2026/7/5 -石川・石川県産業展示館- 第5試合~ファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2026/7/5 -石川・石川県産業展示館- 第5試合~ファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

 

【スーパーフライ級4回戦】
ビビンバ 力(カシミ) vs シン・ジェユン(韓)

鋭くジャブを突き刺し左で刺し勝つビビンバ。
スピードに乗って戦うビビンバに対して右を大きく振るシン。
序盤ははっきりとビビンバが制したか…

しかし、シンは頭から行く、抱え込んだ状態で左を叩きつける、ローブローなど
ダーティーな場面も見せながらビビンバを撃ち合いに巻き込んでいく。
大きく振るう右にはスピードもあり、痛烈にビビンバを捉える場面も。
さらには強烈にボディも突き刺さる。

2R終盤には強烈なバッティングを浴び、ビビンバに休憩が与えられる。
バッティングに対して止めに入ったレフリーに対し、
リング下が勘違いし試合終了のゴングが鳴るほど痛烈なダメージ。

ダメージも残るだろう中、3Rには撃ち合いに出たビビンバ。
熾烈な撃ち合いとなるが、この場面でもシンの頭が当たる場面も。
ラフな戦いぶりだが減点までには至らない。
敵地海外リングでなりふり構わず勝利を掴みにかかる。

4R二人が拳を交わす中、レフリーが突然試合をストップ。
被弾も多かったビビンバ…ダメージの蓄積を考慮したか。

TKOタイムは4R 1分56秒

試合開始直後、ビビンバのジャブに完全に刺し負けたシン。
しかし、ラフにでも突進して状況を短時間で打開した。
さらに撃ち合いに出たビビンバに対して、痛烈な被弾を受けながらも激しく撃ち合った。
バッティングでの試合中断、減点も取られやすくなった流れの中でも、
そのファイトは変わらなかった。

シンの戦いぶりを賞賛はしない…ただ、許容はする。
レフリーが減点を入れるところまでにも至っていなかったし
そこに悪意があったかどうかも定かではない。
当ててやろうというよりは、「なりふり構わず」といったようにも見えた。
どんな不利があるかもわからない海外リングで、勝利を奪いに来た。
そして、シンの大きなスイングには威力もスピードもあり、
力のある選手であることは否定しようがない。

ビビンバ自身がそれに熱くなることもなく、
大きな抗議をすることもなく、ダーティーにやり返すこともなく。
この試合を後味の悪いものにしようとはしなかった。
ただ目の前の相手と撃ち合い、立ち向かった。

マイジャッジはビビンバの1Pリードだった最終ラウンド。
最後まで行っていれば…の思いもある。

試合後、苦笑いを浮かべながら
「スタミナがないのレフリーにバレてました」と報告に来たビビンバ。
笑って冗談で返しておいた。

試合前には「今日は盛り上げに来た」と口にしていたビビンバ。
彼の美学を汚したくはない。

世は常に理不尽なもの。
それを受け止めて、笑顔で返す強い男。

この試合で引退を表明…3戦目にして3度目の引退。
帰り際、「どうせまた戻って来るんでしょ!」と声をかけた。

焼き肉屋力には大切な従業員たちもいる。
そちらはそちらで生半可なことはできない。
好きにすればいい、勝手にすればいい。

「まわりを喜ばせてやろう」

ただ…この先もビビンバが魅せてきた美学だけは折らないで欲しい。

ビビンバ 力 3戦2勝(1KO)1敗
シン・ジェユン 5戦3勝(2KO)2分

 

【スーパーバンタム級8回戦】
山本 愛翔(カシミ) vs コムサン・カエウルエアン(タイ)

スイッチを見せながら少し変則的に戦うコムサン。
力感はないものの、ふにゃふにゃとした柔らかさはやりにくさも感じさせる。
山本はじっくりと試合を立ち上がり、ジャブをかわしての右アッパーや
跳び込みながらの左フックなど、一つ一つ確認するようなビッグヒットを入れる。

3Rには踏み込んできたコムサンにコンビネーションの中の左フックを浴びせてダウンを奪う。
立ち上がったコムサンに対し、ボディを突き立てて攻め立てるが、ここはコムサンが耐え抜く。

