2021/10/24 -静岡・浜松市雄踏総合体育館- セミファイナル～ファイナル(中日本ボクシング観戦記)　ボクシング選手名鑑ピックアップ！

川合絢也　2戦1勝1敗
渡辺大和　6戦2勝3敗1分

※試合映像がある為、試合描写については割愛いたします。

とにもかくにも川合に驚かされた。
1Rのダウンシーン、体の入れ替え様、
渡辺の足が揃ったところに撃ち込んだ右は技ありの一撃。
群雄割拠の中日本スーパーバンタム級4回戦のシーンに新しい注目選手が現れた。

一つ一つのパンチにしっかりと反応し、確実にガードで受け止める。
相手のナックルがヒットするシーンでも、その多くに
しっかりと反応してダメージを殺す。
反応の良さとあわせて意識の高いハイレベルなディフェンス。
相手が渡辺クラスの実力者だからこそ、一方的な試合にならなかったと感じる。

北陸の激闘派、渡辺の戦いぶりは健在で、
12分間に渡って前に出続け、その拳を奮い続ける。
豊富な手数で、ヒットの数としては互角以上に渡り合った。

結果、判定は割れて2-1の川合勝利。
この相手に判定を割る試合をする…。
ここ3試合が2敗1分と結果がついて来ない状況だが、その中身の濃さは群を抜いている。

両者とも、新人王レースを勝ち抜く力はあるが…。
そんな選手がひしめいているのがこの辺りの階級。

紙一重の勝負の綾が、彼らの運命を決めていく。
来年の新人王戦、そんな展開を予想する。

WBOアジア太平洋フライ級15位
日本フライ級11位
　村上勝也　13戦10勝(3KO)2敗1分

長田瞬志　33戦12勝(4KO)19敗2分

※試合映像がある為、試合描写については割愛いたします。

危なげない内容で村上が完勝。
一行にしてしまえば、そう言えるだろうと感じる。
リーチの長さを活かした矢のようなロングレンジのパンチを打ち込み、
多くの時間帯で懐に入らせなかった。

しかしながら…村上の魅力は半分も出なかったのではないかとも感じる。
長田の変則的で小刻みなムーブは終始、村上に的を絞らせず、
結果、村上の手数は極端に少なくなった。

36歳、ボクサー定年を控える男の運動量は8Rに渡って落ちることはなく
終盤には攻め込む場面も作って見せた。
突っ込んでいくようなわかりやすいトライではない。
しかし、間違いなく、攻略に向けたトライが続いた24分だった。

最終的に攻略はできなかった…しかし、このボクシングをするには…
その背景にある日々の努力が観戦する側にも伝わってくる。

村上は本来もっともっと強い選手。
そう考えると、パッと見、村上が長田を完封したように見えるこの試合も、
村上の魅力を封じ込めたのは、長田の方だったのかもしれないと感じる。

たった1試合、24分間で、長田瞬志を刻み付けられた試合に感じた。

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