2022/09/10 -三重・四日市市総合体育館- 第7試合、セミファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2022/09/10 -三重・四日市市総合体育館- 第7試合、セミファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

 

[[予備カード]]
【スーパーライト級4回戦】
三好 春近(岐阜ヨコゼキ) vs 黒川 智矢(唯心)

三好 春近 デビュー戦
黒川 智矢 1戦1敗


ラウンド開始からお互いスピードに乗った好戦的な攻防。
目まぐるしいやり取りの中、三好の右ストレートが
黒川のアゴを捉えると、黒川が足をばたつかせる。

ガードを高く上げる黒川、対して三好もしっかりパンチが見えているよう。
手数の割にはお互いにヒットは多くない。
そんな中でも三好が時折強烈に黒川を捉える場面が目立つ。

ラウンド終盤、三好の右ストレートがカウンターで黒川を捉えると
三好が一気に攻勢を強め、連打の中で右を炸裂させてダウン奪取。
再開後、三好は一気にラッシュを仕掛け、レフリーが試合をストップ。


TKOタイムは1R 2分56秒。

 

効かせたタイミングでしっかりと倒す。
デビュー戦から三好が素晴らしい戦いぶりを見せた。
黒川に対し、被弾少なく勝ち切った部分も見事だったように思う。

来年の新人王トーナメント、エントリーがあるなら注目したい。


前評判高かった黒川だがこれでデビュー2連敗。
強烈な一撃を浴びての敗戦が続いている。
デビュー戦では攻撃力の高さも見せていたが、この日はそれを見せることも叶わなかった。

試合のリングでその力を発揮できているかに疑問が残る。
力を発揮できなければ、それが実力と言ってしまうこともできるが、
1つうまく回れば一気に力を発揮し始めるケースもよくある。

いきなり躓いたキャリア、ただ、まだあきらめるのは早いと感じる。

 

【フライ級8回戦】
村上 勝也(名古屋大橋) vs 見村 徹弥(千里馬神戸)

村上 勝也 15戦12勝(3KO)2敗1分
見村 徹弥 12戦9勝(2KO)3敗


1R、お互い長い距離で見合う中、先に入っていくのは村上の方。
しっかりと外す見村、左フックをヒットさせる。
中盤からはジャブの刺しあい、ヒット数ではほんの僅かに村上か…。
両者緊張感の高い互角の主導権争い。


2R、ダッキングした村上の顔面を見村がコンビネーションを撃ち込めば、
ラウンド終盤、右ストレートから左ボディでやり返す。
足を使う見村に対し、プレスをかけるのは村上の方。


3R、見村は左右ボディから顔面に繋げると、村上もボディをやり返す。
中盤、村上が入ろうとしたところ、見村のジャブが刺さり、村上の顔面が跳ね上がる。
ラウンド終盤には村上が左右ボディから顔面を襲って挽回。
このラウンドもポイントは微妙なものとなる。


4R、ジャブの刺しあいが続く展開、コンタクトが少ない分、
たった1発のパンチでそのラウンドの採点が変わりそうにも見える。
至高の緊張感の中、左を鋭く刺しあい続ける二人。

右をヒットさせると立て続けにジャブをヒットさせた村上。
見村はラウンドを獲られそうな感触があったか、終盤一気に攻勢を強める。
見村が詰める側に回ると強烈な右を連続でヒットさせ、
さらにコンビネーションで村上の顔面を襲う。


5R、このラウンドも左を刺しあいながら、お互いに右を撃ち込む隙をなかなか見せない。
ラウンド終盤に入ってようやく村上が右ストレートをヒットさせると、
見村は強烈な左フックを返してやり返す。
村上が右を撃ち下ろし、見村が左フックをやり返す。

「やられたらやり返す」がラウンド内で行われるため、
どちらに振っていいかわからない拮抗したラウンドが積み重なる。


6R、しっかり力のこもったジャブの応酬が続く。
ラウンド中盤にはジャブの相撃ちで両者の顔面が跳ね上がる。
終盤、左ボディをドスンと突き刺した村上に対し、やり返すように
ワンツーを叩き込んだ見村。その後も連続で強打を叩き込む。


7R、ここまで来ても、まだどちらも主導権を渡さない。
見村がワンツーで襲ったところ、村上もワンツーでやり返す。
大きなヒットを奪われても、お互いにすぐ取り返す。


8R、左の刺しあいの中、より攻撃的に襲い始めた見村。
しかし、村上は左ボディ一発で見村の動きを止める。
二人が好戦的になる中、村上の左目上から出血。

最終ラウンドはより積極的に攻めた見村が獲ったか。
この試合、唯一はっきりとしたラウンドに見えた。


マイジャッジ、77-75で村上。

判定は3-0

77-75
77-75
78-74

勝者:村上


どのラウンドもほんのわずかな差しかなく、ジャッジ泣かせと言える試合。
KOの予感がある試合ではなかった。
しかし、どのラウンドも拮抗し、たった一発のヒットでラウンドの優劣が決まる試合に見えた。
1つのヒットも見逃せない…それは8R延々と続く緊張感となり、
見終わった後にはずっしりとした疲労感。

いい試合を見たときの感覚。

分かりやすい撃ち合いの試合ではなかったものの、
ロングレンジのスペシャリスト同士が互いのジャブをぶつけ合った試合。
A級ボクサー同士の重厚な駆け引き、
そして劣勢に回った場合に必ずラウンドを取り返す意地のぶつかり合い。
こういった試合が好きといったファンには珠玉の戦いにも見えた。
この試合を観戦できたことを幸せに思う。

 

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