2017/7/16 刈谷あいおいホール-見どころ(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
さて、本日は7/16に刈谷あいおいホールで開催される
薬師寺ジム興行の「SPLENDID BOXING」の見どころ紹介。
最近は昇り調子の薬師寺ジム。
強豪選手が続々と産まれてきていますが…
先日、ちょっとした事件が…。
なんと、薬師寺ジムの選手たち二名に…突如リングネームが付けられるという…
しかも…
佐藤 政法が力石 政法
中山 和則がマンモス 和則(薬師寺)
売り出し中の矢吹 正道と併せて、明日のジョーを意識でしょうか。
本人たちの心中はいかに…
しかしまぁ、僕というファンにとっては嬉しいところ。
後楽園のファンと話すときに、「名古屋に力石っていてさ…」
なんて言ったら一発で憶えてもらえそうでしょ?
薬師寺会長の行き過ぎた悪ふざけの気もしないでもないけれど…
うん…まぁ…僕は喜んどこうと思います。
——
【スーパーライト級4回戦】
土井 栄一(倉敷守安) vs 片岡 晃誠(蟹江)
・土井 栄一 2戦1勝1敗
土井は初の遠征。
中国地方を拠点に戦うボクサーの為、初見。
デビュー戦ではダウンを2度奪って敵地での判定勝利。
今年の西日本新人王戦にはスーパーライト級でエントリーするも
1RKOで敗れている。
・片岡 晃誠 デビュー戦
迎え撃つ片岡はデビュー戦。
あまり情報を得られていないが、それはつまり新しいボクサーを知れるということ。
1試合目から楽しみにしたい。
【スーパーバンタム級4回戦】
後藤 憬(中日) vs 桐林 迅児(HEIWA)
・後藤 憬 4戦1勝3敗
今年の中日本新人王戦はスーパーバンタムでエントリーし、惜しくも1回戦で敗退。
初回にダウンを奪われたことが響いて接戦を落とした。
相手の干場 悟(タイガー)はいち早く今年の中日本新人王を決めている。
この選手の負け試合、全て見ているけれど、
いつもいい選手相手に接戦で星を落としている。
ショートの回転もいいし、カウンターも撃てる。
後藤自身がいい選手なのは間違いないだけに、黒星先行が不思議なほど。
そして…今回もまた、相手はかなりいい選手。
・桐林 迅児 2戦1勝(1KO)1敗
こちらは今年の中日本新人王バンタム級で1回戦敗退。
僕はこの選手をバンタム級の優勝候補に挙げていた。
ガードの巧さが光る選手。
デビュー戦では今村 太秋(緑)を圧倒した姿に衝撃を受けたが…。
ヤノ ジョン(駿河男児)とぶつかった中日本新人王1回戦で
スリリングな撃ち合いを展開してスプリット判定の末敗北。
デビュー戦と比べて、バランスの悪さが目に付いたが…
果たして修正されてきているのか…今後が楽しみな選手なだけに気になるところ。
【56Kg計約4回戦】
太田 奏人(中日) vs 甲斐 貞行(HEIWA)
・太田 奏人 デビュー戦
・甲斐 貞行 1戦1分
デビュー戦は豊島 竜樹(伊豆)との中日本バンタム級新人王準々決勝。
スピードに乗った展開からカウンターを撃ち合い、
最後は猛烈な殴り合い…と、豊島との大激戦を演じた。
結果は1-0の判定で引分。
引分けと付けたジャッジが2者とも豊島に優勢点を付けた為、
新人王は敗退となってしまった。
しかしながら、豊島の将来にかなり期待している自分。
お互いデビュー戦の中、豊島と実力拮抗の引分を演じた甲斐を
かなりの実力派だと見ている。
【48Kg契約4回戦】
村松 政実(松田) vs 冨田 真(HEIWA)
・村松 政実 6戦4勝2敗
2連勝のあと、負け越しだった井上 ヨシアキ(三河)に連勝を止められる。
井上は13戦3勝(1KO)9敗1分と大幅負け越しの選手ながら、リーチのあるやりづらい相手。
