2026/6/19 -愛知・名古屋市エディオン久屋広場特設会場- 全試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
【スーパーバンタム級4回戦】
クーヤ・ジャップ(天熊丸木) vs 土手 悠聖(緑)
ジャブを突いて前に出る土手。
大きく振るうジャップのパンチはバックスステップでかわす。
しかし、ジャップが右で強烈に捉えると土手の足が止まる。
攻め込むジャップに対して土手は撃ち合いで対抗。
徐々に土手がロープに詰めてまとめる場面が増えるが、
ジャップも強烈に捉えて熾烈な撃ち合い。
ラウンド終盤、強打が交錯する中、ワンツーが混ざり始めた土手の
右ストレートが捉えてジャップがダウン。
立ち上がろうとするジャップだが、10カウントには間に合わず試合終了となった。
KOタイムは 1R 2分24秒
ジャブを突きながら丁寧に立ち上がった土手のデビュー戦。
ジャップの目の覚めるような一撃をもらってから、土手は撃ち合いに転じた。
プラン通りではなかったのかもしれないが、デビュー戦特有の固さを抱える中、
撃ち合いへと切り替えて倒し切った部分に凄みを感じた。
また、お互いに捉え合う中で混ざり込んでいった土手のワンツー。
戦いながら有効なものをナチュラルに選択していく姿にはセンスを感じた。
これからが楽しみな選手と思えた。
先に捉えたのはジャップの方だった。
好戦的なスイングはデビュー戦から削がれておらず。
撃ち疲れから勝利を取りこぼしたデビュー戦の姿から、
長所が消え去ることを心配したがそれも無駄な杞憂だった。
はっきりと白黒の付くKO負けではあったが、
土手を撃ち合いへと巻き込んでいった展開自体はジャップのものだったと感じた。
そのうえで、短時間にその撃ち合いに適合した土手を褒める試合。
ジャップはプロで勝つ力のある選手。
また、初勝利に挑んでほしいと思えた。
クーヤ・ジャップ 2戦1敗1分
土手 悠聖 1戦1勝(1KO)
【スーパーフライ級8回戦】
成上 聖斗(比) vs 前川 龍斗(一力)
左構えの成上と右構えの前川。
タイミングの奪い合いの中、両者とも好戦的に大砲をぶつけ合う。
相打ち気味にパンチが交錯する中、成上が右フックまで返してダウンを奪取。
「しくじった…」そんなリアクションを見せながら立ち上がる前川。
攻勢を強める成上に対して反撃の拳を撃ち込んでこのラウンドを終える。
2Rにはいったん試合は落ち着く。
じっくりと見ながらタイミングを測る前川と、じりじりと詰めていく成上。
時折繰り出す成上の右ストレートが強烈に前川を捉える。
前川はこのラウンドを立て直すためのラウンドとしたか。
ほとんど手を出さずに終わる。
3Rには成上がテンポアップ。
見合いながら強打をぶつけ合う展開は変わらずだが、
成上が数を大きく増やして捉えていく。
ロープに詰めれば強烈に下から上へと捉えていく。
前川はカウンターの一撃を狙うか、じっとこらえながら一発を返す。
4Rには前川も出始めるが、成上は痛烈なカウンターでその勢いを止める。
手が出ない中、必死にタイミングを探す前川だが、
その間にも成上が強打で襲う場面が繰り返される。
展開は変わらず、一方的となった展開の中でセコンドからタオルが投入。
TKOタイムは4R 2分45秒
1Rでダウンを奪われてから、逆転の一撃を狙う戦いとなった前川。
最後まで見つかりはしなかったが、そのタイミングを測り続けていた。
強打が入っても冷静に戦い、決めに来ない成上はそのチャンスを前川に提供せず
前川はダメージを蓄積していく試合ともなった。
セコンドからのギブアップ。
無情にも思えたが、選手とともに時間を過ごす者の判断に
見ているだけの外野は何かを言えるものではない。
もう一度…今度は勝つところを見たい。
