大!激戦! ラリー・ホームズ(米)⑫ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/06/09
前回はラリー・ホームズ(米)が圧倒的な内容で14度の防衛を飾ったところまで。
次戦の相手はティム・ウィザースプーン(米)
直前の試合ではホームズに善戦したレオナルド・スナイプス(米)を破っています。
15戦15勝で駆け上がって来た26歳の若武者。
かつてモハメド・アリ(米)とホームズが戦ったとき、アリ側のスパーリングパートナーを務めたのが
このウィザースプーンです。
このときホームズは33歳ですから、その差は7歳。
ジェリー・クーニー(米)以来の骨のある挑戦者になりそうな相手です。
開始数秒で刺しあったジャブのスピードは互角。
ボディワークもフットワークもほぼ同じスピード。
ケン・ノートン(米)のようにクロスアームで構えるウィザースプーン。
フェイントの駆け引きで先にジャブを突き刺したのはホームズ。
しかしホームズのコンビネーションを右手一本で全てガードするウィザースプーン。
しょっぱなのラウンドからハイスピードの攻防が展開されます。
2Rに入るとジャブの刺し合いで上回り始めるウィザースプーン。
下へは強烈なボディを入れていき、ホームズが攻めあぐねる。
しかしホームズも終了直前に強引に右をねじ込んでこのラウンドが終了。
3R、あまりにも強固なウィザースプーンのガード。
しかしその上からでもジャブを叩いてリズムを作るホームズ。
次第にホームズのジャブがヒットし出す。
ウィザースプーンも強烈なボディをいくつも叩き込む。
ホームズが強引に右フックを撃ち込んだ終了直前。
ウィザースプーンも強引に右フックを叩き込む…。
どちらに転んでもおかしくないラウンドが続く…
4R、ホームズのジャブをもらいながら右ストレートでお返しするウィザースプーン。
高速のジャブが飛び交う主導権争い。
肉眼で正確にヒットが追えるのかどうか…。
角度によっては採点が大きく別れそうにも感じます。
5R、ホームズのコンビネーションがウィザースプーンのガードの隙をつく。
しかし、ウィザースプーンもフックのコンビネーションでホームズをコーナーに追い込む。
展開に変化はあっても、一進一退は変わらず…
6R、徐々にジャブの刺し合いで上回り始めたホームズ。
お互い決定的なパンチは生まれない中、前半6Rの攻防はラウンドマストで見ても互角か…
7R、お互いの駆け引き合戦に両者消耗してきたか…
試合は足を止めての撃ち合いへ…猛烈な強打がヒットし合うインファイト。
まさにTheド突き合い…ホームズのこんな試合、初めて見たかもしれない。
8R、ジャブで刺していくホームズに対し、ウィザースプーンは強烈なボディを重ねていく。
また序盤の展開に戻りかけたかようなこのラウンド…しかしこれは嵐の前の静けさ…。
9R、強引に距離を詰めようとしはじめたウィザースプーン。
ロープ際でクリンチに逃れ、気を抜いたホームズへショートアッパー。
モロに入ったホームズはずるずるとウィザースプーンの連打をもらう。
ここは逃れて一旦試合が落ち着くかと思いきや…
今度は撃ち降ろしの右を連続でヒットするウィザースプーン。
大きなアッパーを返したホームズにカウンターの右フックを炸裂させる。
一気にコーナーに追い込まれ、滅多撃ちにされるホームズ。
なんとかコーナーを逃れるも、よろよろと反対側のロープまで後ずさり…。
ここで追いかけるウィザースプーンに…なんと強烈な右を叩きつけるようにブチ込むんだホームズ。
今度は逆にウィザースプーンが追い込まれる。
お互いがダメージを残してへろへろになりながら、
体をくっつけて大振りフックの叩き合い…。
超のつくボルテージの上昇。凄まじい戦いです。
10Rもその熱をそのまま残したまま。
しかしダメージからか強引に詰めれなくなったウィザースプーンに対し
足を使って左を刺すホームズ。原点に立ち返ります。
対するウィザースプーンもこのラウンド後半には足を使ってホームズに左を突き刺す。
このラウンドもどっちに転んだかわからないラウンド…。
11R、お互いに顔面が腫れ上がったこの試合。
ホームズがジャブから主導権を握ろうとする。
ウィザースプーンは消耗からスピードが鈍る。
しかし、強烈な右フックをいきなり叩き込むなど譲らない。
12R、フットワークを使って捌くウィザースプーン。
しかしそれをワンツーで捉えるホームズ。
お互い足を止めてもどちらがペースを持っているかはっきりしない。
最初から最後まで拮抗し続けた試合の終了のゴングが鳴ります。
勝ちを確信して両手を上げるウィザースプーン…。
しかし、ラウンド自体は拮抗しつづけた…。
正直どちらかに大差がついても理解できてしまう…。
まず最初にスプリットデジジョンであることが知らされると大きなブーイング。
歓声と怒号が入り混じるなか…発表された採点は…。
115-113、118-111、114-115…ラリー・ホームズ。
歓喜のホームズ側コーナーと、怒号と歓声の客席。
僕のマイジャッジは116-114でウィザースプーン。
何を獲るかによって、判定が割れておかしくない試合…。
きわどくホームズが政権を維持します。
このウィザースプーン、その後ホームズの王座返上を待ってWBC世界ヘビー級王座を獲得。
長期政権は築けなかったものの、その後、WBA世界ヘビー級王座も獲得するなど
ホームズ以後の時代の重要なキャラクターへとなっていきます。
この試合から次戦までの間に、この頃新興団体だったIBFから
初代世界ヘビー級王者に認定されたホームズ。
このことが後々にホームズのキャリアに影響を与えます。
そんなところはまた次回。
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