2022/09/10 -三重・四日市市総合体育館- 第1試合～第3試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ！
【55Kg契約4回戦】
樋口 怜良(ARITOMI) vs リウ・ウェイリン(台湾)
樋口 怜良 3戦2勝(1KO)1敗
リウ・ウェイリン 2戦1勝1敗
静かに見合う立ち上がり。
オープニングヒットは樋口の右アッパー。
ガードを固めてジッと見ていくリウに対して、樋口はどんどん手を出しはじめる。
なかなか手が出ないリウに対して、ガードの上からでもおかまいなしに
ワンツーを中心に叩きつけていく樋口。
ガードが高い分、致命的なダメージはないもののリウはなかなか手が出ない。
2R、変わらずガードを固めるリウ。
ワンツーを撃ち込み、時折ガードを割るようなアッパーを撃ち込む樋口。
ラウンド中盤にはリウががむしゃらに拳を繰り出すも、
樋口はボディワークで躱していく。
3R、リウは少し距離が遠いか、そのパンチはなかなか届かず。
樋口が右で強烈に捉える場面が目立つ。
中盤にはカウンターの右がリウに強烈に突き刺さる。
終盤、飛び込んだリウの左が樋口を捉えるものの、
樋口は後続を許さず、しっかりとカバー。
最終ラウンド、お互い攻撃の比重が強まる。
サウスポーのリウに対して、右から入って強烈にヒットさせる場面を多く作る樋口。
もちろん被弾も増えたが、連続でもらうことは少なく、
上体柔らかく躱しながら自らのパンチを叩きつけて行った樋口。
撃ち合いでもはっきりと上回って試合終了のゴング。
マイジャッジ 40-36 樋口
公式ジャッジ
39-37
39-37
40-36
3-0 樋口
樋口が駆け引きで上回り、相手に手を出させなかった前半。
リウは終始攻めあぐね、樋口に封じ込まれたように見えた。
最終ラウンドの撃ち合いではボディーワークの巧さも見せつけた樋口。
これまで、攻撃力の高さを見せ、そしてジャブの精度を磨き…
その力を一つずつ解放するように、キャリアを歩んできた樋口。
今回は駆け引きとボディーワーク。
次回は何を見せてくれるのか、期待値高く次戦を待ちたいと思う。
【59.0㎏契約4回戦】
知賀 竜一(緑) vs 中根 一樹(天熊丸木)
知賀 竜一 デビュー戦
中根 一樹 デビュー戦
オープニングヒットは中根のジャブ。
右をボディに伸ばしておいて長いジャブで知賀の顔面を叩く。
丁寧な入り。
緊張感高く始まった試合だったが、1分経とうかという頃、
知賀が踏み込んで右ストレートを浴びせると、中根がぐらつく。
知賀はココを逃さず、右の強打を連続で叩き込み、足元の定まらない中根をレフリーが救出。
TKOタイムは1R50秒。
ほんのわずかな時間だったが、中根が見せたボディからジャブの流れは綺麗なもの。
さらに伸びもよく、丁寧に戦おうとするように見えた姿も「おっ」と思わせてくれるものだった。
見せ場も少ないままに早い時間に終わってしまった試合。
あのジャブからその先を見たいと感じた。
知賀は右を効かせた瞬間に攻め切った。
行ける場面で行ききれずに勝敗を入れ替えてしまう試合も多々ある。
デビュー戦、最初のチャンスをしっかりとものにした姿は見事だと感じた。
両者とも今後見どころが増していきそうな存在に感じる。
次戦のカードが組まれるのが楽しみで仕方ない。
【フライ級6回戦】
東 健史(ARITOMI) vs ポッキー 西川(緑)
東 健史 17戦6勝(1KO)11敗
ポッキー 西川 19戦7勝(2KO)10敗2分
お互いにジャブを突き合いながら右を狙い合う立ち上がり。
先に東が右で強烈に捉えるも、中盤、西川が右ストレートで東の膝を折る。
ビッグチャンスだったが、西川のスイングが大きくなりクリンチへ。
体で押し合いながら、距離ができるとお互いに右の強打を狙い合う展開。
ラウンド終盤、また西川が強烈に右ストレートを突き刺すも、
東は左右を撃ち込みながらロープへ押し込む。
2R、体で押し合う時間が多くなり消耗戦となっていきそうな展開。
西川が入ろうとしたところを東が右で捉え、今度は西川がバランスを崩す。
前に前に出る西川に対し、射程に入ったところへパンチを合わせる東。
ラウンド終盤、コンビネーションで西川の顔面を強烈に捉えた東だったが
終了間際に西川も強烈に左を撃ち下ろしてやり返す。
3R、お互い距離を置き、タイミングを計り合う中、
ラウンド中盤、西川がワンツーを一閃、東がまたも膝を折る。
しかし、ここは東が前に出てがむしゃらにパンチを振って攻め立てて盛り返す。
一発一発しっかりと力を込めて振る東。
4R、東ががむしゃらに攻めていく中、押し合った末に距離ができたタイミングで
西川の右ストレートが走り、東の顔面を強烈に捉える。
中盤にもまた同じような形で西川の右ストレートが刺さる。
接近戦で力強くパンチを振るって来た東だが、少しずつ手数が減り始めたか。
その分、西川も躱しやすくなり、なかなか東の拳は届かず。
近い距離でも西川のボディ攻撃が目立つようになる。
5R、このラウンドも西川の右ストレートがヒット。
接近戦では東が上回っていたように思えていたが、
丁寧に頭を動かす西川に、東のヒットも減り始める。
ここでバッティングカットに対してのドクターチェック。
再開すると手数が戻って来た東、押し合いながらのファイトでがむしゃらに西川の顔面を捉える。
しかし、距離ができると西川は右ストレートを飛ばす。
このストレートがクロスカウンターで強烈に東に刺さる場面も。
東のがむしゃらな手数は収まらず。
ドクターチェックで東が開き直ったか。
6R、お互い激しくパンチを交換し合う最終ラウンド、西川の右の撃ち下ろしで東の膝が揺れる。
ビッグパンチの応酬、出し尽くすような撃ち合いが展開される中で試合終了のゴング。
マイジャッジ 57-57 ドロー
公式ジャッジ
58-56
59-55
57-57
2-0 勝者：西川
手数、アグレッシブでは東。
その分、クリーンヒットの数も東が上回ったように思えた。
しかし、強烈に右ストレートを浴びせ、明確にダメージを与えていたのは西川。
西川勝利も充分納得できると感じた。
西日本から移籍してきた西川、この試合が2試合目の観戦となったが、
こんなに綺麗な右ストレートを持っていたのかと驚いた。
観客席では思わず「ポッキーストレート！」とつぶやく声もあった。
何度も何度も東の膝を揺らした一撃、今後楽しみにしていきたい。
そして、前回同じ相手に負傷判定で勝利しながらリベンジを許す格好となった東。
4回戦時代のライバルたちが先に結果を残す中、時間をかけ粘り強くA級まで登った東だったが
時間がかかった分、そのライバルたちの多くはリングを去っていた。
そんな東に新たなライバルができた。
これまでの物語も深い東だが、ここに来て彼の物語が新たな展開を迎えたことを喜ばしく感じる。
次は8回戦で見たいカード。
二人のラバーマッチを待っていたい。
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