ドロップキック!! ラリー・ホームズ(米)⑧ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/06/01
さて、前回はモハメド・アリ(米)との戦いを圧倒的に制して8度目の防衛を飾ったラリー・ホームズ(米)。
前の時代のレジェンド、モハメド・アリを打倒し、ここから本当の意味でのホームズ時代へと突入していきます。
続いての相手はトレバー・バービック(ジャマイカ)。
のちにWBCのベルトを巻くなど、長く世界ヘビー級のトップ戦線で活躍する選手。
モハメド・アリの最後の試合を務めた選手で、ジョン・テート(米)を下したKOは伝説ともなっています。
また、世界王者だったころにマイク・タイソン(米)を挑戦者として迎え、
タイソン時代の幕開けに敗れ去ったのもこの選手。
そんな色濃いバービックの世界初挑戦がこの試合です。
この試合前、両者の言い争いが加熱。
乱闘騒ぎとなり、車の屋根の上から助走をつけたホームズが
警官になだめられていたバービックに向けてドロップキックを放つ場面がテレビ放送される。
…なんてエピソードもあります。
↑wiki情報なんで、真偽は不明ですが…今も昔も試合前は何かと…。
それはさておき、これまで、ホームズが苦戦した試合、二つのキーワードがあります。
ジャブを外す…ボディを責められる。
ここまで来れば、ホームズの研究材料はそろってきます。
1R、抜群の反応と身体能力でホームズのジャブを外すバービック。
離れた距離から飛び込んでボディを狙います。
その分手数は減りますが、ヒットでは上回る。
ホームズはジャブをいくつも繰り出すも、ヒットしたのは右から入った1発のみ。
ラウンド終了後には何やらエキサイトしたホームズが、バービックを突き飛ばす。
バービックがホームズに対しやり返そうと、間に入ったレフリーを突き飛ばしてホームズに向かおうとしますが…
思わず突き飛ばしてしまったレフリーを助け起こすバービック…バービックは何やらとても人が好さそう(笑)
引退後、さまざまな犯罪を犯した挙句に、身内に殺されてしまってたりするんですけどね…
このシーンを見ると、悪人には思えなかったり…解んないもんです。
2Rに入ると、ホームズがわずかに距離を近づけて微修正。
右の比重を増やして対抗します。
お互いの大砲が顔面を捉えるシーンが出てきます…が、手数の少ないバービック。
見栄えはよくありません。
このラウンド後も何やら言いあう両者…。
3R、丁寧に左を外して飛び込んでボディを撃つバービック。
左対策を徹底しながら、飛び込みザマには頭をヒットさせる…。
狙ってのことなのかは解りませんが…なかなか荒れそうな気配です。
ホームズは左対策を徹底するバービックに、時折右から入っての強烈なヒットを与えます。
4Rに入ると、ホームズが距離をフィットさせたかジャブがバービックを捉え始めます。
試合を通じてジャブを外し続けることは不可能。
“基本強し”を感じます。
バービックはラウンド後半になるとホームズをコーナーに押し付けガチャガチャの撃ち合い。
それでも上回るのはホームズ…しかしバービックもいくつかいいヒットを与えます。
5R、頭から飛び込んでガチャガチャ撃ち合おうとするバービック…。
ホームズは明らかに持て余してしまう。
それでも強烈なアッパーで対抗し、顔面への強打を許さないホームズ。
バービックはくっついてボディへコツコツ…。
6Rはホームズが丁寧にサークリングしながら左でバービックをコントロール。
飛び込んできてもしっかりクリンチしてブレイクを待つ。
7R、左で支配しながら、バービックの飛び込みザマに左アッパーを合わせようとするホームズ。
ラウンド終盤にはバービックがホームズをコーナーに押し付けての密着の撃ち合い。
ホームズが上回るものの、頭の衝突からバービックが盛り返していく。
8Rに入ると前のラウンドで撃ち疲れたか、バービックの手が出なくなります。
こうなるとホームズの左がバービックをコントロール。
お互いにヒット数の少ないラウンドになりますが、継続してホームズが手を出し続けるラウンド。
9Rに入ってもこの流れは変わらず…
前のラウンドあたりまで拮抗していた流れが、バービックの消耗によってホームズに傾きます。
10Rに入るとホームズが左をつきながら強烈なワンツーでバービックを捉え…
11Rもフットワークでバービックをいなしていく…
ポイント差では挽回が微妙になってきた12R、再びバービックが頭から飛び込む戦法に切り替えます。
しかし、当初ほどの勢いがなくなったバービック。
インファイトに突入すればいくつかホームズを捉えるパンチを放つものの、ホームズはそれ以上にバービックを捉える。
13Rも飛び込もうと狙うバービックをいなすホームズ。
なかなか上手く飛びこめず、飛び込めてもホームズに上回られる…。
14R…バービックはコリアンファイト化を顕著にしていきます。
…が、消耗したバービックのそれは、本場のコリアンファイトの手数には程遠い。
15R、渾身の力でアタックするバービック。
そしてそれに応じるホームズ…
足を使えば安全にポイントアウトできる展開ですが…。
真っ向から撃ち合いに応じて、そしてバービックを上回る。
ラフなバービックにホームズが手を焼いた試合…これだけだと面白みが分かりづらいですが、
最終15Rの撃ち合いで、きっちりと世界タイトルにふさわしい試合に仕上げたホームズ…見事!
二桁防衛まであと一つと迫る試合でまたも相手を圧倒。
10度目の防衛戦は、かつて世界タイトルマッチの舞台でアリを破ったこともある五輪金メダリスト。
果たしてホームズがどんな戦いを見せるのか…
そんなところはまた次回。
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