2017/6/11 刈谷あいおいホール-セミファイナル、ファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
【ウェルター級10回戦】
丸木 和也(天熊丸木) vs ヨスマー・クフィ(インドネシア)
・丸木 和也 24戦19勝(12KO)5敗
・ヨスマー・クフィ 23戦13勝(6KO)10敗 インドネシアウェルター級1位
パンフレットを見てみるとヨセフ・マリアヌス・ケフィとの表記。
BoxRec上の戦績は13戦5勝(4KO)8敗だが、パンフレットの戦績は21戦13勝(6KO)10敗のよう。
…ん?パンフレットの戦績、足し算がおかしい。
とりあえず、勝敗を足した23戦と表記しておく。
新人王獲得後、慢性的な腰痛に苦しめられた丸木兄。
数年間の空白を置いて再スタートを切るも、韓国ランカーのパク・チャンヒ(韓)に敗北。
あの日、日韓対抗戦と銘打たれた試合では、丸木の敗北を含めて、日本勢の1勝2敗。
決して咬ませに喰われた訳ではなく…ガチンコの対抗戦。
あれから1年以上、再起のリングを決意した丸木兄。
無事に順調な再起を飾ってくれることを祈って試合開始のゴング。
相手のケフィは単身乗り込んで来たのか、セコンドは日本人2名のよう。
ネックレスに祈りを込めてから外し、セコンドに預ける。
試合が開始…様子見の静かな展開の中、丸木が強烈なボディを叩き込むとケフィは効いてないアピール。
一旦流れが切れたようなタイミングで不意を突くように攻めるケフィ。
強く振るパンチには迫力があるが、単発の攻撃の為、丸木を捉えるには至らない。
ボディを叩かれる度に、両手を上げて効いてないポーズを繰り返すケフィだが…
毎回毎回行うので、ちょっとしつこいくらい…。
3Rには散々ボディを叩かれて、ケフィのスイッチが入ったか、
プレッシャーをかけて丸木を追いかけ始めると、右のオーバーハンドが丸木を捉える。
一瞬膝を折る丸木…やはりパンチは強いよう。
しかし、ケフィのプレッシャーは長く続かない。
追撃を防いだ丸木…一旦試合がこう着すると、ケフィはそのプレッシャーを解いてしまう。
ペース配分に配慮してのことなのか…。
4Rに入ると、これまでボディ中心にヒットを奪っていた丸木だが、顔面へのヒットも増え始める。
中でもケフィのジャブに対し、サイドにかわして、ケフィの左腕の下をくぐらせるようなアッパーは強烈。
しかし、ダメージをおくびにも出さないケフィはなかなかタフなよう。
そのまま、丸木のボディから顔面への撃ち分けがケフィを捉えていく展開が続いていくが…
6R、ケフィの右ストレートに、丸木の右ストレートがカウンターでドンピシャ。
グニャリと潰れるように失神したケフィに対し、レフリーが即座に試合をストップ。
担架に乗せられる直前に意識を取り戻したケフィだが、何が起こったか理解できていない様子で周りを見渡す。
大事を取ってか、立ち上がることはせず、そのまま、担架に乗せられ控室に運ばれていった。
KOタイムは6R 2:52
「こんな相手に時間がかかって…」
…とは、勝利者インタビューの丸木のセリフ。
新人王を獲得するまでが第1章。
その後、腰痛で何年も棒に振り、そこからの復活が第2章。
前戦で敗れ引退も考えたが…ここからが第3章とのこと。
腰にベルトを巻けるように頑張る…。
その言葉、実現してほしい。
父は名古屋で初めて世界戦を戦った天熊 丸木(常滑)。
名古屋で世界戦など考えられなかった時代だったと聞く。
紆余曲折、遠回りを繰り返した丸木 和也…ここからのベルト奪取は奇跡にも思える。
しかし…その体に流れる血は、誰もが想像しなかった奇跡の舞台に立った男の血。
最も身近に、奇跡の起こし方を知る男がいるのだから…期待しない手はない。
【スーパーウェルター級 10回戦】
丸木 凌介(天熊丸木) vs ロッキー・イラワン(インドネシア)
・丸木 凌介 18戦13勝(8KO)4敗1分
日本スーパーウェルター級3位
OPBFスーパーウェルター級10位
WBOアジア太平洋スーパーウェルター級4位
・ロッキー・イラワン 12戦9勝(3KO)2敗1分 インドネシアウェルター級2位
試合開始から一気に攻めて出る丸木。
ボディから顔面への攻撃がイラワンを捉えていく。
イラワンは強振するが丸木は芯を外してどこ吹く風。
多少のヒットはお構いなしに攻めていく。
クリンチに逃れたイラワンは離れ際を狙うも、完璧に躱されてしまう。
丸木のパンチが一方的にヒットする展開が続いた1R。
終盤にボディからの右が炸裂して、崩れ落ちるイラワン。
完璧な一撃に、レフリーが試合をストップ。
KOタイムは1R 2:42
起き上がれないイラワンに、担架が持ち出されるも、乗る頃には上半身を起こしていたイラワン。
うまくコミュニケーションが取れていなかったのか、リングから担ぎ出された後、
「何故担架に乗せるんだ!」とも言いたげに、担ぎ手の手を叩き、花道の途中からは自分で歩いて退場。
憮然とした態度からは悔しさがありあり…。
勝つ気がないなら見せれない態度。
無気力咬ませとの試合とは違う。
この試合は丸木 凌介にとって、OPBF東洋太平洋タイトル挑戦の前哨戦。
実力的に差があるマッチメークではあったが、肩書的にはナショナルランク2位。
快勝で乗り切ったことにホッと胸をなでおろす。
「絶対に兄弟でチャンピオンになります!」と宣言した丸木 凌介。
さらに父の丸木会長が、タイトルマッチは8月後半になると明かす。
名古屋にOPBF王者が産まれることになるのか…。
また、タイトル戦が名古屋で見れるのかも合わせて気になるところ。
KO決着の多かったこの試合。
疲労感はさしてない。
激戦も多数あり、満足感はたっぷり…。
先々に期待する面々も見つかった。
そして、もうひとつ。
セミファイナルとファイナルの合間に行われた引退式。
ランカーとして中日本を沸かせた小出 大貴(緑)。
ついに彼がテンカウントゴングを聞くこととなった。
この様子は別枠で書きたかったので…。
時間軸が前後してしまいますが、また次回ということで。
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