しかし、そこからリベンジマッチで、1勝1敗とすると、
さらにラバーマッチが行われ、村松が勝利。
B級昇格の権利を得る4勝目を挙げた。
それから1年、空白を開けてこの試合に挑む。
・冨田 真 11戦4勝5敗2分
BoxRecの戦績には誤りあり。
水谷 流(トコナメ)との対戦がBoxRec上は勝ったことになっているが、
この試合ではダウンを奪われた末の負傷判定で敗北。
2016年の中日本ミニマム級新人王決勝となっており、
勝者の水谷が西軍代表戦に進んでいる。
前戦は6回戦のリングに登場し、日本ランカーの戸谷 彰宏(蟹江)と対戦。
戸谷とは3度戦い3度目の敗北となったが…
採点以上に拮抗した試合内容。
リング上を湾曲する独特のフットワーク…
あれが見れると思うと背筋がゾクゾクする。
彼の試合はできるだけ高い位置から見たい。
この二人の試合…できれば6回戦で見たいんだけど…。
1回の興行ではラウンド数に上限があったはず。
その影響か、少し残念ながら4回戦での試合となっている。
【バンタム級6回戦】
伊藤 仁也(三河) vs 中野 ウルフ(橋口)
・伊藤 仁也 8戦4勝3敗1分
中日本新人王準優勝の伊藤。
前戦では関東の強豪、定常 育郎(T&T)を相手に悔しい敗戦。
点差は離れていたが、決してノーチャンスの一戦ではなかった。
こういった試合のあとは、ボクサーとしての別れ道になることが多い。
モチベーションを上げてくるのか、下げてしまうのか…。
伊藤にとっては超重要な一戦に思える。
この夏、大注目の日本ユース王座に挑む中村 祐斗(市野)とは1勝1敗。
早く追いついてラバーマッチを実現してほしい。
・中野 ウルフ 10戦3勝3敗4分
勝ち負けを繰り返しながら、A級昇格まであと1勝。
橋口ジムのある鹿児島を中心に九州のリングを拠点に活躍し、今回が初めての名古屋登場。
6回戦のリングに登場してから1勝1敗。
相手はいずれもA級昇格の権利を手に入れている選手。
前戦ではダウンを奪っての判定勝ち。
勢いに乗って敵地でのA級昇格を決めれるか…。
【56.5kg契約6回戦】
佐伯 瑠壱斗(岐阜ヨコゼキ) vs メンドサ・ケビン(駿河男児)
・佐伯 瑠壱斗 6戦5勝1敗
デビューから各方面でその実力を高く評価された佐伯。
昨年の新人王では西軍代表決定戦まで勝ち上がるも…
全日本新人王を獲得する岡本 文太(井岡)にダウンが響いての判定負け。
後半盛り返した姿からは、あと一歩と言いたくなる試合。
前戦は2016年中日本新人王vs2015年西日本新人王
金井 隆明(ロマンサジャパン)との対決。
際どい試合だったものの2-0で判定をモノにして、A級昇格に王手。
強豪との対戦が続く中、またもや相手は強豪。
・メンドサ・ケビン 7戦4勝(1KO)2敗1分
2015年の中日本新人王。
ペルー生まれのメンドサはモーションの小さなストレートが武器。
佐伯とは2016年の新人王準決勝で対戦しており、敗北。
リベンジマッチは中日本新人王対決となる。
【スーパーフェザー級6回戦】
今井 勝典(ワタナベ) vs 今田 雄大(蟹江)
・今井 勝典 16戦5勝8敗(1KO)3分
負け越し戦績だが、既にA級のリングにも上がっている選手。
途中、3年ほどのブランクを作ったこともあり、もうベテランの域に入る。
ランカー挑戦も一度経験。
過去には韓国遠征も経験している。
敵地名古屋で勝って、またランカー挑戦を叶えたいところ。
・今田 雄大 9戦5勝(3KO)2敗2分
昨年の中日本新人王。
西軍代表決定戦でアマチュア戦績豊富な澤井 剛志(グリーンツダ)に敗北。
拮抗した展開の中で、レフリーストップで終わった悔しい一戦。
この試合が初めてのB級のリングになる。
東京のボクサーに中日本の凄さを見せつけてくれ!
