中日本、今年最後の興行となった12月2日。
今年も素晴らしい試合がたくさんあった。
新しい戦士たちが何人も現れ、そして何人もがリングを去った。
去って行った選手に対して、いつか戻って来るかも…そんな期待を抱きつつ、お疲れ様の思いも抱きつつ。
この日の前日、東京で伊藤 為治(浜松堀内)が…大阪で伊藤 仁也(三河)が、
敵地で飛び切り強い相手に敗れた。
伊藤 仁也は引退だそうだ。
4回戦から見ていた選手の引退は、やはり胸に来る。
「仁也は特別」。
そんな僕の言葉は、彼がA級へと登り、王座が設置されてから初となった
中日本同士の日本級ユースタイトルマッチを戦ってくれたことで証明されたように感じる。
試行錯誤の時期もあったように思う。
充分に力がありながら、中日本新人王を獲り逃し、3連敗も経験。
その後、復活するように3連勝…。
流れてしまったけど、一度は決まった田中 裕士(畑中)との試合。
未だに見てみたい思いが消えない。
今年は3/31の名古屋国際会議場と興行が重なった浜松アクトのみ観戦できず。
可能な限り、中日本で行われた興行は全て観戦に行けた。
元々はこんな予定ではなかった…「愛知県と岐阜県は全部行こう」。
その程度に思っていたのだが…三重を皮切りに、静岡、そして石川、富山と飛び回った。
さらには大阪から、そのまま神戸…なんて梯子観戦もした。
岡山にも行った…全て濃厚な思い出となっている。
お陰で、後楽園ホールの観戦は4回のみ。
しかし、そのおかげで、後楽園ホールを中心にまわっていると思っていたボクシングが
決してそうではないと…新たな価値観を強く感じ取ることができた。
東京に行くたびにサブカルチャーの聖地でボクシンググッズを取り扱う
「中野ブロードウェイ3F go-rock」に顔を出し、
大阪に行くたびに友愛亭でラーメンを食べた。
ファン同士の横のつながりを全く持っていなかった為、いずれも知らなかったボクシングファンの名所だ。
色んな人に、色んな楽しみ方を教えてもらった。
「ボクシングフリーペーパー WIN」に寄稿もさせてもらった。
心の底から嬉しかった。
JBC管轄外のボクシングにも触れ、その面白さに魅了された。
2人の元世界チャンピオンとご飯も食べさせてもらった。
スケジュール的にかなり無理をした1年だったが、得たものは数多かった。
中日本最後の興行で、僕の今年の観戦スケジュールも終わりにしよう。
最後の最後…中日本の人気選手たちが数多く出るカードにワクワクしながら準備を整える。
この日は原付で最寄りの地下鉄の駅まで出て、バスを使わずに電車移動。
少し早めに刈谷駅に到着し、近くのラーメン屋で昼食をとる。
会場前で顔見知りと少し会話をしていると、予定より早く開場。
会場内に入って、最初に浜松堀内ジムの選手の控室へ向かい、
ジムの方に古俣 諒(浜松堀内)宛の激励賞を渡す。
この日の対戦相手は阿部 史也(タキザワ)。
彼にも以前激励賞を渡させてもらった。
どちらも好きな選手…というか、刈谷のリングに上がる選手は好きな選手だらけだ。
どっちを応援すりゃいいだよ的カードで溢れかえっている。
コウモリ野郎と思われるかもしれないが仕方ない。
好きなんだから…。
先週、棄権した曽根 光輝(浜松堀内)。
先週の興行で彼に渡そうと準備していた封筒も、一緒に手渡した。
棄権した選手に激励賞…出していいものか迷ったが、「気持ちのものだから」と思い、渡すことにした。
「次、頑張って欲しい」と伝える。
試合のキャンセルは、対戦相手に大きく迷惑のかかることだが、
インフルエンザの体でリングに上がられるよりいい。
もう1週間前の、過去のこと。
次に向かってくれることを願って応援するのは、何も悪いことじゃない。
用件をすまし、会場のいつもの定位置へ。
「後楽園ホールは日本一見やすい」と言われるが…。
刈谷あいおいホールも負けず劣らずだと思っている。
何より、バルコニーがとても広い。
最近、バルコニー観戦組が増え…そこには多くのファンが手すりに群がっている。
以前からこうだっただろうか…少しだけ、中日本の観戦光景にも変化を感じる。
ここでいつもの
自分はファンではあるが、熱狂的なマニア程の肥えた目を持ってはいない。
自分より凄いと思えるファンはそこらじゅうに転がっている。
そして、TVで観戦するのとは違い、1つの角度しか見れず、スロー再生もない。
レフリーで隠れたタイミングでパンチが入っても気付けないし、かなり離れた自由席での観戦。
ここに書く内容に誤りが多分に含まれることもある。
先に言い訳をしておきたいわけではなく、そういうものだと言っておきたい。
同じ試合を見ていても、違う感想を持つファンもいるわけで…。
ここに書いたことが正解ではないと…。
それだけは認識したうえで、読み進めていただきたい。
眞野リングアナの声が響く。
やっぱり中日本の興行は、この人の声がいい。
僕が一番好きなリングアナの声。
東京からリングアナが来ることも多いが…。
一番多く、中日本のリングで選手をコールしているのはこの人だ。
だから、選手をよく知っているように思える。
でも、勝利者インタビューでは余計なことは言わない。
最低限の言葉で選手により多くしゃべらせる。
不慣れな選手が詰まれば、助け船を出す。
この人のリング上の立ち振る舞いは、裏方の美学に溢れている。
聞き慣れた、心地いい眞野アナの声で選手がコールされる。
さぁ、今年最後のボクシングだ。
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