2023/11/23 -石川・内灘町体育館- 第1試合~第3試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2023/11/23 -石川・内灘町体育館- 第1試合~第3試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

 

【ライト級4回戦】
木内 翔太(カシミ) vs 森村 怜司(とよはし)


ジャブを突きながら好戦的に攻めていくは木内の方。
下がって距離を維持しながら、木内が距離を縮めたところを迎え撃つ森村。
お互いにワンツー主体の攻防、序盤は先に手を出した木内がヒットを奪ったが
慣れるにしたがって、森村が巧く外しながら撃ち終わりを叩く場面が目立つ。


2Rに入って森村が近距離でパンチを纏めると、負けじとまとめ返す木内。
押し合いながら撃ち合いの時間が増えて行く。
隙あらば木内も纏め返すが、その頻度は森村の方が多いか。
密着した場面のボディも森村の方が多く出る。


3R、先手で撃ち合いに挑む木内。
巧く外して撃ち返す森村に主導権があるかに思えるが、
さらに手数を増して上回りにかかる…。
そんな最中、森村の右ストレートが突き刺さって木内がダウン。

立ち上がったもののダメージは濃く見える。
再開後、スリップを挟んで、森村のワンツーが突き刺さったところでレフリーがストップ。


TKOタイムは3R 2分14秒

 

猛烈な手数で襲い掛かるスタイルの森村だが、この試合では落ち着いて入っていった。
俊敏ではなくとも、しっかりと丁寧に相手のパンチを外し、
手を出すときにはしっかりとまとめていく。

揉み合いのボディもサボらない。
森村の新たな強さを見せられたようにも思う。
好戦的な相手に、しっかりと対応していったあたり、
3戦目の経験値をしっかりと生かせていたように思えた。


自分から攻めていった木内だったが、最初を外されることが多かった。
しかし、それでも先に手を出し好戦的に戦った。
外されて撃たれる…そんな展開をさらなる手数で上回ろうとした。

そんな中で受けた被弾でのTKO負け。
恥じるような負け方ではないと感じる。

思い通りに行かない展開でも、自分にGOを出せる強さはある。
プロのリングで戦って行けるものはしっかりと搭載された選手。
今後が楽しみに思えた。


木内 翔太 1戦1敗
森村 怜司 3戦1勝(1KO)2分

 

【65kg契約4回戦】
中村 康士朗(カシミ) vs 藤崎 紘成(和光)


いきなり藤崎が右ジャブでダウンを奪取。
さらに、再開後には強烈な左ストレートを突き刺した藤崎。
オーソドックス対サウスポーの間合いの測り合いの中、
飛び込んで右フックを振り抜き藤崎が2度目のダウンを奪取。
再開後には藤崎が詰めて左を叩き込んだ所でレフリーがストップ。

TKOタイムは1R 1分44秒


落ち着いていきなりのダウンを奪うと、無駄撃ちなく、
ピンポイントで強烈なダメージブローを振り抜いていた。
藤崎の強さが知ら示されるような試合。

中日本地区では負けなしのまま、これでB級昇格。
「中日本」の小さな地区でとどまって欲しくはない。

チャンスが広がるB級戦線。
切れ味鋭いそのボクシングが全国へと知れ渡って欲しい。


まだまだ固い状態のまま、痛烈なダウンを奪われ、駆け引きで翻弄された中村。
藤崎が詰めて来た場面でも、藤崎に柔らかくパンチを外された。

デビュー戦この階級4回戦の主役を張って来た男の強さを体感できたことはプラスかもしれない。
負けの数は自分より強い相手に挑んだ数。
ここから巻き返していく姿を期待したい。


中村 康士朗 1戦1敗
藤崎 紘成 7戦4勝(3KO)2敗1分

 

【女子アトム級4回戦】
石黒 紗良(トヤマ) vs 鎌田 真央(升田)


試合はゴングから好戦的なものに。
前後に距離を調節しながら的確に痛烈に捉えていく石黒。
とにかくがむしゃらに前に前に手数を出していく鎌田。


迎え撃つ石黒のパンチは強烈だが、鎌田は止まることなく、
とにかく前に出ては手を出していく。
石黒が強烈に右を突き刺して、鎌田のバランスを崩す。


3Rは押し合いの展開の中で互角の撃ち合い。
撃ち合ってはいるが、強烈に顔面を跳ね上げるようなクリーンヒットは多くない。
鎌田のガードは固く、石黒は距離と上体で外す。

ヒット数や手数ではとめどなく手が出る鎌田が圧倒。
ただし、綺麗なクリーンヒットでは石黒が上回る。


お互いにがむしゃらに撃ち合う最終ラウンド、
どんな状態でも手が出て来る鎌田に対して、なかなか手を返せない石黒。
消耗しつくすような熱闘はそのまま試合終了のゴング。


マイジャッジ 39-37 鎌田


公式ジャッジ
40-36
38-38×2

石黒から見て1-0でのドロー


何に重きを置いて採点するかによって大きく採点が変わる試合。
1名が石黒に40-36を付けたが、それも納得の範疇。
逆にアグレッシブを強く取れば、40-36で鎌田もあり得る試合だったと感じる。


ボクシングが巧いのは明らかに石黒だった。
鎌田のパンチをうまく外し、自分の強打を叩きつける。
しかし、がむしゃらに手を出して来る鎌田を捌き切れずに飲み込まれた。
ボクシングの強さにはこういう強さもある。
2分という短いラウンドの中で、馬力ある相手をどう止めるか…。

この試合に勝っていれば、B級昇格の権利を手に入れていた石黒。
まだ、C級でやり残しがあったと捉えて欲しいようにも思える。
最終的にチャンピオンになる為には、チャンピオンに勝つだけの強さを手に入れる必要がある。
強くなるために必要なドロー…そんな風にも感じ取れた。


そして、ただガムシャラなだけに見えるかもしれない鎌田だが、決してそんなことはない。
密着した状態、相手との押し合いでバランスが崩れた状態、相手との距離が空き、詰めが必要な状態。
どんな場面でも手が出て来る…普通なら出ない場面でもパンチが飛んでくる。
しっかりと上がったガードは、撃たれて止まる時間を削り取る。
攻めの時間をどんどん長くしているようにも見えた。

スピードがあるわけではない、形が綺麗なわけでもない。
それでも、とにかくやっかいで、見た目以上に強い選手。
綺麗に入るわけではないパンチを採点に反映してもらえるかが懸念ではあるが、
力のある選手もやり込めてしまえる力はあると思う。

続けて行けば結果を出してくるはずの選手。
今後の戦いぶり、楽しみにしたい。

強い強い石黒がデビュー戦の相手に引き分けた。
その理由には、鎌田が強い選手だったという結論があるように思えた。


石黒 紗良 3戦2勝(1KO)1分
鎌田 真央 1戦1分

 

【カテゴリ別】
2023年中日本ボクシング観戦記一覧に戻る

中日本ボクシング観戦記一覧一覧に戻る

カテゴリ別記事一覧に戻る

 

【日付別】
【記事一覧】2023年12月に戻る

【記事一覧】2023年に戻る

【記事一覧】に戻る

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました