2021/03/14 -刈谷・あいおいホール- ファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2021/03/14 -刈谷・あいおいホール- ファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

 

■日本スーパーバンタム級ユース王座決定戦
【スーパーバンタム級8回戦】
溝越 斗夢(緑) vs 干場 悟(蟹江)

溝越 斗夢 10戦7勝(4KO)2敗1分
干場 悟 11戦7勝(2KO)4敗

 

1R、いつもの通り、ゴングと共に前進し始める干場。
溝越はサイドに周りながら、干場より先に先に手を出し、時折強烈に右を叩きつける。
近付いたタイミングではしっかりとクリンチで流れを止め、
干場の手が出る距離を徹底的に潰していく…。


2R、プレスをより強める干場に対し、溝越がサイドに周る速度も上がり、
試合自体のテンポがどんどんペースアップしていく…。
今時点、干場は徹底的に打ち手を潰されているが…溝越はこのペースが8R持つのか。
ペースが落ちてしまえば、干場が無尽蔵の手数で襲い掛かる可能性もある。

半分を越える5Rまで溝越がポイントを獲り続けられるかが勝負の分かれ目…
そんなことを感じ始めたラウンド終盤、潜り込んだ干場に対して
溝越が撃ち込んだ右フックが強烈にヒットし、干場がバランスを崩す。

ここで一気に詰めてラッシュにかかる溝越…残り時間は僅か。
ラッシュはスタミナを消費する…仕留め切れるのか…。

溝越のパンチは何度も強烈に干場を捉えるが…干場はここを耐えきってラウンド終了のゴング。

 

3R、干場は変わらぬペースでプレスしながら、左が増え始める。
対して溝越は入って来る干場を強烈に捉える場面を作りながらも、手数が落ちる。
干場の粘着質な手数が徐々に当たり始め、溝越の一方的だったペースが変化し始める。

 

4R前半、溝越の手数は戻らず…干場のパンチがヒットする場面が目立ち始める。

中盤のクリンチの場面…レフリーのブレイクが聞こえなかったか、
止められた後に溝越を殴ってしまう干場。

再開後、溝越は熱くなるどころか逆に冷静に、
これまで以上に足を使って細かいパンチで干場を叩き始める。
時折挟む強いパンチもしっかりとヒットし、パンチに強弱をつけてペースを握り直す。

 

5R、大きく足を使う溝越が、左右のフックを引っ掛けながらサイドへまわり続ける。
干場も打開を目指してプレスをかけ続けるが、持ち前の手数をなかなか出させてもらえない。
溝越はヒット数でしっかりと上回ってこのラウンドが終了。

 

この時点、マイジャッジは49-46。ダウンシーンがない限り、溝越の負けはなくなった。

 

6R、溝越のスタミナはまだ大丈夫そう。
ラウンド序盤には撃ち合いに応じて腹を叩き合う場面も。
中盤、溝越の右フックで干場のマウスピースがこぼれると、
ブレイクが入る前に動きを止めてしまった干場に対して、溝越が連打を撃ち込む。

再開後、ひたすらに距離を詰め続ける干場と、サイドに周り続ける溝越。
強弱のついたパンチを浴び続けている干場だが、その前進は一向に衰えない。

 

7R、若干溝越のペースが落ちたか…逆に干場はここに来てペースが上がったように感じる。
しつこくしつこく出てくる干場に対し、クリンチで攻撃を止める溝越。
干場の強いプレスを捌き続けて来た溝越の背中は、ロープにこすれて血が滲んでいる。

 

8R、ラスト3分間、足とクリンチでリスクを削る溝越だが
干場の全身は衰えることなく、しつこくしつこく襲ってくる。

サイドに周りながら強烈なパンチを浴びせても、
干場は腹をくくったようにしつこくしつこく追ってくる。
なんとかクリンチに逃れる場面が増え、お互いに体で押し合うシーンも増える。

1分が普段より長く感じる中…、ついに溝越の逃げ切りを知らせる試合終了のゴング。

 

マイジャッジ、77-75 溝越。

公式ジャッジも3者ともに77-75で溝越。

 

飛び上がって喜ぶ、村上 学トレーナー
自分の教え子がベルトを巻くのはトレーナー生活20年で初めてのこと。

溝越は泣き顔で村上トレーナーと抱き合って喜ぶ。
「チームマッチョで初めてベルトを巻く選手になる」
その言葉を実現した瞬間…4回戦の頃を思い出し、感慨深い思いになる。

選手が初めてベルトを巻く姿は違和感を覚えることも多く、
だんだんとその姿が馴染んでいくもののように感じたりするのだが…。
溝越のベルト姿は似合いすぎるくらいに似合っていて…感動のシーンで吹き出してしまった。

内容的にはこのコンビの作戦がガチッとハマってのはっきりとした判定勝利。
しかし、簡単な作業でなかったことは血の滲んだ溝越の背中が物語っている。
それは常に前進し続けた干場というボクサーの恐ろしさも証明しているように感じた。

前進と手数…自らのボクシングを抑え込みにかかった溝越に対し、
形勢不利に陥っても己を貫き続けた8R。
相手ペースで進むほど、スタミナの消費は激しいと言われるが、
干場は後半に向かって逆にペースを上げていった。

この試合は刈谷あいおいホールの次世代戦線を担う二人の対決。

 

名勝負…ここに完結。

 

 

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