そんな思いの一戦。
【フライ級6回戦】
村上 勝也(薬師寺) vs 山本 大智(KTT)
・村上 勝也 7戦5勝(1KO)1敗1分
昨年の中日本新人王MVP。
西軍代表決定戦で藤本 耕太(江見)に敗北。
藤本はこの試合で敢闘賞を受賞している。
前戦では勝江 仁(高砂)にリーチ差を生かしてロングレンジで完封。
フルマークの判定勝利を飾った。
A級昇格を決めれば…彼のボクシングが後楽園でどれだけ通用するか見てみたい。
そんな夢を描けてしまう選手。
・山本 大智 12戦5勝(3KO)6敗1分
後楽園以外での試合は初。
あと1勝でA級昇格となる。
前戦では垣永 嘉信(帝拳)に敗北。
現在連敗中だが…敵地での連敗脱出なるか。
お互いに勝った方がA級の権利を得られる1戦。
立ち止りたくない村上に、背水の山本。
シビアな略奪戦の匂いが香る。
【56Kg契約8回戦】
濱口 人夢(市野) vs 深蔵 和希(HEIWA)
・濱口 人夢 10戦5勝3敗2分
引分けを挟んで3連勝中。
名古屋のリングは1年半ぶり。
見ているものを熱くする好戦的な姿。
各年の中日本新人王と立て続けに戦い、いずれも引分でB級昇格。
さらにB級昇格後は連勝でA級へ登って来た。
B級昇格直後は戦績イーブンだった選手が
ここに来て急に注目株になっている。
勝ち続けることができるのか…。
・深蔵 和希 24戦10勝(4KO)12敗2分
A級昇格後、3連続のランカー挑戦に失敗。
しかし、久々のノーランカーとの試合となった前戦。
久保田 祐介(岐阜ヨコゼキ)と負け越し戦績同士の戦いとは
思えないほどのハイクオリティな試合を演じ、
右のショート一撃で久保田を失神させた。
今度こそのランカー挑戦に期待している分、
負けて欲しくないノーランカー対決。
【スーパーフェザー級6回戦】
力石 政法(薬師寺) vs リー・サヤ(韓)
・力石 政法 デビュー戦
B級デビューを飾る注目株。
また、薬師寺ジムから意気の良さそうな選手が登場する。
三重の北星高(通信制)でアマチュア実績を積んでプロ転向。
果たしてどれほどの力なのか…。
昨年同じようにセミファイナルでデビューした森 武蔵(薬師寺)は
名古屋のホープとして広く認知され始めた。
同じく、ボクヲタの視線を集めることができるか、まずは確認作業。
・リー・サヤ 不明
はっきりした情報が見つからず。
昨今、衰退した…なんてイメージのある韓国だが、
人材は絶えておらず、アマチュアに流れている様子。
アマチュア国内王者になれば、年収1000万程度が保証されるそうな…。
リーがどれ程の選手かは解らないが、アマチュアから流れて来たような選手であれば怖い相手。
実際、日韓対抗戦と銘打たれた昨年の名古屋国際会議場での興行。
抜群に強い韓国人選手に、日本勢は1勝2敗と負け越すことになってしまっている。
「名前がない、情報がない=弱い」ではないのである。
もちろん弱い可能性もあるけれど…期待しておこうと思う。
【フライ級6回戦】
矢吹 正道(薬師寺) vs 平井 雅樹(宮崎ワールド)
・矢吹 正道 5戦4勝(4KO)1敗
勝った試合はすべて1RKO。
昨年の西軍代表決定戦でMVPを獲得。
全日本新人王戦では東日本新人王MVPの中谷 潤人(M.T)と対戦し、MVP対決として話題を呼んだ。
世界さえ期待される中谷に敗北するも、”真剣の切り合い”と表現された緊張感あふれるその試合は
後楽園の玄人ファンたちを充分に満足させた。
中谷は日本ユース王座決定戦に出場予定。
相手はユーリ阿久井 政悟(倉敷守安)。
将来の世界王者候補同士の一戦に、注目が集まっている。
中谷に敗れたことで、ホープ同士の大戦争から脱落したような形の矢吹。
しかし…奇跡のように近い年代に超ホープが終結したフライ級。
3人の出世争いは簡単には完結しない。
まずは、一刻も早くA級昇格が望まれる…。
初のB級のリングで、1勝目を飾りたいところ。
・平井 雅樹 24戦4勝(2KO)17敗3分
これほど負け越した日本人ボクサーを僕は初めて目にする。
現在7連敗中。
B級では未だ1勝しかしたことがないが…
過去には西部日本王座に挑戦する形で8回戦のリングにも上がっている。
平井という選手の情報はほとんどない。
ほぼほぼ敵地で戦い続け、負け続けてこのリングに上がる。
誰しもが、スーパーホープの矢吹にあてがわれた格下選手…という構造と見るだろう。
しかし…誰もが予想しない結末というのはこれまで何度も繰り返されてきた。
ボクサーは二つの拳で、様々なものをひっくり返してしまうことができる。
「喰っちまえ」
そう言ってしまいたくなる。
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最近、やたらと強過ぎる薬師寺ジムの選手たち。
僕は彼らを一種のヒールとして見ている。
それは中学時代にプロレスを見ていた頃、
チーム2000に抱いたヒール感とよく似ている。
強いヒール…悔しいけど、蝶野カッコいい…的な。
ヤンチャそうな面々に、ヤンチャそうな会長。
そして、ふざけたリングネームに、「YASUEI」と書かれた自己主張の強いコーナーポスト。
薬師寺興行は、どこかちょっと前の不良チックな匂いがする。
ボクシングファンってストイックで真面目な好青年ばかり持ち上げる節があるけれど…
他の格闘技に比べてお固いファンが多いけれど…
僕は薬師寺興行的なノリを受け入れて楽しんでやろうと思う。
ちょっと悪い子たちにとっての受皿っていうのも、ボクシングの一つの側面。
少し異質な刈谷あいおいホールの空気は、お勧めしたいところ。
ちなみにこの日の逸品カードは…
濱口 人夢 vs 深蔵 和希
そして一度は見といて欲しいボクサーは…
冨田 真
さてさて…どんな結末が待っていることやら。
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