2021/10/24 -静岡・浜松市雄踏総合体育館- 第4試合～第5試合(中日本ボクシング観戦記)　ボクシング選手名鑑ピックアップ！

【スーパーバンタム級4回戦】
嶋田一志(西遠)　vs　秦健人(市野)

嶋田一志　1戦1敗
秦健人　デビュー戦

※試合映像がある為、試合描写については割愛いたします。

お互いに思い切りパンチを振り合った試合。
嶋田の強烈な左フックが何度も秦を捉える中、
秦の思い切りの良さは決して損なわれることはなかった。

いつダウンシーンが訪れてもおかしくない目の離せない12分間。
3Rには秦が嶋田をロープに詰めて襲い掛かった場面、
体を入れ替えた島田が左フックからの右ショートでついにダウンを演出。

逆転を狙う秦はさらに攻勢を強め、
強烈な一撃で捉え合いながら、効かされてのクリンチという流れが続いた。
逃げ切りの為のクリンチではなく、危険なシーンを伴ってのもの。

最後まで緊張感は続いた。

強烈な左フックで主導権をしっかりと握った嶋田。
対して、最後まで逆転の火を消さなかった秦。

お互い初勝利を目指してビッグパンチの応酬となった試合。
試合後、カメラに向かってポーズをとる嶋田の表情は
嬉しさをかみ殺しているように見えた。

タイトルマッチではない、ただの1勝。
ボクサーにとってそれがどれだけ大きなものか。
TVでは放送されない、前座のリング。
この瞬間に立ち会えることこそ、4回戦の大きな魅力の一つと感じた。

前岡デニスロベルト　2戦1勝(1KO)1敗
宗宮和暉　デビュー戦

※試合映像がある為、試合描写については割愛いたします。

ロングレンジのフリッカージャブで懐の深さを最大限に生かし切った宗宮。
序盤で鼻が折れたか、前岡にとっては大量の鼻血で呼吸を妨げられる苦しい戦いとなった。

試合としては典型的なボクサーvsファイターの試合。
解りやすい構図と、中重量級の迫力を持った面白い試合だった。

ファイター前岡がしっかりと踏み込んで右を効かせる場面もあったが、
ピンチではボクサー宗宮がしっかりとクリンチに持ち込んで後続を遮断。
近ければ前岡、遠ければ宗宮有利の展開で、宗宮は決して相手の土俵で勝負せず
自分の得手不得手をはっきりと理解した上での戦いぶりだったように感じる。

21歳とは思えぬ、大人びたボクシング。
対戦相手に苦労する階級ではあるが、これから積み上げてくれるだろう道のりが楽しみだ。

34歳と年齢的には中年と言える前岡だが、体力的な不安は感じさせなかった。
トライし続け、試合終了間際にはあわやのところまで追い詰めてみせた。
ブラジル産おじさんボクサーが、若々しい相手に挑み続けた大奮闘の12分。
胸を熱くさせてくれる戦いぶりだった。

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