2026/6/28 -静岡・ふじさんめっせ- 第1試合~第4試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
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■2026年度中日本スーパーフェザー級新人王準決勝
【スーパーフェザー級4回戦】
中尾 公信(市野) vs 中村 永遠(トヤマ)
ゴングとともに猛烈なファイト。
中尾が押し込みながら腹を削り顔面を捉えると
中村は下がりながらもコンパクトにショートアッパーを突き刺して応戦。
熾烈な撃ち合いとなる中、お互いに一切クリンチせず。
12分間お互いがひたすらに殴り合う時間が過ぎていく。
押し込まれながらも踏ん張り、コンビネーションで多角的に捉える中村。
ひたすらに押し込んで下から上へと削り上げていく中尾。
凄まじいファイトは形を崩すことなく試合終了のゴング。
マイジャッジ 39-37 中尾
公式ジャッジ 39-37×2、38-38
2-0 勝者:中尾
ノークリンチの火の出るようなファイトは、クオリティこそ違えど
田中 恒成(畑中)vs田口 良一(ワタナベ)の名勝負を彷彿とさせた。
スロースターターの中村が初回から仕掛け
あのドン臭さの塊だったような中尾が猛烈なファイトで魅せた。
両者とも着実に強くなる中での衝突。
これまで魅せてきたような大逆転劇ではなかったが、
見る者を熱くする猛烈なファイトで、また中村はインパクトある試合を残した。
一つ一つ、凄まじい試合をリングに刻み込み続ける。
ずば抜けた面白いボクサー。
ここからの復活を楽しみにしていたい。
そして…あの中尾がここまで来るか。
これでB級昇格、スタート地点を考えればここまで来ることが信じられない思い。
ここにたどりつくまでに重ねた敗戦の数、センスの欠片も感じさせなかった男が
勝ち抜いての中日本新人王決勝進出とB級昇格の権利を手に入れた。
多くのボクサーがB級昇格叶わずにリングを去る。
プロボクシングの底辺にいた男が…
プロボクサーの中でも一部の選手しか手に入れられないものを手に入れた、
そこにどれだけの継続的な努力があっただろうか。
「三重が産んだ大鈍才」中尾。
今「周りとの力の差」を感じるすべての選手たちの希望を感じさせる存在。
ノンフィクションとは思えないドラマが目の前で繰り広げられている。
中尾 公信 11戦4勝(1KO)6敗1分
中村 永遠 6戦4勝(3KO)1敗1分
【スーパーフェザー級4回戦】
淵上 慶(西遠) vs 永野 友己(横浜光)
少し遠い距離に陣取りながら踏み込みのタイミング勝負で始まった試合。
お互いにフェイントを掛け合い、ジャブを突きながら探り合う。
ここを制したのは永野か、踏み込んで右で捉える回数で上回る。
さらには淵上が踏み込んだところでも右を合わせ始める永野。
淵上はじっくりと見ながら時折右を突き刺す戦いぶりとなり、
手数、ヒット数で永野がはっきりと上回る。
しかし3R、淵上の狙いすましたカウンターが永野を捉える。
腰が落ちながらもなんとか堪えた永野、巧くクリンチし、その後は攻め込ませず。
淵上が左を連続で叩きつける場面でも、永野は無理せずクリンチ。
窮地にも冷静に対処していく。
タイミングをずらして飛び込み、強打で捉える淵上だが
最終ラウンドも焦らずワンツーを突き刺していく永野。
永野が淡々とミッションを遂行するように試合終了のゴング。
マイジャッジ 39-37 永野
公式ジャッジ
39-37 永野
38-38×2 ドロー
前半は永野、後半を淵上がまくり上げた形か。
劣勢の中、狙い続けた淵上が一撃で流れを変えた試合。
最終ラウンドは印象的なヒットで淵上にポイントが流れたようにも見えた。
淵上にもう少し手数があれば、永野があと少しアグレッシブに攻めていれば。
両者ともあとわずかに足りずのドロー劇だったように思う。
ただそれは、お互いが相手をそうさせたとも言える。
ここから二人が実力を増していくにあたって大きな伏線となりえる試合にも思えた。
