2022/09/10 -三重・四日市市総合体育館- 第4試合~第6試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2022/09/10 -三重・四日市市総合体育館- 第4試合~第6試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

 

【50.0㎏契約6回戦】
鈴木 尊虎(トコナメ) vs 平井 雄士(宮田)

鈴木 尊虎 8戦4勝2敗2分
平井 雄士 6戦4勝(2KO)1敗1分


1R、ラウンド開始から一気に突進してくる平井に対し、
足を使いながら丁寧に外し、左を引っ掛けていく鈴木。
詰める平井、捌く鈴木の形になる。

鈴木が捌いている時間が長く次々とヒットを奪っていくが
回転よく手数を出しながら詰めて来る平井に、巻き込まれるように撃ち合いになる場面も。


2R、ラウンド中盤強烈にボディをえぐり始める鈴木。
平井もまたボディでやり返す。
お互いに下への比重が増えたことで、攻撃のバリエーションも増え始める。

撃ち合いの最中、この日初めて平井が後退した場面。
強打のコンビネーションを叩き込みながらロープへ押し込んで行ってラウンドが終了。


3R、ボディ攻撃が効いたか、突進の圧力が弱まったようにも見える平井。
射程に入ったところを鈴木がジャブ、右ストレートを撃ち込む展開。

ラウンド終盤、鈴木の方からロープに追いつめ撃ち合いを挑んで行くと、
被弾の多さにセコンドがタオルをまわして試合をストップ。


TKOタイムは3R 2分40秒。


突進してくる平井の圧力は強く、さらに回転に秀でていることで
相手からすればかなりやっかいなファイターと感じた。
今日の対戦相手である、実力者の鈴木でさえ、巻き込まれる場面が何度もあった。
今後の東のリングでの活躍、楽しみにしていたいと思う。


平井の回転力の高さに貰いはするものの、しっかり見えていたように感じる鈴木。
アウトボクサーを詰める力も高いが、ファイターを捌く力も見せ、万能型であることを見せた。
また、自分から詰めるボクシングをすることも多い為、
相手が嫌がることが見えているようにも感じた。

行くべきタイミングではしっかりと行ってのTKO勝利。
「鈴木 尊虎は強い」

そう言わせてくれるに充分な内容でのB級初勝利と感じた。

 

【女子バンタム級4回戦】
樋口 藍(ARITOMI) vs 村上 歩稔(升田)

樋口 藍 3戦1敗2分
村上 歩稔 2戦2敗


1R、足を使ってまわる村上、詰めていくのは樋口。
一定の距離を保ちながらの展開。
射程に入ったところで樋口が左ストレートで捉える場面が目立つ。


2R、これまでなかなか樋口の左ストレートがヒットする場面は見れてこなかったが、
この日、村上の顔面を強烈に捉える場面を何度も見せる。
村上が踏み込んだ所、「コッ」という音が響き渡る激しいバッティング。
しかし、これで乱れることなく、強烈に左アッパーを撃ち込んで見せる樋口。

手数、有効打、ダメージ、いずれも僅差だが、どの視点から見ても樋口が取れているように見える。


3R、村上が踏み込んだ所に樋口の左ストレートが炸裂。
完全に腰を落としながら樋口に掴まる村上をしっかり振りほどく樋口。
チャンスを逃すまいと攻め込もうとする樋口だったが、村上がなんとかクリンチに逃れて窮地を脱出。


4R、しっかりと距離を維持し、村上の攻め手をふさいだままの攻防。
主導権を村上に譲ることなく、試合終了のゴング。


マイジャッジ 40-36 樋口


公式ジャッジ
40-36×3

3-0 勝者:樋口


足を使った村上だったが、終始樋口に距離の主導権を握られていたように見える。
その結果、右強打に繋げることが難しいままに試合が終わってしまったように感じる。
出せなかったというよりは、封じられた試合に見えた。
本来の姿を見ることができなかったと感じる分、どこかでまた試合を見たいと感じる。


これまで詰めて来る相手との試合が続いていた樋口。
この試合では詰める側にまわりつつも、距離をキープし効果的に左ストレートを撃ち込んでいった。
これまで死んでいた左、生きればこれほどまでに威力があるのかと驚かされた。

前評判高くプロのリングに来ながら、苦しみに苦しんだ末の初勝利。
バッティングの場面でも乱れず、「樋口はもう大丈夫」と思わせてくれた。
ようやくリングの上で見せることができた樋口のボクシングを
これからしっかり刻み付けて行って欲しい。