4Rにはコムサンと頭をつけての撃ち合いへ。
しっかりと撃ち返してくるコムサンだが、
山本は軽いアッパーでコムサンのガードを真ん中へ絞り
ガードをまわり込むようなテンプルへの右で2度目のダウン。

さらに立ち上がったコムサンに強烈なボディを浴びせて3度目のダウンを奪うと
ここでレフリーが試合をストップした。

TKOタイムは4R 1分14秒

結果としては山本の完勝だったが、粘りに粘ったコムサン。
もらいながら相打ち気味の右ストレートを撃ち込んでいくなど
実力差のある相手に勝利を目指して挑んできた。

勝利者インタビューでは次戦に言及した山本。
マッチメイクは水物、実現するかどうかはまだ先かもしれないが、
日本ユース王座に再挑戦する意向を示した。

付け入る隙を見せない完勝で再起を飾り、次に挑むに相応しい結果は出した。
あとは…一度は獲り逃したベルトを腰に巻くだけ。
強い相手に刻んだ2敗…それを意味あるものにできるか否か。

いざ…大勝負へと向かう山本を見届け、送り出す試合となった。

山本 愛翔 10戦8勝(2KO)2敗
コムサン・カエウルエアン 11戦6勝(3KO)5敗

 

■WBCスーパーフライ級ユースタイトルマッチ
藤野 零大(カシミ) vs ジェームス・クラリオン(比)

どっしりと構え、鋭くジャブを突き刺し、クラリオンのパンチは距離で外す。
左を軸に右につなげていく丁寧な攻め。
クラリオンの攻めに反応して体ごと移動する瞬間移動のようなディフェンス。
藤野はほとんど被弾もないまま試合が進んでいく。

思い切り振り込んでくるクラリオンに対し、攻め込みすぎることもなく
付け入る隙を与えずにジャブを突き刺し続ける藤野。

藤野が主導権を握ったまま膠着する試合だったが、試合が動いたのは4R。
踏み込んだクラリオンに強烈なボディアッパーを突き刺す。
そのまま強引に踏み込んだクラリオンに左フックをひっかけてダウンを奪取。
立ち上がったクラリオンに攻め込んだ藤野だったが、ここはクラリオンが粘る。

5R、劣勢の展開に強引に攻める場面を見せるクラリオン。
カウンターで左をヒットさせ、一気に攻め込む。
ここは藤野がスリッピングアウェイを駆使してクリンチへ。

6R、ジャブで立て直した藤野。
ザクザクと刺していく中で、不意を突いたような右ボディストレート。
完全に効いてしまったクラリオン。
ロープ際まで下がったうえで、力なく膝を着く。

立ち上がりはしたものの、レフリーは続行を許さずのテンカウント。

KOタイムは6R 1分1秒。

鋭利でスピードあるクラリオンのスイング。
相手の強さを感じさせない…藤野がその強さを見せつけた試合だった。
5Rには少し攻め込みすぎての被弾もあったが
ほぼほぼ無傷の完封KO劇を演じた藤野。
WBCユース王座戦だったが、このグレードでは圧倒的であることも見せつけた。

JBCが認める主要3王座のランキングも上位に入ってきている。
いつ勝負を仕掛けるか…そしてどの王座を狙いに行くか。

上には世界ランキング上位に位置する選手たちが複数。
上は詰まっており、安易にチャンスはやってこなさそうにも思える。
ただし、その分、そのチャンスを掴めばリターンは莫大。
一気に世界戦線へつながることにもなる。


強い先輩がいた。
強い仲間たちがいた。
いいライバルたちにも恵まれてきた。

これほどまでに歯車が噛み合っているボクサーがいるだろうか。
北陸の大エースから受け継がれたバトンをどこまで昇華できるか。

藤野が魅せる夢は「北陸の最高傑作」とも思えた。

第1試合から、仲間たちの試合を見守り続けるメインイベンター。
周りからも愛され、何より藤野自身がまわりを愛し…。
この男がベルトを巻くことに意味がある。
ボクシングが強いだけの男じゃないからこそ。

きっといいチャンピオンになる。
多くのファンの思い出に刻み付けられるような、偉大なチャンピオンに。

藤野 零大 10戦9勝(5KO)1分
ジェームス・クラリオン 9戦7勝(4KO)1敗1分

 

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