こういった試合の後に結果を出しはじめる選手は多い。
たらればは強くなるための種。
力を増してリングに上がって来る二人を待ちたい。
淵上 慶 3戦1勝1敗1分
永野 友己 4戦1勝1敗2分
【スーパーバンタム級4回戦】
白井 優成(駿河男児) vs 倉持 夏輝(大里ナックル)
アグレッシブに攻め込んでくる倉持を柔らかくいなしながらカウンターを痛打していく白井。
お構いなしにどんどん出てくる倉持に時折被弾もある白井だが、
時間が経過するごとにその数も減っていく。
下がって距離を調整しながらではあるが、
手の届く攻撃的な位置取りで次々とカウンターを奪う白井。
2R序盤には左フックをひっかけてダウンを奪取。
再開後も倉持のアグレッシブさは消えず、どれだけもらっても攻め込んでいく。
しかし、度重なる被弾にレフリーが割って入り試合は終了。
TKOタイムは2R 2分12秒
攻めの姿勢を一切崩さず、どれだけ強打を浴びても自分から攻め込んでいった倉持。
攻めたからこその結末だったようにも思える。
勇敢に攻めたからこその敗戦、プロボクサーとして魅せるべきものを魅せた試合だと感じた。
そして白井もまた、リスクのある位置で攻撃的にカウンターを獲っていった。
一発に合わせるのではなく、全てのパンチに合わせるように次々と。
試合は一方的ではあったものの、その中身は勇敢な男同士の激突。
これでB級昇格となった白井。
この男がB級昇格まで9戦を要し、戦績五分でのB級…。
昨今のボクシングがどれだけ熾烈な競争となっているかをまざまざと感じさせられる。
相手のパンチをはっきりと見切る力がなければあの位置には立てないはず。
そして、その位置に立てる選手は、それなりに力のある選手なハズだ。
苦労したB級までの道のり、ここから先、快進撃もあり得る選手。
それだけの力は間違いなくあると思っている。
白井 優成 9戦4勝(2KO)4敗1分
倉持 夏輝 3戦1勝1敗1分
【バンタム級4回戦】
山本 敬太(八王子中屋) vs 中村 勇翔(緑)
ゴングとともに詰めて来る山本に対し、
鋭くジャブを突き刺し、入ってきたところを懐で左フックを叩きつける中村。
振り込んでくる山本のスイングをかわして撃ち終わりを捉える場面も。
山本は詰めはするものの手を出せば強打で襲われる展開。
中村の上のガードは堅く、しきりにボディを叩くものの、そこで空いた顔面を襲われる。
2R終盤、撃ち合いに持ち込んで中村の顔面を捉える山本。
痛烈な被弾が重なっていく山本だが、それでも踏み込んでは思い切りボディを叩く。
上を捉える場面は少ないがそれならばと思い切りボディを叩いて削っていく。
山本のボディが低く入り中村に休憩が与えられる場面も。
最終ラウンドは山本がワイルドに撃ち合いに持ち込む。
最後まで変わらずボディを叩き続けた山本だが、中村を削り切ることはできず。
撃ち合いへと引きずり込み、捉える場面は増えたものの、
中村もカウンターを痛打し続けて試合終了のゴング。
マイジャッジ 39-37 中村
公式ジャッジ 39-37、40-36×2
勝者:中村
中村 勇翔覚醒か…これまでもカウンターセンスを輝かせてきた中村だが、
この日はジャブと左フックがさえわたっていた。
カウンターパンチャーにありがちな待ちの体制に入ることなく、
出てくる山本の切先を奪い続けた。
大きな大きな武器を手に入れた中村は、驚くほど強さを増していた。
そして、その中村に対して踏み込み続けた山本。
上が当たらず、出ればカウンターを奪われる。
そこを突くしかない展開に、躊躇なく被弾恐れずボディ攻めを敢行した。
結果には届かなかったが、その選択ができる力はこれからの戦いでも生きるはずだと思える。
まだ少し時間はかかるかもしれないが、
この男がやがてA級に昇格し、第一線の選手に挑む日が楽しみだと思える。
強い男に挑んでこそ輝く選手…そんな選手だと思えた。
山本 敬太 6戦2勝(1KO)4敗
中村 勇翔 6戦3勝2敗1分
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