2023/09/09 -愛知・名古屋国際会議場- ファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2023/09/09 -愛知・名古屋国際会議場- ファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

 

■WBOアジア太平洋フライ級タイトルマッチ
【フライ級12回戦】
畑中 建人(畑中) vs 宝珠山 晃(三迫)

畑中 建人 14戦14勝(10KO) WBO-APフライ級2位
宝珠山 晃 9戦9勝(4KO) WBO-APフライ級3位

 

緊張感の高い駆け引き合戦から始まった試合。
鋭い踏み込みから突き刺すような右ボディストレートで、宝珠山が尻餅をつくようにダウン。
タイミングのダウンのように見え、ダメージはなさそう。


ロングレンジからワンツーの撃ち合い。
両者ともパンチが伸びる。
まだどちらにも主導権があるとは言えない際どいラウンド。


3Rに入ると徐々に宝珠山が上回っていく。
宝珠山が強烈な左ストレートを突き刺して効かせると、畑中は前に出て応戦。
激しい展開となる中、宝珠山が鋭利に畑中の顔面を弾く場面が目立つ。


4R、両者はファイトを選択…試合は激しさを増す。
左を強烈に突き刺すと的確にパンチをまとめる宝珠山。
畑中大ピンチに思えたところ、強烈な右ボディで宝珠山の勢いを止める。


5R、ボディから若干動きが落ちたか、宝珠山の手数が減る中、畑中が攻勢に出る。
3R、4Rと宝珠山に傾いていた流れを引き戻す。


6R開始直後、畑中の右ストレートで宝珠山が膝を揺らすが、ここはクリンチ。
撃ち合いは続いているが、宝珠山の手数が少ない。
より激しさを増しそうな後半に備えているか…。


7R、一気にギアを上げた宝珠山が小さなアッパーを突き上げる。
右ストレート、右ボディも強烈に畑中を襲っていく。
畑中は体で押し込みながらボディから上へと返していく。
撃ち合いは一進一退だが、宝珠山が回転で勝るか。


8R、お互い間違いなく効いている状況。
左目を腫れあがらせた畑中。
至近距離の撃ち合いで頭もガンガン当たる。


9R、畑中が強烈にボディを襲い、宝珠山の体を折る。
左のガードが下がった状態…宝珠山の形が崩れたようにも見える。
終盤に来て畑中が一気に有利な状況へ…。


10R、なんとここから宝珠山が攻勢を強める。
激しくパンチを交換し合う中、宝珠山がラッシュをかける。
パンチを返す畑中だが、右目の腫れも激しく、ガードにこもればストップも心配になる状況。

この場面での宝珠山のラッシュは捨て身にも感じられる…ここをなんとか乗り切った畑中。


11R、あれだけのラッシュの後…宝珠山が落ちるかと思いきや…。
10Rに見せたラッシュほどの勢いはないモノの、明らかな疲弊はなし。
両者真っ向から撃ち合う激しいラウンドになる。


12R、死力を尽くした両者が最後の力を振り絞っての撃ち合い。
客席の熱気も上昇し続け、大声援が飛び交う。
ポイントでは明らかな接戦…どちらが獲ったか…譲らないまま試合終了のゴング。

 

マイジャッジ 114-113 畑中

隣で見ていたファンは宝珠山の判定勝利を予想。
どちらについてもおかしくない。
スイングラウンドも複数あった。


公式ジャッジ
114-113
115-112
115-112


3-0 畑中

 

9Rのボディに苦しんだ場面。
10Rの捨て身にも見えたラッシュで畑中が生き残った場面。

畑中が「勝った」と思えた瞬間は何度もあった。
これだけボディを効かされて消耗しないはずがない、終盤のラッシュで消耗しないはずがない…。
そんな場面をことごとく乗り越えて宝珠山は、畑中を上回るラウンドを作った。

信じられない光景を何度も見せられた気分だ。
全日本新人王獲得後、上位ランカーとの対戦はないままにこの舞台に挑んで来た。
ただ、この試合ではっきりとその資格が充分にあったことを示した。

国内フライ級戦線にしっかりとその名を轟かせた試合になったように思う。

 

この苦しい試合を乗り切ってWBOアジア太平洋王者となった畑中。
日本ランキング上位に名を連ねながら、そこに相応しい実力を兼ね備えるまで…
じっくりとその拳を磨き続けてのこの舞台。

満を持しての戦いは、勝利というノルマの重みは大きかったように思う。
この試合に勝つために、じっくりとじっくりと多くの時間を消費した。
勝たねばならぬ試合に立ちはだかった強敵…、この試合を勝ったことは
世界ランキング入り以上に意味があるようにも思う。

ここからはWBOアジア太平洋王座獲得で手に入る世界ランキングを上げていく戦い。
ビッグチャンスを手に入れるその時まで、挑戦者として相応しいことをアピールする道のりになる。
これまで以上にシビアな道…元の顔がわからなくなるほど顔面を腫らせた新チャンピオン。
一回り大きくなる試合を経て、新しい領域の戦いへ挑んで行く。

 

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