2023/5/21 -愛知・パロマ瑞穂アリーナ- セミファイナル・ファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2023/5/21 -愛知・パロマ瑞穂アリーナ- セミファイナル・ファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

 

 

【52kg契約8回戦】
畑中 建人(畑中) vs チャワドン・ムアンスック(タイ)

畑中 建人 13戦13勝(9KO)
チャワドン・ムアンスック 5戦5勝(2KO)


日本のリング初登場のチャワドンは少し体が小さく見えるがヤル気はばっちり。
柔らかくリングを周りながら鋭くジャブを飛ばすチャワドン。
緊張感の高い静かな1R、終盤に畑中がカウンターを突き刺しロープまで吹っ飛ばす。


2Rに入ると、チャワドンのジャブのタイミングを掴んだか、
撃ち出しに次々とカウンターを合わせていく畑中。
ジャブが減り始めるチャワドンだが、不意を突いたタイミングで
左ストレートを飛ばして畑中の顔面を捉えるタイミングを作る。


3R、畑中が低く入ろうとするところにしっかり力のこもったフックを撃ち込むチャワドン。
畑中は入って強烈なボディを突き刺して見せる。

終了は突然、鋭く踏み込んでボディからの右フック。
なんとか立ち上がって、続行の意志を見せるチャワドン。
再開後、右ボディを突き刺し2度目のダウン。

必死の形相で立ち上がったチャワドンだが、ファイティングポーズは取れず。


KOタイムは3R1分24秒

 

畑中がしっかりと力の差を見せて、仕留める場面で仕留め切った。
ジャブの撃ち出しを捉えていった場面には驚いた。
モーションを読み切っていないとできないことに思える。
たった3分少々でそれを成してしまった。

勝利者インタビューでは年内にタイトル挑戦の力強いコメント。
次になるか、次の次になるか…。
JBCが承認する日本、WBO-AP、OPBFの3王座とも強い日本人が君臨している。
来るべき時が来る…そう感じさせる勝利だったようにも思える。


チャワドンはしっかりと勝つ意志を持ってやってきた選手。
ただ、日本1位の畑中と勝負論で語れる選手ではなかったように思う。
役不足感を感じてしまったのも、畑中の強さあってこそに見えた。

今回が初の日本での試合、どんな選手か謎の状態ではあったが、
例えばノーランカーであったり、6回戦の選手にあてたときにどうなるか。
恐らくいい試合を演じてくれるのではないかとも思えた。
そういったカードでもう一度見てみたい。

 

【52.6kg契約10回戦】
田中 恒成(畑中) vs パブロ・カリージョ(コロンビア)

田中 恒成 19戦18勝(10KO)1敗
パブロ・カリージョ 38戦28勝(17KO)8敗2分


フェイントをかけ合い、田中が鋭くジャブを飛ばす緊張感の高い立ち上がり。

2Rには田中が撃ち下ろしで強烈に捉える場面を作る。
田中がジャブを重ねていく中、ラウンド後半に入ると
カリージョが右アッパー、カウンターの右で田中を捉える。

ジャブとボディを重ねていく田中に対し、カリージョはほとんどジャブを飛ばさず。
手数で下回る状況だが、田中の右に対してカウンターを合わせて行く。
序盤からポイントは捨てているか、カウンターでの一撃を狙い続けているように見える。

対して、田中は右をほとんど撃たず、リスクのあるパンチを捨てているか、
左とボディで試合を組み立てていく…カリージョは
田中のボディで体をくの字に折る場面を見せ始める。


後半に入った6R、攻勢を強めた田中が、力強いショートで効かせ始める。
試合が一方的になっていくなか、カリージョがまぶたをカット。


7R、右ストレートを強烈に突き刺すも、返す刀の右でカリージョが捉え返し、
ここまで撃ってこなかった右のオーバーも強烈に田中を捉える。
カリージョがここに来て世界ランカーの底力を発揮。


8R、カリージョがふら付く場面、パンチを纏めて行く田中。
見切ったか、タイミングが徐々にスリリングになっていく。

先程のラウンドでヒットさせた右オーバーを振るうカリージョだが、
もう田中はそのパンチを食わない。


インターバル、ドクターがコーナーに上がってカリージョの傷をチェック。
被弾重なるカリージョのダメージもチェックしたか、KO決着への機運も漂う。


9R、撃ち合いの頻度が上がる中、カリージョの右アッパーが
田中を捉える場面はあるものの、田中がスピードで圧倒。
次々にコンビネーションを叩き込み、ダメージを蓄積させていくが、
ラウンド終盤にはカリージョがパンチを纏める。

最終ラウンド、打撃戦へとなっていくが、スピードで上回る田中がカリージョを圧倒。
これまで以上に際どいタイミングで勝負する中、狙いすました右をカウンターで叩き込んだ田中。
意識を飛ばされたように前に崩れたカリージョ、なんとか踏みとどまった瞬間、レフリーが割って入る。


TKOタイムは10R 2分43秒

 

敵地の不利がそこに存在するかどうかはふたを開けてみなければわからないもの。
母国以外のリングにも多く立ち、世界トップ戦線を戦って来たカリージョ。
序盤から割り切ったように田中の右に合わせて振るって来た。


この日の田中の左はかなりキレていた。
右を極端に減らしてリスクを削っても、世界ランカーを圧倒した。
そして最後にはギリギリのタイミングを攻めてのTKO。
仕留めた右は見事なカウンターだった。

少し重たさを感じたこれまでの戦いとは変化し、
4階級制覇に向けて、体も出来上がっていた印象を受ける。
いよいよ…そう考えていいのではないだろうか。

世界戦の防衛戦でおかしくないカードを4つクリアしている。
あとは、実際にベルトを持つものに勝てるかどうか。
世界ランカーと世界王者はまた違うもの。
それは、3度もベルトを巻いた田中自身が体現している。

 

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