2025/03/23 -静岡・浜松アクトシティ- 第1試合~第4試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
【スーパーフェザー級4回戦】
淵上 慶(西遠) vs 杉山 光輝(駿河男児)
ワンツーを繰り出しながら距離を詰め、右ボディを突き刺す渕上。
大きく力強く振りぬく杉山に対し、淵上は細かくワンツーを出していく。
ラウンド中盤には杉山をロープに追い込み、右の打ち下ろしをヒットさせる。
終盤に入ると、今度は杉山の力のこもった右ストレートが淵上を捉えるようになる。
2Rは杉山の右ストレートから試合がスタート。
上体柔らかく淵上のパンチをかわしながらテンポよく強打を撃ち込んでいた杉山だったが
淵上の右ストレートを被弾して腰を落とす。
以降、杉山が体をあずけて、回復を計る場面が目立つ。
3R、ヒット数的に上回られる展開に、淵上は焦ったか、
スリップした杉山を攻め続けてしまう。
ここは強めな注意を与えられ、杉山に休息が与えられる。
再開後、強烈に右を叩きつけ、攻めていく杉山。
入り際、アッパーから入るなど、強烈に淵上を捉える杉山だが、
乱戦の中での被弾でバランスを崩し、あわやダウンのピンチ。
4R開始直後、淵上の左フックでついに杉山が手をつくダウン。
再開後、レフリーが割って入るシーンでも、ブレイク後に手を出してしまう淵上。
なりふり構わず、相手を殴ることしか頭にないか…。
がむしゃらに攻め続けて試合終了のゴング。
マイジャッジは38-37 杉山
公式ジャッジ
39-36×2
38-37
3-0 勝者:淵上
ヒットの数では杉山が上回っていたように見えた。
しっかりとクリーンヒットを奪ってはいたが、2R以降、
毎ラウンド効かされてピンチに陥る場面があった。
劣勢ラウンドを淵上が一発でひっくりかえしていった結果といった印象。
スリップ後、ブレイク後の加撃はデビュー戦のがむしゃらさが故にも見えた。
減点が入ってもおかしくないようも見えたタイミング。
4Rの短い試合、1点の減点で勝敗が入れ替わってもおかしくない。
ダウンを奪いはしたものの、淵上にとっては薄氷の勝利だったように思える。
固さも感じられたが、固いままがむしゃらに走り抜けた淵上。
おそらく、この日見せた姿より強い選手なはず。
2戦目の姿、楽しみにしていたいと思う。
杉山に関しては、もちろん「効かされる一撃」をどうもらわないようにするかもあるが
効かされた時にどうごまかすかもあるように思う。
そういった狡さも経験値がもたらせてくれるもの。
がむしゃらにワンツーを繰り出してくる相手を、ボディワークでいなし、
反撃を強烈にたたき込んでいた姿には非凡さも感じる。
デビュー戦は落としたが、「強くなる選手」と思えた。
先々が楽しみに思える…そんな二人の試合で今年の中日本開幕となった。
淵上 慶 1戦1勝
杉山 光輝 1戦1敗
【スーパーバンタム級4回戦】
中井 裕人(西遠) vs 木村 奈椰(岐阜ヨコゼキ)
ゴングとともに攻め込んでいく木村。
デビュー戦のサウスポー、中井は落ち着いてカウンターで迎え撃つ。
ラウンド中盤には誘い込むように下がる木村、前に出ても下がっても攻撃的。
力強く木村が攻める中、木村の左フックでバランスを崩した中井がダウン。
ダメージは大きくなさそう。
再開後は落ち着いて木村のパンチをかわしてく中井。
じっくりと見ながら飛び込んでいく木村の攻撃はやまず。
ラウンド後半には中井がプレスをかけていく場面も。
木村が出れば中井が下がり、中井が出れば木村が下がる。
距離の駆け引きがめまぐるしい。
前に出てくる木村に、下がって距離を維持しながらカウンターで捉える中井。
中井がプレスをかける場面では、木村が不意を突いて飛び込み力強く拳をぶつける。
木村の拳に空を切らせながら、入り際を左ストレートで捉える中井。
木村が飛び込んだ場面でクリンチになる場面も増えていく。
3R、中間距離での長いパンチの攻防はリーチ差の分、中井が上回るか。
飛び込み勝負となる木村だが、飛び込んだ場面も巧く中井がいなしていく。
時折、右フック、左アッパーで強烈に捉える。
木村が強引に押し込んでも、中井の上体は柔らかくなかなかとらえきれない。
しかし、ラウンド終了間際、木村が強引に体で押し込んで左フックで捉える場面を作る。
木村がダウンを奪ってはいるが、ポイント的にはきわどくなった最終ランド。
強烈に左ストレートを突き刺されながらも、右フックを叩きつけた木村。
腹をくくったように押し込んでいく。
ラウンド中盤には中井の左ストレートが強烈に刺さり、
効かされたようにも見えた木村だがそれでも前に出る…
中井もまた、被弾しても焦らず落ち着いて崩れず。
試合は終了のゴングを迎える。
マイジャッジ 38-37 木村
公式ジャッジ
38-37 中井
38-37×2 木村
2-1 勝者:木村
デビュー戦から落ち着き払った中井に驚いた。
いきなりダウンを奪われた劣勢の展開でも乱れず、自分のボクシングを貫いたようにも見えた。
上体の柔らかさも目を引き、木村のスリリングなスイングにも冷静に対処。
底知れぬ胆の深さを感じた…この選手が今後どんな戦いを見せていくのか。
木村にとってはダウンを奪いながらもきわどい展開となった試合。