 

【バンタム級8回戦】
仁平 宗忍(ワタナベ) vs 溝越 斗夢(緑)

仁平 宗忍 18戦10勝(2KO)6敗2分
溝越 斗夢 13戦8勝(4KO)4敗1分


ガードを固めながら前進する仁平に対し、いきなり溝越のカウンターが炸裂。
立ち上がって再開に応じた仁平、足に来ている強烈なダウン。
猛烈なラッシュを仕掛ける溝越だったが、仁平が耐えきって1Rが終了。


2R、足を使って距離を作りながら、仁平が入ってきたところにカウンターを撃ち込む溝越。
待ちのアウトボクシングではなく、隙あらば自ら踏み込んでアッパーを叩き込む。

終盤、しつこく詰めて来る仁平に右ストレート一閃、この日2度目のダウン。
仁平再開に応じ、このラウンドが終了。


3R、ファーストコンタクトで溝越がまたも強烈な右アッパー。
いきなりグラついた仁平だがここを踏ん張る。
右フック、右アッパーと強烈に捉えられながら、変わらず詰めに詰め続ける仁平。
しかし、待ち受けるカウンターになかなか仁平の手が出ない状態。


4R、ラウンド中盤、仁平が飛び込んで右フックを浴びせる。
しかし、ダメージの蓄積もあるか、やはりこのラウンドも手数は上がらない。

溝越は右のカウンターで反撃。
自分から踏み込む場面をしっかり作る。


5R、手数を増やした仁平。両者ともジャブを細かく出す。
仁平も溝越の撃ち終わりを狙っていく。
ダメージが抜けて来たか、後半に向けて手を増やしていく仁平だったが、
溝越が連続でカウンターを叩き込んで行く。

溝越のカウンターでグラついた仁平、踏ん張って逆に攻めて出たところを
さらにカウンターで襲われ、この日3度目のダウン。

ここもあきらめずに立ち上がると、再開後、
何度も倒されているカウンターを恐れず自ら前に出ていく。


6R、仁平はこのラウンドも前進。
入るところに強烈な右アッパーを合わされるが、判定では大きく離されている展開。
かまわず前へ前へと出ていく。

ラウンド中盤以降、徹底的に足を使う溝越。
仁平の攻撃を空転させていく。


7R、右を一切出さず、仁平のパンチをかわし続ける溝越。
最終ラウンドに備えて休んでいるか、左一本でいけるというアピールか…
それとも何らかしらのトラブルか…。

突進する仁平をひらりひらりとかわし続けてこのラウンドが終了。


8R、このラウンドも突進する仁平にかわす溝越。
最後の3分にかける仁平の圧は強まり、二人の距離は接近するも
溝越は軽快なステップに加えてボディワークも柔らかに交え、徹底的に交戦を避けていく。
試合はそのまま、溝越が逃げ切る形で終了のゴング。

 

マイジャッジ 78-71 溝越

公式ジャッジ

78-71
78-71
77-72

3-0 勝者:溝越

 

後半、捌きに捌いた溝越だったが、どうやらトラブルだった様子。
絶体絶命の場面でチャンスを得た仁平だったが、溝越が足で逃げ切った恰好。
ただ、このチャンスを迎えられたのは、仁平が何度も立ち上がり続けたからこそ。
一方的に終わってもおかしくなかった試合。
あわやの状況を作り出したのは、あきらめず、恐れず、
立ち向かい続けた仁平の姿あってこそだったと思う。


前戦、徹底したアウトボクシングがポイントにならなかった試合を踏まえてか…。
足を使いながら待つだけでなく、しっかりと踏み込んでダメージブローを撃ち込んで行った溝越。
あの敗戦を経たことで、溝越がより強さを増したと感じる。

連敗脱出のランカー撃破を叶え、また日本ランカーへ返り咲くことが濃厚。
一回り大きくなった溝越が、また頂への道を登り始める。

 

【カテゴリ別】
2022年中日本ボクシング観戦記一覧に戻る

中日本ボクシング観戦記一覧一覧に戻る

カテゴリ別記事一覧に戻る

 

【日付別】
【記事一覧】2022年9月に戻る

【記事一覧】2022年に戻る

【記事一覧】に戻る

 

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました