2017/11/19 じゅうろくプラザ-1試合目~3試合目(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2017/11/19 じゅうろくプラザ-1試合目~3試合目(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
 
 

【50.5Kg契約4回戦】
栗原 祐樹(和光) vs 中山 慶伍(駿河)

・栗原 祐樹 1戦1敗
・中山 慶伍 3戦1勝(1KO)2敗
 

1R開始のゴングとともに攻めていく栗原。
強烈な右ストレート、さらに左ボディアッパーを叩き込む。

猛烈に攻めてくる栗原に対し、中山は相手の大きな右ストレートに
ジャブを合わせて栗原の突進を一旦止める。
その後も攻めていく栗原、ラウンド中盤には中山をロープ際に追い込む。
ウィービングする中山に対して、タイミングを合わせたアッパーを複数叩き込む栗原。
さらに追撃の左フックで中山の腰が落ちるが、ここはなんとか踏みとどまる。

手数の止まない栗原に対し、押し込まれそうになりながらも、
合間に強烈なパンチを差し込んで対抗する中山。
特に威力のあるボディは目を引く。

ラウンド終盤、下がっていた中山が、開き直ったかのように撃ち合いに突入すると
強烈な右ストレートをヒットさせる。

ここからの猛烈な激戦を匂わせて1Rが終了する。
 

2R開始直後から猛烈な打撃戦。
手数で劣っているように見えた中山だが…狙い澄ましていたかのようなカウンターの右フックを一閃。
栗原はリングで大の字に失神。

レフリーはカウントを途中でストップし、中山の勝利を宣告。
わずか一瞬で勝負が決まる。
ピクリともしない栗原、タンカが運び込まれるが、最後は無事に立ち上がって自分の足で退場。
 
 

栗原の猛烈な手数、結局4Rまで見ることはできなかったが、
あれを最終ラウンドまで続けられたら、相手にとってはたまらないだろう。
ダッシュで自分を追い込んだ回数はイコール手数…なんてふうにも言われる。

これで2戦連続KO負け…ディフェンスに問題があることが認識できれば、今日の負けは無駄じゃない。
少し休んだら、初勝利を目指してまた走って欲しい選手。
手数が産み出す熱量は、きっと観客席にも届く。
 
 

中山はこれでイーブン。
猛烈な手数の中で、完璧なタイミングで決めたカウンターの一撃。
ラッキーパンチだなんて思えない。

来年の新人王戦にエントリーするとのこと。
階級がどこになるのか…組合せの発表が楽しみ過ぎる。
 
 
 

【スーパーフライ級4回戦】
松田 優希(市野) vs 岡﨑 駿一(中日)

・松田 優希 2戦1勝(1KO)1敗
・岡﨑 駿一 1戦1勝
 

“イケメンゴリラ”こと松田が登場。
今回もゴリラのマスクを被って登場。
陽気な音楽に合わせて、観客の手をとり可愛らしくダンスするゴリラ…。
 

いいぞ!!!!…もっとやれ!!!
 

1R、様子見で接触の少ない立ち上がりの中、フレームで上回る岡崎が長いボディを差し込む。
ラウンドが中盤を超えると、一気に距離を詰めた松田がボディを捉え返すも、
合間合間で岡崎が左右フックを叩き込み、松田の顔面を跳ね上げる。

下がりながら応戦する岡崎、攻め込んでいく松田。
攻防は一進一退の中、お互いの強烈なボディショットの音が響く。

さらに今度は岡崎が前に出て松田をコーナーに詰めると、力のこもった強烈なボディで松田の腹をえぐる。
対して松田は細かいパンチをまとめて応戦。
お互い増えてきた頭の衝突を気にする。
 

2R、頭をくっつけての猛烈な撃ち合いの中、押し込んでいくのはフレームのある岡崎の方。
力を込めて振るう岡崎に対して、細かいパンチで顔面を捉える松田。
カウンターの左右フックで松田の画面を跳ね上げ、しょっぱなからラストまでボディをえぐり続ける岡崎。
 

それでも、真正面から対抗する松田に、両者の撃ち合いは一気に熱を増す。
市野のボクサーは、相手をも熱くする…デビュー戦で巧さを見せた岡崎が、猛烈な撃ち合いに身をうずめ…。
3R、4R…後半の6分間、二人の撃ち合いが続いて行く。

押し込んでいくのは岡崎、そして強烈にボディを捉えるのも岡崎だが、
押し込まれながらも細かくコンビネーションで攻める松田はヒット数では上回って行く。
何を重視するかで真っ二つになるかもしれない…そんな予感の中で最終ラウンドが終了。
 

