2025/03/29 -愛知・愛知県国際展示場- メインイベント(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

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■IBF世界フライ級王座決定戦
【フライ級12回戦】
アンヘル・アヤラ(メキシコ) vs 矢吹 正道(LUSH緑)


最初のビッグヒットは矢吹の大きなワンツー。
アヤラも大きく振るが矢吹も反応して深くは入れさせず。
両者ジャブを突きながらの攻防だが、矢吹の左の方が鋭く突き刺さる。

入ってくるところに左フック、ダッキングしたところに右の撃ち下ろし。
アヤラの動きに合わせて矢吹の強打が突き刺さる。

ラウンド終了直前、入って左フックを繰り出したアヤラに、
矢吹の左フックが突き刺さってアヤラが痛烈なダウン。
立ち上がったところでラウンドが終了。


2R、相変わらず鋭く刺さる矢吹のジャブ。
アヤラは時折スイッチし、状況の打開をはかる。
詰めていくのはアヤラの方だが、良くて相撃ち…矢吹は上体柔らかに被弾も少ない。

ラウンド中盤、ロープ際まで詰めたところで
矢吹の右ストレートがカウンターで刺さり、アヤラがリングに手を突くダウン。

痛烈な被弾だったが、立ち上がったアヤラ、
ラウンド終盤には前に出てもらいながらもボディを連打。


3R、2度のダウンを奪われ、強烈なカウンターを食い、警戒心を高めたように見えるアヤラ。
踏み込むタイミングを探る中、手数が減っていく。
そんな中で、お互いが踏み込み合ったタイミングで両者の頭が衝突。

アヤラは右の額、矢吹は右目下。
視界に影響のある位置だが、出血は帯正しい。
ここで止まれば負傷ドローだが…ドクターは続行の判断。

終盤、圧を強めて前に出たアヤラと撃ち合いとなる中、このラウンドが終了。


4R、ここを乗り切れば負傷判定。
2度のダウンを奪っている矢吹が優位な状況…。
アヤラが撃ち合いに出る中、矢吹もさばききれず、応じるようにお互いの顔面を捉え合う。
ラウンド終盤に向かうにつれ、矢吹も落ち着いてきたか…。
強打を突き刺してサイドに飛ぶ場面を見せてラウンド終了。


5R、鋭くジャブを突き、入ってくるところを待つ矢吹。
時折、不意を突いて飛び込んで優勢を印象付ける。
後の先を取る戦い方は、矢吹のキャリア初期によく見られた戦い方。


6R、踏み込んできたアヤラに右ストレートを叩きこむ矢吹。
攻めるしかないアヤラをいなしながら、時折踏み込んで強打を放ち。
ジャブを放って、ヒットを重ねていく。


7R、じっと待ちの体制に入り、アヤラに合わせようと待ち受ける矢吹。
手が出なくなりそうな展開だが、その危険な領域に踏み込んで右ストレートを突き刺したアヤラ。
手ごたえがあったか、アヤラが圧を増して出始める。

矢吹のカウンターを浴び腰を落としてもこらえて前進。
時折、ヒヤリとする一撃を放り込む。


8R中盤、アヤラの右アッパーが刺さり、追撃の右ストレートも刺さる。
勢いを増してアヤラが出てくるが、ここはなんとかいなした矢吹。
ラウンド終盤、今度は矢吹の右ストレートがヒット。
今度は矢吹に手ごたえがあったか、矢吹が攻め込み、撃ち合いになる中でラウンドが終了。


9R、ジャブではっきりと制していく矢吹。
時折踏み込むアヤラも怖い一撃を放り込んでくるが被弾は数発。
終盤、厚みを増して攻め込んできたアヤラだが、ことごとくカウンターをあわされ、
立て続けに矢吹の強打を食う中で、ラウンドが終了。


10R、詰めはするものの、踏み込みたくも踏み込めない…そんな状態が続いていたアヤラだが、
終盤には矢吹の強打をもらいながらでも出始める。
お互いにヒットする場面は増え、両さともいったんは止まっていた血が再び大量に吹き出す。


11R、アヤラの捨て身の前進にこれまで以上に両者の拳が捉え合う場面が増え、
顔面も、リングも、トランクスも鮮血に染まっていく。
強打を浴びるのはアヤラの方だが、可能性にかけ、どれだけカウンターにさらされても前に出る。


12R、行くしかない場面でガンガンと前に出るアヤラ。
慌てることなく、カウンターで捉える中、完璧なタイミングで矢吹の右ストレートが刺さる。
首がよじれるようになりながらリングに沈んだアヤラ。
痛恨の一撃だが、スクっと立ち上がって続行の意志。

再開後、矢吹がロープに詰めてラッシュしたところでようやく試合がストップ。


TKOタイムは12R 1分54秒


劣勢の中、矢吹の強打を浴びながら前に出たアヤラ。
相撃ち上等に見えた戦いぶり、矢吹の強打を前にそれをやった。
日本人はその姿や心を大和魂と呼ぶ。
南米からやって来た王者が自分達のアイデンティティを突き刺して来た…そんな風に感じた。


そして、異国の地で見る者の心を揺さぶる世界王者に勝った矢吹。
圧倒している展開の中で、バッティングからまさかの窮地。
乗り越えてのラストラウンドKO劇。
入場曲のヒーローがこれほど似合う男はいない。
俺たちのヒーロー…矢吹もまたまごうことなき世界王者。


世界王者が世界王者に勝った試合。
次戦にはIBFの指名戦が控えているが、大きく割れた頬の傷の回復は間に合うだろうか。
遅れれば暫定が立つ可能性も考えられる。

ただ、それは先々の話。
2人の頂点が激突した試合…余韻に浸りたい。
とにかく余計なことを考えずに余韻に浸りたい。

世界タイトルマッチを見た…その感覚が押し寄せている。


アンヘル・アヤラ 19戦18勝(8KO)1敗
矢吹 正道 22戦18勝(17KO)4敗

 

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