2階級制覇 ロジャー・メイウェザー(米)⑱ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/10/15
ロジャー・メイウェザー(米)のピックアップ18日目。
前回は超スーパーホープ、のちに伝説ともなるパーネル・ウィテカー(米)のやられ役として
リングに立ち、ダウンを奪うなど、意地を見せる大激戦で、敗者となりながらも
評価を上げたロジャー。
ウィテカーとの試合を最後に、階級をもう1階級上のスーパーライト級へ上げて再起戦。
会場には当時WBA・WBC世界ヘビー級王者だったマイク・タイソン(米)と、
その王座に挑戦が決まっていたピンクロン・トーマス(米)。
前戦の激戦は大きくロジャーの注目を高め、再起戦がヘビー級タイトルマッチの
プロモーションに使われるほど。
相手は16勝5敗2分…タイトル挑戦経験なし。
格下と見られておかしくないフランキー・デイビス(米)。
体躯的にはロジャーにひけをとらないデイビス。
しかしスピード差は圧倒的。
1Rから思いのままにロジャーがジャブを突き刺します。
1分過ぎには強烈なオーバーハンドを叩き込んだロジャー。
ここから右の強打で何度もデイビスを捉えて行く。
デイビスはまともなヒットさえ奪えないまま最初の3分間を終了。
2R、タイミングを計りながら、左フックの4連打、強烈な左アッパーなど
自在に試合をコントロールするロジャー。
一方的な展開は変わらず…。
3R、入り際に強打を合わされ、全く入ることも許されないデイビス。
遠い距離で手を出すのが精いっぱい。
ロジャーの圧倒的さばかりが際立ってしまう。
4R開始早々、状況を打開しようと思い切って飛び込んだデイビスに、
待ってましたと突き刺さるロジャーの右フック。
上半身と下半身がチグハグになるデイビスを鼻で笑うかのような一呼吸を置いて
一気にコンビネーションを叩き込んだロジャー。
…デイビスは尻もちをつくダウン。
立ちあがったものの…一方的に攻め込んでレフリーストップを呼び込む。
何もさせず、圧倒的…。
「この相手じゃ物足りない」なんてマッチメイクへの不満をぶつけるような圧勝ぶり。
続いての試合は、24戦20勝3敗1分と戦績はいいものの、
ちょうど1年前にカリフォルニア王座に挑戦していたミッチェル・ジュリアン(米)。
こちらも危なげのない3RTKO勝利。
スーパーライト級でのテストマッチをきっぱりとクリアし、世界戦が組まれる。
辿り着いた世界戦…相手は第19代WBC世界スーパーライト級王者レネ・アルレドンド(メキシコ)。
日本人にとっては浜田 剛史(帝拳)と世界を争い
1勝1敗の王者として憶えている人も多いだろう長身の強打者。
右構えの左利き…”コンパーデッドオーソドックス”とでも言うべきか、
左フックに強烈な威力を秘めた王者。
場所はロサンゼルス。
同じアメリカでも、カナダに隣接するミシガンで生まれたロジャー。
ヒスパニックの多いこの町では、アルレドンドがヒーロー。
しかもメイウェザー兄弟はお騒がせ者として嫌われ役を担うキャラクター。
また、ロジャーはメキシカンキラーとも呼ばれ、会場は完全に敵地。
リングアナの”ブラックマンバ!ロジャー・メイウェザー!”のコールに大ブーイングが飛びます。
1R、ロングレンジで距離を測り合う二人。
ロジャーがボディへいくつか拳をあてた後、先に顔面を捉えたのはアルレドンド。
ラウンド中盤と終盤に1度ずつ、ワンツーのツーでロジャーの顔面を跳ね上げる。
終了のゴング直前、3度目を狙ったワンツー…しかしロジャーはこの右を肩口でかわし、
強烈な右ストレートをカウンターで叩き込む。
ここで1Rが終了。
2R、お互いに警戒を強めてロングレンジでの駆け引き合戦。
はっきりとしたヒットがない中、ロジャーのジャブが比較的多くヒット。
3R、長いパンチでアルドレンドを入らせないロジャー。
逆に追いかけて右ストレートをヒットさせる場面も。
ロングレンジでの優劣がはっきりしてきます。
4R、近い距離で撃ち合おうとしないようにも見えるアルドレンド。
ロングレンジでジワジワと被弾しながらの戦い。
まったく噛み合わないようにも思える戦いに観衆からはブーイングさえ響く。
入ろうとすればロジャーのストレートでつぶされてしまう。
本当にフラストレーションを溜めているのは客席ではなくアルドレンド本人にも見える。
5R、入ろうとするタイミングに突き放すように刺し込まれるロジャーのストレート。
攻めあぐね続けたアルドレンドですが、ようやくこのラウンド終盤、
内側に入って自身のサンデーパンチ…左フックをいくつもヒット。
6R、若干距離の近づいた二人…。
相変わらずロジャーに攻めあぐねながらではあるものの、
ダッキングしたロジャーに右の撃ち降ろしをヒットさせたアルドレンド。
一気に攻めて出たところで交差するアルドレンド必殺の左フックとロジャーの右フック。
…ロジャーの拳のみが着弾する。
カウンターで撃ち込まれたフックに崩れ落ちるアルドレンド。
立ちあがったアルドレンドのダメージは濃厚。
ロジャーが攻め込むと、右ストレートを強烈に被弾し、追撃の前に脆く崩れる。
なんとか立ち上がったアルドレンド…再開直後のロジャーの撃ちおろしで3度目のダウン。
スリーノックダウンシステムにより、この時点で試合終了。
圧倒的な形でスーパーフェザー級に続いての2階級制覇。
それもスーパーフェザー陥落後からの紆余曲折がウソのような圧倒的な王座獲得劇。
名のある王者を完膚なきまでに打倒したロジャー。
4年の以上の月日を空けて、ロジャーが王座の椅子を取り戻します。
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