2018/7/15 -刈谷あいおいホール- 1試合目～3試合目(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ！
【スーパーフライ級４回戦】
手島 慎平(中日) vs 樋口 怜良(ARITOMI)
手島 慎平 デビュー戦
樋口 怜良 デビュー戦
試合はキビキビとした撃ち合いでスタート。
樋口がしっかりとジャブから入っていくと、手島は鋭いカウンターで樋口の顔面を跳ね上げる。
打ち終わりなど、空いたところにスパンスパン打ち込んでいく樋口の当て感が光る中、
手島は徐々に手数を減らしていく。
しかしラウンド終盤には左右フックで綺麗に樋口の顔面を捉えて反撃。
2R、開始直後に手島が狙いすましたような一撃で樋口がダウン。
再開後、逆に一気に攻めて出た樋口。
的確な強打で手島の顔面を襲い続け、逆に手島が大ピンチに。
足元をふら付かせながらダウンを堪える手島だが…最後は後ろ倒しにリングに崩れる。
ダメージを見て取ったレフリーはノーカウントで試合をストップ。
出すパンチ、出すパンチ、的確に手島を捉えた樋口。
ディフェンスの甘さは感じたが、面白い存在が現れたように思う…。
“頑張る系ボクサー”が多かったARITOMIジム。
毛色が違う選手の登場に…三重のド地方ジムが歩みを進めているように感じる。
手島は見事なダウン奪取だったが…。
一気にラッシュを仕掛けてきた樋口に飲み込まれてしまった。
悔しいだろう逆転KO負け…もし来年の新人王にエントリーするなら、まだ時間は半年以上ある。
現時点の力的には樋口が上だったように思える。
しかし、そんな相手に対して紙一重に持ち込んだ姿に期待させられる。
これからの道のりを楽しみにしたいと思わされた。
【バンタム級４回戦】
菅原 健太(名古屋大橋) vs 久野 一輝(トコナメ)
菅原 健太 デビュー戦
久野 一輝 2戦1勝1敗
お互いしっかり距離を取って、飛び込むタイミングを測り合う。
久野は構えをスイッチをするなどしながら様子を探る。
オープニングヒットは久野の強烈な右ボディ。
ラウンド後半に向けてプレッシャーを強めた菅原もパンチをヒットさせるがその数は少なく、
接触がほとんど産まれない静かで緊張感が漂う1Rが終了する。
2R、接触が徐々に増え始める。
久野はタイミングをずらしながら、大きなフックやアッパーをガードの脇や隙間にねじ込む。
対して菅原はカウンターや、強烈なボディで対抗。
試合開始から継続した緊張感。
3R開始直後、ここで久野が仕掛ける。
一気のラッシュでガードの上から叩き込んで行き、勢いに飲まれかける菅原。
ガードで防ぎきれいないパンチを被弾、さらにボディも強烈に叩かれる。
しかし、思い出したようにダッキングで久野のパンチを躱し始めると、
逆に強烈なボディを効かせ、久野の体をくの字に折ってみせる。
4R、丁寧に左を突いていく菅原。
消耗してしまったか、久野はなかなか手が出ない。
後半に入り、頭を着けての撃ち合いになっていく。
密着した撃ち合いでは、強烈にもらいながらも、細かいパンチで
菅原のガードを割って拳を当てていった久野だったが、
効かされてラッシュを浴びたところで、右ストレートを強烈に被弾。
ここでレフリーが割って入ってTKO。
TKOタイムは4R 2分43秒
名古屋大橋ジム初のプロボクサー。
その期待は大きく、デビュー戦から花道が出来上がった菅原。
中日本が産んだ我らが東洋王者、大橋 弘政(HEIWA)への期待がそのまま注がれるように見えた。
期待や愛情は時に重くのしかかることがあるかもしれない。
しかし、大きなそれを受けられるボクサーは限られている。
幸せなことと捉えて欲しい、そして、この先たくさんの人に愛される選手になってほしいと感じた。
久野は松下 拓磨(市野)との試合を棄権して以来の試合。
大失敗からの再スタートとなった試合だった。
挽回のチャンスは、誰にでも与えられるべきだと思う。ただただ、お帰りと言いたい。
これからのリングで、その姿で、様々なものを取り返してもらいたい。
【62.5㎏契約４回戦】
村田 望(岐阜ヨコゼキ) vs 樋口 和輝(ARITOMI)
・村田 望 デビュー戦
・樋口 和輝 デビュー戦
1Rから猛烈に振って出た樋口。スピードも威力もある左右フックにアッパーを織り交ぜて撃ち込んでいく。
ガードも持っていかれてしまい、試合開始から飲み込まれた村田。
手を出せばカウンターで襲われ、成す術なく一度目のダウン。
立ち上がった村田はワンツーを突き刺して一矢報いるも、
樋口のラッシュに飲み込まれて、レフリーが試合をストップ。
TKOタイムは1R 2分43秒。
見覚えのある、サイドと腰の部分が朱色のトランクス。
村田が着用していたトランクスは最近引退し、
現在はセコンドに入っている久保田 祐介(岐阜ヨコゼキ)のものだ。
6回戦で終わった久保田だが、僕の中では名ボクサーの一人。
引退後、ちょっとした繋がりで色々話をさせてもらえることが増えた。
面白くてひょうきんで、かわいがられる久保田トレーナーだが、紛れもなくリングで戦い抜いた男だった。
彼が引退した寂しさを、リングの上で躍動するトランクスが埋めてくれるような気がした。
元々、林 望として紹介されていた村田。
村田 望はリングネームとのこと。
この試合は完敗…どんなボクサーかもはっきりつかめぬまま。
でも、これからの道のりを見ていくのに、こんなスタートもありだと思う。
ここから強くなっていく姿がきっとドラマになっていく。
樋口 和輝は第1試合に登場した樋口 怜良と同じ苗字だけど…兄弟だろうか、そうじゃないのだろうか。
二人ともこれまでのARITOMIの選手と色合いが少し違う。
攻撃力は抜群だと感じる。
来年…もしかするとこの二人が、三重の田舎町から旋風を…そんな期待も抱いてしまう。
熱く見守りたい。
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