丸木 和也を信じる(コラム)　ボクシング選手名鑑ピックアップ！　2018/01/15

丸木 和也を信じる(コラム)　ボクシング選手名鑑ピックアップ！　2018/01/15
 
 

 

丸木 和也(天熊丸木)がやらかした。
昨年12月、相手はタイトルマッチ直後の今野 裕介(角海老宝石)。

今野と言えば直近で挑んだ日本タイトルマッチで大激戦を繰り広げ、
国内のこの階級では最もホットな選手となっている。
ホールのファンが、次の試合を待ちわびていた選手である。

格上で間違いないものの、勝てば…激戦を見せれば多くのモノが手に入る。
名古屋の丸木 和也が全国区になれる試合。
ビッグチャンスだった…。
 

送り出す気持ちで胸がいっぱいだった。
同じ階級に選手の少ない中日本、丸木の対戦相手は外国人の名前が多い。
彼の歩いた道を、咬ませ路線と揶揄する声さえあった。
過去には一度、大幅な計量超過を犯し、大事な試合で負けることも多い。
 

腰の怪我で弟の丸木 凌介(天熊丸木)に後れをとり、
「丸木のお兄ちゃんは終わった…」なんて声さえ聞いた。
 

いろいろひっくり返してくれ！
丸木のお兄ちゃんは強いんだ！
 

そんな思いでいっぱいだった。
 
 

試合前日…入ってきた情報に耳を疑う。
丸木 和也…計量失敗。
 
 

ボクサーとして、絶対に犯してはならない失態。
最悪だ…。

この試合を楽しみにしていたファンは大勢いた。
特に、相手は次の試合を楽しみに待たれていた今野である。

「これで2度目だぞ！」
「萎えた…」

SNS上でも非難ごうごう…。
僕自身、頭が真っ白…そこから翌日の試合が終わるまで、
ずっとモヤモヤした思いを抱えた。
何をどう思っていいのか解らなかった。
 

針の筵の中、リングに上がり、丸木はボコボコにされたそうだ。
ファン感情は、今野の悪者討伐大成功。
 

試合が終わって、ふと思った。
見に行けばよかった…。
大声で丸木を応援して、丸木と一緒にホールのファンに嫌われてしまいたかった。
 

ボクサーとして最低…そんなことは解ってる。
やっちゃいけないこと、しかも二度目。
解っているけど…。

この試合を擁護する気にはなれない。
けれど、丸木 和也というボクサーを嫌いにはなれない。
 

複雑過ぎる…簡単にいいよいいよとは思えない。
体重に関するハードルを下げるようなことは言っちゃいけない。

「体重を守れなかったボクサーが賛美されるようなことはあってはならない」なんて意見も見た。
 

…解っている。
 
 
 

でも…人は失敗をするんだよ。
失敗したら、挽回して立ち直る。
失敗は失敗…だけど、挽回する余地はなければならない。
拳二つで、いろんなものを切り開く可能性がいつもある…それがボクシングだと思っている。
 
 

僕は丸木 和也を信じようと思う。
彼は絶対に、このまま終わらない。
必ずどこかでひっくり返す。

もうベテランの域に入った丸木が、いつまで続けていくのかはわからないけど…。
現時点で計量超過を犯して、何が期待できるのか？なんて言われるかもしれないけど。

僕は断固これからの丸木 和也を信じる。
これは、ある意味、期待を裏切られた自分からの丸木への制裁でもある。
 

人は罵倒されるより、信じられたほうが辛い場面がある。
 

僕は丸木 和也を信じる。
徹底的に信じる。
 

何を期待するのかさえ、もう解らないけれど…。
ただ、彼の試合を刈谷あいおいホールで待っている。
もう一度に挑む彼を、マイナスから挽回しようと足掻く丸木を見たい。
 
 

 

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