2度目の日本での試合、母国での試合で初めての勝利となった成上。
この試合で引退を決めていたとのこと。
大きなダメージなく、競技人生をやり切れたのであれば、それは喜ばしいこと。
これからリングを離れることとなるようだが、やりたくなったら、また戻ってきてほしい。
期待はせずに、いつまでも待っていようと思う。
成上 聖斗 9戦6勝(3KO)2敗1分
前川 龍斗 18戦12勝(8KO)5敗1分
【56.5kg契約8回戦】
アレックス・サンティシマJr(比) vs リチャード・プミクピック(フュチュール)
お互いに左フックで捉え合った直後。
サンティシマのリターンの右フックがプミクピックを捉える。
効いたと判断したか、一気に攻め込んだサンティシマ。
猛烈に攻め立てロープに追い込んで痛烈な右ボディ。
沈み込んだプミクピックは悶絶の中でテンカウントを聴いた。
KOタイムは1R 43秒。
フィリピン人同士の対決らしく、好戦的な立ち上がりの中、
先にチャンスを得たサンティシマが一気に勝負を決めた。
相撃ちから躊躇なく出たリターン。
チャンスととらえるその判断力。
そして、決め切る攻撃力。
サンティシマが海外初勝利でその強さをはっきりと示した。
この試合では何かを示すことはできなかったが、プミクピックの実力は間違いのないもの。
元WBOアジアパシフィックフェザー級王者…
あらためてその強さを感じさせてほしいと思えた。
アレックス・サンティシマ 15戦13勝(7KO)2敗
リチャード・プミクピック 42戦23勝(7KO)16敗3分
【スーパーフェザー級8回戦】
ピート・アポリナー(比) vs 石井 龍誠(金子)
頭一つ分大きな石井がサウスポーに構え、じっくりと待ちながら撃ち終わりを狙う。
アポリナーは踏み込むタイミングを探りながらの戦い。
静かな展開の中、中盤、踏み込んだアポリナーに石井の左ストレートが刺さる。
終盤に向けて、徐々に徐々にアポリナーが攻勢を強める。
身長差があるうえに、リーチも長い石井に対して
アポリナーは踏み込み勝負に。
待ち構える石井に鋭く踏み込んで拳を叩きつける。
どんどんと詰めて撃ち合いに持ち込み始めると、
石井の顔面を痛烈に跳ね上げる場面が目立つ。
石井の方からも前に出た3R。
両者とも強打を振るいながらかわし合うハイクオリティのインファイトの中、
拳を着弾させたのはアポリナー。
右を立て続けにヒットさせってダウンを奪う。
立ち上がった石井、アポリナーの圧力の中、果敢に撃ち返して撃ち合いに。
左ストレートを痛烈に返して見せるも、
アポリナーの強烈な左フックを浴びて2度目のダウン。
レフリーは試合をストップした。
TKOタイムは3R 2分29秒。
これまで何度も日本のホープたちに挑み続けたアポリナーが、日本初勝利。
弱くて負けていたわけじゃない…それをしっかりと証明した戦いだった。
体格上の相手に果敢に踏み込み、フィリピン人らしい勇敢な戦い。
ピノイはこうであってほしい…そんな思いにさせられた。
対して敗戦した石井、相手の勢いに飲み込まれるように被弾してのダウン。
どんどん踏み込んできたアポリナーを褒めるべき試合ではあるが、
今後こう言った相手をどう止めていくか。
A級ボクサーながら、まだまだ強くなる要素たっぷりの選手。
二桁の敗戦となったが、それでも戦い続ける粘り強さがある。
きっとまだ、ここからよりボクサーとして大きくなっていく未来を持った選手と感じた。
ピート・アポリナー 28戦20勝(13KO)7敗1分
石井 龍誠 23戦12勝(9KO)10敗1分
【カテゴリ別】
2026年中日本ボクシング観戦記一覧に戻る
中日本ボクシング観戦記一覧一覧に戻る
カテゴリ別記事一覧に戻る
【日付別】
【記事一覧】2026年8月に戻る

コメント