2016/12/04 刈谷あいおいホール-7試合目~9試合目(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2016/12/04 刈谷あいおいホール-7試合目~9試合目(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
 
 

 

さて、3日目に入った12/04の観戦記。
まだまだ濃厚な後半3試合。
 
 

【スーパーフライ級4回戦】
近藤 冬真(蟹江) vs 柴田 亮(中日)

・近藤 冬真 2戦2勝
・柴田 亮 5戦3勝(2KO)2敗

デビュー2連勝。
同門の戸谷 彰宏(蟹江)が今月行われる全日本新人王決定戦に出場。
さらに高瀬 衆斗(蟹江)が直前の試合で勝利。
ジムの勢いからも負けるわけにいかない近藤。

ボクサー定年間近。
最後にボクサーとしてリングに何を刻むのか…。
こちらも絶対に負けたくない柴田。

リングの上の勝者は一人だけ。
世界戦でなくとも、リングの上はいつもバッチバチの生存競争。

この試合…メモをそっちのけで見入ってしまった。
直線的に小刻みに前後に出入りする姿。
その姿はかつて柴田と同ジムに在籍した名ボクサーのよう。

ガードが巧く、撃ち終わりを叩く近藤に対し、
愚直にガードの上からでも手数で叩いていく柴田。
3Rにはボディを効かされた柴田…。
それでも、その手を緩めることはない。

しかし、ボクシング自体が巧く見えるのは近藤の方。

勝負は判定に…柴田、近藤、柴田…2-1と割れた判定で柴田の勝利。
マイジャッジでは近藤。

たった1R逆につけば、勝利が入れ替わることもある4回戦。
勝負が厳しくなったとき、勝敗を分けるのはジャッジに誰が座るか…という運。

この試合では勝利の女神は、柴田に微笑んだ。
そして…残酷にも近藤を突き放した。
 

この日の柴田なら、簡単な相手ならその手数に飲み込まれたはずである。
近藤は明らかに強かった…。
リング上の胸が熱くなるような二人の戦い。
しかし、それとは別にいつも結果は付きまとう。

どうして…そんな自問自答に答えはいつも明確に出ている。
「That’s Boxing」

柴田という格別面白いボクサーの勝利を喜ぶとともに
ボクシングの無情さが胸に迫る一戦。
 

近藤は、2017年の新人王に出るのだろうか…
はっきりとは分からないが、この階級ではスーパーホープの畑中 健人(畑中)が出場すると思われる。
近藤がどこまで食い下がるか…見てみたい気持ちでいっぱいだったりする。
 
 

【48kg契約4回戦】
下方 智裕(富士) vs 冨田 真(HEIWA)

・下方 智裕 6戦2勝2敗2分
・冨田 真 9戦3勝4敗2分

4回戦…お互いに勝ち負けを繰り返しながらのラバーマッチ。
現在二人は冨田の1勝1分。

ゴングが鳴ると同時にコーナーを飛び出す二人。
戦績というものがどれだけアテにならないかはっきりとわかる。

ショートレンジの3連打を浴びせる下方。
冨田は簡単に下がらず、相撃ちの一撃を浴びせてから撤退。
近距離で細かくステップを踏んで高速旋回する冨田。
チャン・ジョング(韓) vs 渡嘉敷 勝男(協栄)の渡嘉敷のよう。
下方は固いガードで、スピード差を潰していく。
 

2R後半に入ると、ボディから切り崩す冨田。
苦悶の表情を浮かべる下方。
 

3R、冨田のパンチが下方を幾度も捉える。
相撃ち上等の力のこもったパンチでやり返す下方。
“骨を切らせて骨を断つ”…なんて言葉が浮かぶような我慢比べ。
中盤、冨田の強烈なフックに下方がバランスを崩すと
冨田は一気に攻め込んで優勢をアピール。
 

4R、足を使い始めた冨田。
細かいステップのヒット&アウェイ。
リーチで上回る下方を、出入りの早さでコントロールしてみせる。
ラストは頭をつけての撃ち合いに突入した二人。
ダメージを重ねたボディが苦しそうな下方。
 

意地と意地のぶつかり合い…そんな言葉がはっきりと体現された試合。
判定で冨田が勝利し、二人の勝負に決着。

B級昇格の権利を既に手に入れている冨田。
今後、6回戦への登場を楽しみにしたい。

下方…撃ち合える勇敢なボクサー。
また、試合を楽しみにできる選手を一人見つけたと感じる。
 
 
 

【フェザー級8回戦】
五十嵐 嵩視(トコナメ) vs 川村 嘉規(尼崎亀谷)

・五十嵐 嵩視(トコナメ) 11戦8勝(3KO)3敗
・川村 嘉規(尼崎亀谷) 13戦5勝(3KO)6敗2分

2014年中日本新人王MVP。
一度勝っている杉山 令耕(岐阜ヨコゼキ)との再戦で敗北。
それでも、ボクシングでは上回っていたのは五十嵐だった。
その後、杉山は後楽園に乗り込んで敗北。
次にチャンスを得るのは五十嵐であってほしい。

そんな中で今回の相手は、前戦でA級昇格を決めた選手。
兵庫から来た川村 嘉規(尼崎亀谷)。

A級の冠に相応しい二人の試合。
ジャブの刺し合いから始まった1R。
前の手の攻防では五十嵐に軍配が上がったように見えた。

2Rに入ると、コーナーに追い込んで五十嵐のショートレンジのコンビネーション。
このコンビネーションのスピードが五十嵐の絶対的武器。
明確にポイントを奪取する。

3Rには五十嵐のボディが鋭く決まり始める。
スピード豊かに的を外しながら、スパーンと入ってコンビネーション。
五十嵐 嵩視の真骨頂。

4R、これまで見過ぎているのか手数の少なかった川村。
タイミング良くストレートを撃ち込み始める。

5R、ボディが効いてきたか足が死に始める川村。
ショートのコンビネーションを上下に撃ち分ける五十嵐。
川村は一発入れる間に何発も被弾する。
しかしそのパンチは鋭く、五十嵐の首がよじれるようなアッパーを放り込む。

6R、左フックで川村の顔面がはじけ飛ぶ。
一気に攻めて出る五十嵐。
攻撃に編重したことで、相撃ちが増えて行く。

7R、何度もぐらつく川村。
しかし攻め入った五十嵐を逆に捉えるシーンも増える。

8R、最終ラウンド、猛烈に撃ち合った二人。
立っていれば判定は手に入ると思える五十嵐。
撃ち合いの最中、積み重ねた五十嵐のダメージは決して小さくない。
意地の盛り返しを見せる川村。

残り10秒の木拍子…心の中でカウントダウン。
長いラスト10秒が終わり、試合は判定へ。
 

結果は五十嵐の中差判定勝ち。
この選手…コンビネーションの綺麗さは他の追随を許さない。
撃たれ強くない(ダメージが分かりやすい)部分にはスリリングさを感じ…
そこがまた彼を格別に面白いボクサーにしていると思う。

きっと後楽園のマニアックなファンさえうならせると思うのだけれど…。
ランカー挑戦…まだだろうか。
きっと、奪い取ってくる可能性は持っていると思ってしまう。
 

川村、初見だったけど、徹底して撃ち合いに行った姿に感動した。
相撃ち辞さずに攻略を試み、明らかに五十嵐が効かされていたシーンもあったと思う。
流石A級…なんて感じてしまった。
 
 

ここで前座の3試合が終了。
次回はセミファイナルから。

大型新人のデビュー戦。
負け越しA級ボクサーのランカー挑戦。

そんなおいしいところは持ち越しで。
 
 

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