2022/11/27 -富山・富山産業展示館テクノホール- 第3試合～セミファイナル(中日本ボクシング観戦記)　ボクシング選手名鑑ピックアップ！

【スーパーバンタム級4回戦】
島史来(トヤマ)　vs　山崎元裕(升田)

島史来　3戦2敗1分
山崎元裕　2戦1敗1分

入るタイミングを伺う山崎に対し、しっかりと距離を維持しながら
狙いすましたような右でダウンを奪った島。
再開後、踏み込んで来る山崎を左右フックで迎え撃って左でダウンを奪う。

それでも立ち上がり、果敢に撃ち合いに挑んで来る山崎に応じ、
最後は山崎の手が出なくなる中、一方的に拳を撃ち込んでのTKO。

島にようやく結果がついて来た。
北陸の激闘派、渡辺大和(カシミ)に引分けるまでに力を伸ばしていた島。
あとは勝つだけだったところでの完勝劇。
「着実に力はつけている」と言って来た自分の言葉を
証明してくれたように感じて嬉しくてたまらない。

自信がつけばもう一伸びあると感じている。
来年の戦いぶり、引き続き注目して行きたい。

敗れた山崎だったが、1度目のダウン以降、足は前に出続けた。
手が出なくなってのTKOだったが、ロープに詰められたわけではない。
リング中央で、手は出ずとも前へ前へ進みながらストップの声を聞いた。
誰しもにできることではない。

この試合は力を出し切れた試合ではなかったと思うが、
「升田ジムの激闘王」と言われる断片は見せた。
きっといつか観客席が揺れるような試合を残してくれる選手だと感じる。

【スーパーフェザー級4回戦】
深田翔也(トヤマ)　vs　早川遼太郎(升田)

深田翔也　4戦2勝2敗
早川遼太郎　デビュー戦

前後の距離で相手のパンチを遠ざけた序盤の深田。
早川が圧力を強めると、今度は体を入れ替える動きでかわし、
終盤には前の手を引っ掛けてサイドへサイドへ…。

複数のパターンを小出しにして相手に慣れさせる時間を与えず。
ファイトする時間を極力減らしてのアウトボクシングで深田が勝利。
見事な試合巧者っぷりだった。

自分の距離での戦いを封じられた早川だったが、
強引に詰めて右を撃ち込んで効かせる場面を何度か作った。
クリンチにからめとられてしまったが、ノーチャンスの試合ではなかったように思う。

深田は試合を作っていく能力が飛び抜けた選手。
デビュー戦からそんな相手に挑み、あわやの場面も作ってみせた。
充分に今後が期待できる内容だったように感じる。

石黒紗良　デビュー戦
安久夏実　2戦2敗

約4年ぶりに見た安久は以前とは別人の強さ。
出しているパンチの種類はそう多くはないが、
左ストレートにはスピードも、威力もあり、しっかりと武器になっている。
敗れはしたものの、力があることは証明した。
あとは結果が出るのを待つだけだ。

この日の”強くなった”安久に勝利を挙げた石黒、強い選手だと感じた。
デビュー戦の固さもある中で、カウンターで安久の顔面を何度も弾いた。
また一人、中日本の女子ボクシングに面白い選手が登場したように思う。
今後、他の中日本選手と絡んで行くところも見たいように思う。

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