもヒットさせた久郷。
一方的な展開の中の一撃に、会場からはどよめきも。
ただし、そこからキュッと引き締めたようにも見える坂井。
4R、坂井が一気に攻勢に出てパンチをまとめていくが、
久郷も抵抗し、しっかりパンチを返して止め所を作らない。
しかし…積み重なる被弾にレフリーが久郷を救出。
TKOタイムは4R 1分19秒
「坂井が強い」と断言していたはずの丸木会長が自分の選手をぶつけた意味。
なんとなくわかるような気がした。
中日本のフライ級4回戦では相手がいないと言われて違和感のない坂井に対し
久郷はしっかりと可能性を見出していた。
結果としては坂井の圧倒的なTKO勝利。
坂井が強かった。
それは、久郷が坂井にはっきりとした抵抗を見せたことで、
より際立ったようにも思える。
坂井の次戦は中日本・西部日本新人王対抗戦。
エントリー1名での獲得ではあるが、中日本新人王として、
各地区新人王に挑んで行くことが決まっている。
今年こそ全日本新人王へ…その力は充分にある。
そして、久郷は力及ばずだったものの、
プロの世界でゾクゾクさせる試合を産み出していける選手だと感じた。
まだまだここからも伸びてくるはず。
両者の今後を楽しみにしていたい。
【53.0kg契約4回戦】
坂本 航太(駿河男児) vs 小島 辰哉(杉田)
坂本 航太 1戦1敗 サウスポー
小島 辰哉 デビュー戦 サウスポー
足のテンポも、パンチのテンポもいい坂本。
躍動感たっぷりにリングを大きく使い、出入りを繰り返す。
小島は入ってくる坂本のパンチをガードで受け止め、迎え撃つ形で坂本を捉えていく。
2Rに入ると、小島の方が前に出始めるが、展開としては変わらず。
ここまで、どちらに採点が振れるか、見方によっては微妙に思えた。
坂本のパンチを丁寧にガードしている小島が、迎撃のパンチでポイントを取っているようにも、
また、躍動感たっぷりに出入りする坂本がポイントをピックしているようにも…。
3R、微妙な試合展開の中、出入りする坂本に小島の右ショートが強烈にヒット。
試合が至近距離での展開になると、ショートの的確さで小島が上回っていくように見える。
坂本が効かされて体を預ける場面が目立つ。
最終ラウンドも、両者前に出る展開の中、効かせる場面を多く作った小島が優勢か。
マイジャッジは 40-36 小島
公式ジャッジ
39-37 坂本
38-38×2 ドロー
序盤、微妙に思えた2Rを小島に振った結果、マイジャッジはフルマークとなった。
微妙なラウンドが続けば、接戦でも大差になるもの。
競ったラウンドが逆につけば、敗戦にもなり得るのがラウンドの少ない4回戦。
小島の丁寧なガードが引き起こした展開だったようにも感じた。
明確なヒットの数がもっと多ければ、坂本はもう少し安全に戦えた可能性もある。
そして、出て来た坂本を迎え撃ったショート。
しっかりと威力があり、坂本が腰を落とす場面を作った。
巧さも引出しも坂本の方があったように思う。
少し動きすぎているようには見えたが、そこのペース配分は
プロでの経験値がかさめば改善されるように思う。
逆に小島は腰の位置が高く、どこかぶきっちょにも思える。
動きのキレなど、ぱっと見では坂本が圧倒するようにも思えた。
それだけ坂本はいい動きを見せていた。
しかし、実際に拳を合わせればそうはならないのもボクシング。
丁寧なガードで坂本を前に出して、ショート。
まだまだ持ち得る武器の数は少ないが、それを最適化してこの日のドローを演じたように見えた小島。
相手のパンチにしっかりと反応したブロッキングからは反応の良さが見て取れた。
まだまだ下半身の強さに課題を感じるが、
もっと体がしっかりしてくれば、しっかり結果を残していくようにも思える。
強くなりそうな選手を見つけた。
前座から見て行く喜びの一つを感じている。
【54.5Kg契約4回戦】
中本 豊(結花) vs 樫谷 樹歌(タイガーウイング)
中本 豊 8戦3勝(3KO)4敗 サウスポー
樫谷 樹歌 3戦2勝(1KO)1敗
中本が前の手を突き出し、しっかりと距離を維持してリングを旋回。
接触が少なかった1R、
樫谷は距離が遠いまま1Rを終える。
2R、前に出て来た中本に対し、迎え撃つように強打を叩き込んで行く樫谷。
サイドに飛んでのショートを撃ち込むと、中本が前のめりに手を突くダウン。
3Rも前に出る中本を強烈に捉えながらサイドに飛ぶ樫谷の展開。
しかし、中本は止まらず…徐々に徐々に樫谷が中本を持て余すように感じる。
4Rには中本がしっかりと詰めて撃ち合いに引きずり込む。
樫谷が巻き込まれた展開のようにも思えたが、ここでの撃ち合いでも
決して撃ち負けることはなく、ドロドロの展開になりながらも互角の内容で試合終了のゴング。
マイジャッジは39-36 樫谷
最終ラウンドは互角だった分、樫谷を自分の展開に引きずり込んだように見えた中本に振った。
公式ジャッジ
39-36×2
40-35
3-0 樫谷
試合としては樫谷の圧勝だったと思う。
その強さをしっかりと見せつけてくれた。
威力のあるパンチを叩き込みながら、サイドへサイドへ飛んだ。
8/20に予定される中日本新人王決勝戦への期待値も上がったように思える。
最終ラウンドは中本の圧力に巻き込まれたが、
ここについては、中本の馬力を褒めるべきだと感じる。
見る限り、まだまだいけたようにも見えた中本。
もう少し早く仕掛ければ、巻き込む展開ももう少し早く訪れたかもしれない。
序盤のアウトボクシングが悔やまれるようにも思えるが、それも結果論。
6R、8Rになったとき、このボクシングができれば、相手にとってもかなりやっかいなはず。
B級昇格まであと1勝。
ライセンスのグレードを上げて、また中日本のリングに登場して欲しい。
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