アンチェインを見た(コラム) ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2017/10/27
ドキュメンタリー映画「アンチェイン UNCHAIN」を見た。
知り合いのボクヲタに勧められてその存在を知ったのだが…。
僕がボクシングを見始めた頃に放映された映画。
実はこの映画の存在さえこれまで知らなかった。
7戦6敗1分の戦績で滑車神経麻痺を発症し、1勝もできずに引退したアンチェイン 梶(陽光アダチ)。
彼がボクシングを辞めてからの破天荒な引退後が収められている。
キックボクシングのガルーダ・テツや、シュートボクシングの西林 誠一郎、ボクシングの永石 磨(陽光アダチ)。
梶の奇行に振り回されながらも、それに付き合い続ける彼らの不思議な人間関係。
ときに後楽園デビューを台無しにされ、ときに梶に付き合った結果、大怪我を負い…。
それでも繋がり続ける彼らの人間ドラマでもあったりする。
ドキュメンタリーと言うけれど、こんなクズが本当に存在しているのか!?
…と思いたくなるような梶のクズっぷりと奇行っぷり。
そして、そんな梶を見捨てることなく繋がり続ける3人の格闘家。
こんな奴…ほんとにいるから困ったもので。
実際、梶とは別のベクトルだけど、僕の同級生に奇行の激しい奴がいて…
ワルとかそんな部類ではなく…面白いと思ったらすぐに実行していしまう小学校低学年のような男。
本人には一切悪気はなく、「当然」くらいの感覚でやっていて…。
こっちもそいつの人懐っこい人柄や、とりあえず言うことを聞いておけば
格別に面白いことにめぐり合えることもあってついつい言うことを聞いてしまう。
その結果、パンクしたママチャリで山の頂上まで林道を登るハメになったり、
カナダに1か月半滞在するような事態に陥ったり…。
こちらの人生もだいぶ破天荒にしていただいた。
「ハッサクあるけどいる?」と聞かれた友人が「いる」と答えたら、
玄関先に400個のハッサクを置いてくるような奴である。
その友人は「スーパーの棚卸か!?どうすんねんアレ!!」と発狂。
庭に生ごみを撒かれ、大量の粗大ごみを「お前は絶対いつか使う」という理由で家に持ち込まれ、
阪神タイガースが優勝した興奮で家の壁を油性マジックで落書きだらけにされたが…
それでもヤツとの人間関係は続いている。
今では廃車寸前だったとはいえ車をもらったり、衣服をもらったり…世話になることの方が多いが…。
やはり油断はならない相手だとは思っている。
話が大幅に逸れてしまったが、梶とその仲間たちを見て、そんな自分の人間関係を重ねた。
この映画の登場人物たちはずっと青春時代のガキ同士の関係をそのままに大人になっているんだなぁ…と。
どこまでも青春にのめり込むのも、ボクサーや格闘家だったりする。
自分の知っている元ボクサーたちを思い浮かべてそんなことを思ったりする。
引退後のボクサーが犯罪を犯したりすれば、今やネットでガンガン叩かれるが、
もう叩きようがないくらいイカれている梶に、「こういうのもアリだよな」なんて思わされてしまう。
そもそもボクシングは紳士のスポーツではない。
殊勲な選手が持て囃される現在だが、元々はヤンチャモノのスポーツだったハズだ。
そう言えば、駿河男児ジムの会長さん…
現役時代のリングネームは駿河 男児(コーエイ小田原)。
彼を最後のヤンキー系ボクサーなんて言ってた人もいたっけ…。
特攻服を着て入場していたらしい…その雄姿を見たことがないのが残念だけど。
もちろん彼は真っ当に生きているので、引退後に何度も逮捕された梶の話の中で
名前を出しすのは適切ではないのかもしれないけど、
何が言いたいかって…殊勲な選手しかいなくなったら、ファンは選択肢を失ってしまう。
悪い奴に憧れるファンがいたっていいし、練習してませんって顔した選手が勝つのを見たいってのもアリ。
犯罪を犯して、永久追放的な感じになっているボクサーもいるけど、
戻ってくればいいじゃん…なんて僕は思ったりする。
そういう男に自分を重ねたいファンもいるはずだし、
そういうボクサーがボロクソに野次られながらリングに上がる姿もまたドラマになるだろうと思う。
こういうぶっ飛んだボクサーが何人かいたって、僕はいいと思うなぁ…。
自分が応援するかしないかは別にして、今は特に…殊勲なボクサーが多いから。
アンチェイン 梶…もし現代にいたら…。
絶対関わらないだろうし、応援しないだろうけど…
気兼ねなくブーイングできるような選手が一人くらいいたら、面白いよなぁ…。
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