守りに入り切ってしまえば、取りこぼしもあり得たように思う。
攻めの姿勢が結果をもたらせた試合に見えた。
まだ強くなる、まだ巧くなる。
ただ、デビュー戦から見せている攻めの姿勢は木村の魅力そのもの。
この先、実力や肩書を飛躍させても、その魅力は変わらずにいてほしいと感じた。
中井 裕人 1戦1敗
木村 奈椰 2戦2勝
【スーパーライト級4回戦】
堀田 悠真(駿河男児) vs 齊藤 裕大(KG大和)
オーソドックスの堀田と、サウスポーの齊藤の戦い。
お互い前の手をつぶし合いながら、奥の手の大砲を撃ち込むタイミングを探り合う。
ラウンド中盤、堀田が右を突き刺すと、その後続打も立てつづけに突き刺してみせる。
上と見せて、ボディへ右を持っていく場面を見せた堀田。
まずは堀田が駆け引き勝負を制したか。
主導権を握った展開でより堀田の動きがよくなっていく。
先に先にフェイントをかけ、齊藤を動かしながら鋭くとらえていく。
翻弄されているようにも見える齊藤だが、時折狙いすましたような左ストレートを返す。
3R、左ボディからパンチをまとめた堀田。
効かせた場面、クリンチを許さず突き放すとリングに倒れる。
立ち上がった齊藤に対し、レフリーはそれ以上の続行は許さず。
TKOタイムは3R 1分33秒
対サウスポーで、奥の手勝負を制すると、そのまま主導権を渡さずに勝利まで駆け抜けた堀田。
付け入る隙をほとんど与えなかった姿には、強さを増した印象と併せ、
サウスポーへの強さを感じさせてくれた。
自信がボクサーを強くするのはよくあること。
ベルトを巻いた選手の多くがより強くなるのはそういった部分もあると思っている。
1Rをはっきり制し、堀田の動きは尻上がりに良くなっていった。
自信で強くなる選手…この勝利でさらに力を伸ばしてくれると感じた。
劣勢に回った試合の中でも、左ストレートのタイミングはスリルがあった。
火を噴くことはなかったが、試合展開を変える可能性は秘めていたと思っている。
大幅負け越しながら、B級まであと1.5勝と迫る選手。
B級選手となって、中日本で見れる日を楽しみにしている。
堀田 悠真 3戦2勝(2KO)1敗
齊藤 裕大 10戦2勝(1KO)7敗1分
■中日本フェザー級新人王準々決勝
【フェザー級4回戦】
吉田 真虎(西遠) vs 土橋 友翔(LUSH)
とにかく前に出て鋭く撃ち込んでいく吉田。
下がりながらカウンターを撃ち返していく土橋。
時折足を止めて応戦する土橋だが、吉田がとにかくしつこく前に出て手を出していく。
2Rも前に出る吉田。
迎え撃つ土橋のパンチも鋭利だが、押し返すには至らず。
手数とヒットで大きく差がついていく。
前に出る吉田に対し、踏み込んだ土橋。
頭が激しくヒットし、土橋がリングに崩れ落ちる。
レフリーが土橋に回復のためのインターバルを与える。
ここから展開が変わる。
再開後もしつこく前に出る吉田に、下がる土橋は手数を増やし、
詰めてくる吉田との隙間にパンチを滑り込ませていく。
3R、鋭利に強烈なダメージブローを突き刺す土橋。
しつこい吉田が止まることはないが、吉田の手が出る前に土橋が拳を突き立てることで
吉田の手数を抑え込み、ヒット数でも土橋が上回り始める。
それでも、吉田の選択は前進のみ。ファイターの生きざまを体現する。
4R、より圧を強めて前進する吉田。
入る前を叩き続ける土橋。
被弾しても被弾しても前進し続ける吉田。
強烈な左ボディで一瞬土橋の動きが止まったように見える場面も。
ラウンド後半になるにつれ撃ち合いになる場面も増えていくが
わずかながら回転も土橋が上回るか…。
それでも、前に出てボディを叩き続ける吉田。
試合は熱量を増しながら終了のゴング。
マイジャッジ 38-38 優勢点:土橋
公式ジャッジ
38-38
39-37×2 土橋
2-0 勝者:土橋
展開如何にかかわらず、ファイトを貫いた吉田。
試合には敗れたが、自分がどういうボクサーなのかは見せつけた。
後半を制されたが、こういった展開をどう打開するかの引き出しはきっとこれから。
敗れた試合ではあれど、プロボクサーとしてのシルエットを刻んだ試合。
手ごたえとして欲しいと感じた。
デビュー戦の土橋は、いきなり吉田を持て余す劣勢の展開だったが、
バッティングをきっかけに展開を変えていった。
ある意味、落ち着けるタイミングが訪れたのは幸運だったかもしれないが、
運が絡まないスポーツは存在しない。
その運を勝利につなげられることこそが強さだとも感じる。
また、短い4Rの中で、いったんは相手に流れた展開を引き戻すのは至難。
それを成し遂げたところにも、土橋が好選手であることが示されているようにも思う。
この勝利で準決勝へ進出。
5月18日の富士サンメッセで優勝候補の植松 風河(駿河男児)と対戦する。
植松に匹敵するような力を見せつけた試合ではない…下馬評を覆すような内容ではなかった。
しかし…接戦を切り抜けたからこそ手中にした経験値もあるはず。
土橋がどんなドラマを巻き起こすか…決戦を楽しみにしていたい。
吉田 真虎 2戦1勝(1KO)1敗
土橋 友翔 1戦1勝
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