マイジャッジ 38-38
 

判定は3-0
40-37、40-37、39-37

勝者:岡崎
 

押し込み続けた岡崎を3名のジャッジとも支持。
はっきりしたラウンドがなかったとも思える試合、出た採点は納得の範疇。
ポイントは開いたが、各ラウンドごとの差はわずかだったと感じる。
マイジャッジをあまり信用しない自分ではあるけれど、
それでも一方的な試合とは言えない内容だったと感じる。
 
 

松田…まだまだ楽しませてほしい存在。
岡崎が強かった。

ゴリラのマスクをかぶって登場するような男だが…実はとっても真面目なんじゃなかろうか。
そんな風に思わせてくれるボクシング。
来年の新人王、エントリーするなら変わらずに注目したい。
何より、僕自身が、松田というボクサーを楽しんでいる。
こんな奴、本当に好きだ。
 

岡崎は勝利者インタビューで「KOで勝ちたい」とプライドをのぞかせる。
巧くて強い…中日本のスーパーフライ級4回戦はなかなかの激戦区になりつつある。
相手の土俵で結果を出したこの試合、しっかりと評価されて欲しい。
この選手、エントリー状況次第だが、多分来年の中日本新人王本命として名前を出すことになると思っている。
 
 

【50.0Kg契約4回戦】
稲塲 太一(岐阜ヨコゼキ) vs 中村 潔(ARITOMI)

・稲塲 太一 1戦1敗
・中村 潔 7戦2勝(1KO)5敗
 

1Rからいきなり攻めて出る中村。
稲塲は旺盛な中村の手数をガードで防ぎながら、左右フックをカウンターで3連発。
その後は両者、頭を密着させての撃ち合いが展開される。

ひたすら手を出し続ける中村に対し、巧く外しながらカウンターを差し込む稲塲。
しかし、中村はもらってもその手を止めることはない。
何度も何度も、ボディを強く叩きながら上へも返していく。
 

2R、延々と手を出す中村に対し、手数が減っていく稲塲。
顎が上がり始め、ボディーワークも止まり始める。
手を出せば当たる…が、中村の圧力に対して手が出せず…ズルズルに押し込まれて行く。
ボディをが効いてきたのか、ガス欠か…みるみる消耗。

しかしラウンド終了直前、稲塲が意地を見せ、カウンターで撃ち降ろした右が中村のテンプルを急襲。
一瞬、中村が揺れる。
ここでラウンド終了のゴング。
 

3R、「もう来るな!」
…そんな声が聞こえそうな稲塲の背中。
激しく消耗し、離れたい稲塲は足を使って距離を取ろうとするが、追いかけ回す中村。
ひたすらに距離を取り、ガードを上げていることさえしんどそうな稲塲。

無慈悲にも中村のアタックは止まることはない…地獄に引き摺り込まれるような苦しさを感じる。
ラウンド終盤にはほとんど手が出なくなる…「レフリー止めろ!」そんな声が出てしまう。
ダメージはないかもしれないが、手が出ず、ガードも緩く、アゴも上がっている。
 

4R開始から、先ほどのラウンドの再現。
稲塲は1分間のインターバルで回復せず。
ラウンド開始間もなく、手が出ない稲塲をレフリーが救い出す。
 

TKOタイムは4R 0:39。
 
 

これで2戦連続のKO負けとなった稲塲。
1Rの段階では、中村を上回っていた。
早いラウンドで消耗してしまったのは、スタミナ切れか、ボディが効いたのか…。
この負け方は、本人が一番キツいと思う。

リング上、試合中も地獄のような苦しみだっただろうが、明日からはもっと辛いんじゃないだろうか。
ここからの奮起を期待したい、拳が二つあれば、いろんなものをひっくり返せてしまう。
それは全てのボクサーが持っている可能性だ。
 

中村は、本当に不器用なファイター。
戦績が示す通り、勝ち続けるボクサーではないだろう。
しかし、この選手が勝つ試合は、強烈なインパクトを残す。
繰り返すが、手数は追い込んだダッシュの証明…試合間の努力がリング上に滲み出てくるボクサー。
いつかずっと忘れられない一戦を、観客の脳裏に刻みつけるのは、こんなボクサーだったりするものだと思う。
 
 

 
 

【カテゴリ別】
2017年中日本ボクシング観戦記一覧に戻る

中日本ボクシング観戦記一覧に戻る

カテゴリ別記事一覧に戻る
 
 

【日付別】
【記事一覧】2017年11月に戻る

【記事一覧】2017年に戻る

【記事一覧】に戻る
 
 

 
 

各選手の戦績はこちら。
ボクシング選手名鑑
 
 

コメント

タイトルとURLをコピーしました