2016/11/27 刈谷あいおいホール-ファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2016/11/27 刈谷あいおいホール-ファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
 
 

 

さて、中日本ボクシング観戦記。
何日にもわたって掲載してきた11/27に開催された試合。
ようやくファイナル。
 
 

【56kg契約 8回戦】
水野 拓哉(松田) vs ジュンドラー・M・ファウザン(インドネシア)

・水野 拓哉 11戦9勝(9KO)1敗1分
・ジュンドラー・M・ファウザン 9戦7勝(1KO)1敗1分 ※BoxRecで確認できるのは3戦3勝のみ。
 

水野は昨年の中日本新人王MVP。
今年は全日本新人王MVPの市村 蓮司(RK蒲田)をリングに沈め、地元で奥田 翔太(岐阜ヨコゼキ)に勝利。
現在日本14位にランクされている。

相手は初来日のインドネシア王者のジュンドラー・M・ファウザン。
実力未知数の不気味な相手。

WBC世界ユースタイトルへの挑戦も浮上している水野。
つまづくわけにはいかないような一戦。
 

静かな二人の立ち上がり、丁寧にブロッキングしながら
単発ながら強い一撃を撃ち込む水野。
特にボディではファウザンの顔色が変わる。

常に下がりながら、突然前に出て触るような連打を繰り出すファウザン。
かなりディフェンシブなボクサーだが、水野の入り際に合わせるパンチはけっこう鋭利。
 

2Rに入るとバッティングで水野がカット。
体を折りたたむように構えるファウザンの頭は低い位置にある。
 

3R、柔らかく水野をいなしながら、コツコツと軽打を叩くファウザン。
なかなかいやらしいボクサーである。
しかし、ボディはかなり効いているよう。
 

4R、ふにゃふにゃと上体が柔らかく、下がりながらディフェンシブなファウザン。
なかなかやりにくそうな水野。
強さは感じないものの、いやらしい巧さは感じる。
ナショナル王者の肩書に相応しく、簡単な相手ではない。
 

5R、ボディを嫌がる仕草が顕著になってくるファウザン。
水野のボディに対してフックを被せるなど、ヒヤリとさせるシーンを生み出し始める。

しかし、時は突然…。
ボディに意識が向いたファウザンのガードの隙間を狙い澄まし、
水野の右ストレートがズドン。

確実に効いているハズが、表に出さないファウザン。
さすがナショナル王者と思っていたラウンド後半…
まったく同じ形でもう一度ズドン。

立ったまま意識を失ったファウザンは、ワンテンポ遅れてリングに沈む。
糸が切れた操り人形のよう…
それでもすぐに意識を取り戻し、何とか立ちあがるが、足元がおぼつかず…。
テンカウント以内にファイティングポーズをとることができず、そのままカウントアウト。

市村 蓮司を相手に全国に名を知らしめた試合と同じKOパターン。
水野らしい勝利を飾り、次に弾みをつける。
 
 

盛り上がる会場…いつものごとくその日のヒーローとなる水野…なハズが…
この日は畑中のデビュー戦目当てのお客さんが多かったのか、
勝利者インタビューの最中からゾロゾロお客さんは帰り始める。
 

水野も畑中の名にはやはり敵わないか…なんて思いつつ、
この本当の理由は帰り際に痛感するのだが…。
 
 

兵どもが夢のあと

コーナーに固定されたボルトが緩められ、徐々に…徐々にロープの緊張がゆるんでいく。
やがてロープが取り外されると、コーナーを覆うカバーが外され、リングに上がる階段が撤去される。
丸く束ねられたロープがリングから投げおろされ、リング下の幕が取り外さる。

リングを支える鉄筋があらわになると、リング状の青いシートが外され綺麗にたたまれる。
その下から現れる黒いクッション材はくるくると丸められていき、さらにその下に詰められた
畳一枚分程の緩衝材…さらに同サイズのベニヤ板が撤去される。

リングを解体していくのは、関係者たち。
かつて華やかなリングで躍動し、未だボクシングに携わるかつての戦士たちが数多く見れる。
この風景を眺めながら、骨組みだけになったリングを尻目に帰路につく。

いつものパターンである。
 

駐車場の事前清算を終わらせ、車に乗り込む…
目の前には、駐車場から車を出そうとする長蛇の列…。

そそくさと帰った観客のその理由…これだったか…。
今日はいつもと比較するとかなりの客の入りだったと思う。
うん…僕は…きっと頭が悪い。
そんなことを痛感しながら、駐車場から車を出せたのは40分後。

今後まわりには公共交通機関の利用を強く推奨しようと思う。
 

帰り際、知り合いらしき人物と会話する水野の姿があった…。
「怪我も治さないかんし…」

指をさすマブタは青く腫れあがり、カット跡がまだ生々しかった。
WBC世界ユース…そんなビッグチャンスが目の前にありながら、
次の試合には少し時間がかかるかもしれない。
 

カットが癖になることは、選手生命を縮めることに直結する。
 

帰り際、水野の先輩であるかつての松田ジムのボクサー
松本 一也(松田)に結果をメールする。
今日は法事で会場を訪れられなかったらしい。

返信に「ここまで来るとは思いませんでした。」との一文。
得意満面の松本さんの顔が浮かぶ。
彼にとって後輩の活躍はいつだって誇らしげだ。

看板ボクサーが背負うものはいつだって大きい。
 

大満足の一日、メインが板に付いた水野の快勝でしっかり締まって終了。
この一日は、しばらく僕の自慢話になりそうだったりする。
 
 

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